DISTINY:鎌倉ものがたりを見て何回泣いたかカウントする

総論:めちゃよかった。

私は映画を見るとき、なぜか尻込みしてしまう。
その理由が今日改めて分かった。
一つ、作品に集中するため普段足先を温めているストーブ(パワー弱、ちょいとうるさい)を消すことにより、足が冷える
部屋は激寒となり、後半は感動して泣いて震えているのか寒さに震えているのかよく分からなくなり体力を消耗して疲れるのである。

二つ、シンプルに泣きすぎるのだ。

今回私が泣いたポイントを書き連ねていく。共感する方がいたらうれしい。
割としょっちゅう泣いていて、見ている最中に自分でも引いた。

あきこと一色先生がケンカしたとき、あきこが泣きながらも料理を作る。
喧嘩して家を飛び出す展開はドラマあるあるだが、
現実問題そうもいかない。毎回飛び出していたんでは生活が成り立たないのである。
今、口もききたくないと思ってる人と一緒に食べる為のご飯を作る。この些細なシーンで人生のリアルを感じて泣いた。

「先生が死んでも幽霊になってそばにいてくれる?」というあきこのセリフ、昔なら「はいはいべたなセリフ言ってますよ」と白けた顔して聞き流していたところだが、泣いた。昔の自分をぶん殴ってやりたい。
女性の方が男性より長生きしている現代社会、自分より10以上離れている先生と結婚することを決めたあきこにとって、健康に生きたとすれば自分が一人になってしまう未来はほとんど確定しているようなもの。あきこにとってのこのセリフは映画でよくある「ずっといっしょにいようねLOVE」なんかとは真剣みが違うのだろうと解釈して泣いた。

堤さんのカエルがかわいらしくまたいじらしくて泣いた。あんなんもう立ってるだけで抱きしめたくなるだろうが。自分の愛する娘に抱きしめられても、「お父さんだよ」とも言えない。妻が他の男と一緒になろうとしているところを見守るしかない。ある意味死んだ方がましなのではとすら思ってしまった。

貧乏神が去るときに泣いた。「貧乏神のくれたもの」なんて見るからに運気下がりそうだもんな…と、お茶碗をもらおうとしないあきこを見ていたら「貧乏神さんに悪いもん」とまさかの遠慮だったという純粋さを見せるあきこに泣いた。私は自分の利益ばかり気にするセコイ人間なのにあなたって人は。。。
あと私はおじいちゃんおばあちゃんに弱いんだ。。。。キンさんも果たして人間なのか怪しいけどとりあえずめちゃかわいいし。。電車の最後尾からぺこりするところとか超きゅーとだった。

あきこが一色先生の寝顔をこっそり泣きながら見るところで泣いた。
お別れを笑顔で頑張ろうとするが泣き崩れるあきこに泣いた。
普段は照れ屋であきこへの思いを口に出すこともすくない一色先生が、「あきこのいない世界で生きてもしょうがない(曖昧)」と思いのたけをぶちまけるところに泣いた。

あきこ(との思い出)が蘇るシーンで泣いた。

劇中オリジナルサウンドトラックが良すぎて泣いた。あの不思議でちょいジブリみのある音楽が耳に心地よく、ファンタジー好きの感性に刺さった。

黄泉の国でみんなが再開を喜ぶ中、一色先生が一人でホームに降り立つシーンで泣いた。(あきこはここに一人で降りたんだ。どんなに心細かったんだろう)

宇多田ヒカルの歌の歌詞と本作のリンクポイントをいちいち感動して泣いた。

後、普通に一色先生をキルしちゃえばいいのに律儀に待ってくれたり、なんだかんだ力を抑えて待っててくれたりするヒールの可愛さに、原作者の先生の心根の良さ?あんまり残酷すぎることをしない可愛さにときめいてほろっと来た(泣いてんじゃん)
なんか全般的に出てくる人の毒気がなくて、すさんだ心に、まさに貧乏神の食べた朝食のようにしみわたっていちいち泣いていたのかもしれない。

わたしってもしかして:貧乏神

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好き嫌いは分かれる作品だろうなとは思う。

私の様に何かにつけて自分事にとらえる人間や、ファンタジーに没入して楽しめる人は楽しくみられるだろうが、
作品に現実味や一貫した筋を重要視する人にとっては、ご都合主義的だ。とストーリー展開に物足りなさを感じるであろう。

それでも私は、この作品は絵本を読む時のように楽しめるものだと思っている。何度も読んで、ボロボロになっているけど、きれいな挿絵とお気に入りのキャラクターが出てくる、だいすきなストーリーの絵本。
こんな気持ちで鎌倉ものがたりを見ていた。

高畑さんも堺さんも上手だったと思った。
何が上手だったのかを表現できるほどの語彙と文書力が無くて残念だが、いつか書きたい。



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