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友達の友達のゲイの人の話

アメリカにいた時に同じ専攻だった友達が日本に遊びに来たことがあった。日本に来るので、一緒に遊ぼうと誘われた。
彼女はお姉さんと一緒に浅草のホテルに泊まっていて、
彼女たちの滞在中数回一緒に遊んだ。
というか、日本語ができないと困るようなことをしたかったらということで
河童橋で包丁なんかを買いたいというので
あの辺りを一緒にお買い物をしたり、ご飯を食べたり
色々案内して回った。

それから暫くして、彼女の友達が日本に行くけれど
日本語も全く話せない友達のご飯を何回か一緒に食べてあげてくれないか?
とお願いされたので、友達の友達だからまあいいかと思って快諾した。

海外の友達とは連絡帳がわりになっているFacebookの
チャットで連絡を取ることが多くて
一緒にご飯を食べる予定のもFacebookを通じて紹介された。
名前はウォン。
その後、どんな人かあらかじめ彼のタイムラインを追ってみた。
公開されている写真を見て、当日の待ち合わせ場所で
本人を探せばいいやという程度の気持ちで見た。
写真を見る限り、彼がどうもゲイだということだけが分かって。
まあ、そういうのはどうでもいいので、
こんな感じの人かという程度だった。

そして、当日原宿の駅前に集合して
チャットで場所に着いたよーとか
今どこの前にいるよーとか試行錯誤しながらやっと出会えて
ご飯の時間には早かったので、
「行ってみたいところはある?」
と聞いたら
「竹下通りと猫カフェに行きたい」とのことだった。
竹下通りに向かう途中にちょうど猫カフェがあったので
猫カフェに行って、猫と暫く戯れて
その後竹下通りを下って行って、竹下通りの終わりあたりで
お腹が空いたねという話になってお昼ご飯を食べることにした。

何が食べたいか聞いても、よくわからないけれど
待つのがとにかく嫌だというので
近くの空いていた牛タンの店に入った。
お店に入って英語のメニューを頼んでトイレに行って戻って座った途端に
彼が真剣な顔をして
「僕はボーイフレンドにはなれないよ」という。
最初は何のことかさっぱりわからず、
そして思い出したのは
Facebookで彼がゲイであるというのを知ったことだった。

そしてそれと同時にとても失礼だなと思った。
「私がボーイフレンドを探してると聞いたの?
私がボーイフレンドが欲しいって言ったの?」
と聞いた。
あえて、ゲイなのは知ってるよとは言わなかった。
彼は少しびっくりしたみたいだったけれど
それ以降はそれには触れないように何もなかったようにしていた。

日本の女の子が自分に親切にしてくれているからといって
勝手に自分のことをボーイフレンドとして狙ってると思う感じが
すごく傲慢だと思ったし、
多分、こういうのは性別に関係なくいるんだろうなと思った。

最近ジェンダーの話が色々話題になるけれど
そういうのを聞くたびにいつも思い出す。



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