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2022J1第14節

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。


盛者必衰の色が殊更強いJリーグを年間全試合観るにあたり、(DAZNの視聴期限が来ても)あとで振り返るための外付け・記憶の引き出し。個人的に好みだったシーン、"おっ"と思ったシーンを節ごとに格納していきます。需要は私自身にあります。

広島×京都

広島:前節と同じスタメン。ジュニオールサントスとベンカリファの2トップ。
京都:こちらも前節と同じ。CBはアピアタウィアと麻田、左SBは荒木大吾。WGに宮吉と武富。

25'35"
GKからのパスをカットされ、数的同数でボールホルダーに時間と選択肢を与えず守った野津田の予測。絶対にオフサイドにならないハーフウェイライン手前で待つサントスとベンカリファ。敢えてアピアタウィアに身体をつけて相手の対応を規定したサントスと、段差をつけて懐を確保して待ったカリファ。個人戦術の融合。
65'00"
ベンカリファがプレッシャーのキツイところでよく収めた。加えて野津田のアイディアと二度収めたサントスの強さ、自陣方向へ半歩ステップを踏んだベンカリファのオフサイドにならないポジショニングとコントロールのうまさ。
81'10"
塩谷がボールを奪うと周りの対応を見て運ぶことを選択。一人で持ち上がると柴崎、サントスをポストに使って自らフィニッシュ。
82'15"
強烈なバックスピンをかけてタッチラインを割らず東がギリギリ追いつく絶妙なスルーパスを出した森島。それも後方から来たボールをワンタッチで、逆足となる左で。ビリヤードで言うドローショットのような美技。

清水×名古屋

清水:前節と同じ。今回も右は片山とカルリーニョスジュニオ。
名古屋:左アウトサイドが相馬から吉田豊に変更。相馬はジョーカーとしてベンチに。

02'30"
鈴木唯人の受け方、シュートを放つ間合いを作るフェイクとリズム。稲垣とレオシルバの門の上に立ち、いかにもワンタッチで落とすような脱力・後傾した体勢から反転、左手でレオシルバの動きを抑えて遠い方の右足でコントロール、振り向きざまに左足を強振。

C大阪×G大阪

C大阪:ヨニッチの相方が西尾から鳥海に。前節鈴木徳真の入ったCHには原川が戻ってきた。前線は清武とアダムタガート。
G大阪:3421の形を採用。三浦、昌子、クォンギョンウォンが初めてトリオを組む。前節からスタメンを外れたのは石毛で、他はポジションのスライド。山見と中村仁郎がサイドを入れ替えてシャドーに入った格好。

65'15"
原川から清武への縦パスをスイッチに、山中の走り出しを決断する早さ。タガートが基準点として競った裏側に入り込む奥埜。
93'00"
毎熊のこぼれ球への反応の早さと中村、藤春だけでなく奥埜に対応しようとする石毛まで吊ろうとする、リターンを欲張った持ち方運び方、スルーパスのタイミングと球質の巧みさ。

FC東京×柏

FC東京:松木が戻ってきてアンカーシステムに戻す。最終ラインにも森重と小川諒也が戻り、長友が右へ。3トップは右から紺野、ディエゴオリヴェイラ、アダイウトン。
柏:GKがキムスンギュでなく佐々木雅士に代わったことが唯一最大のサプライズ。その他は鉄板の面々。

02'00"
前から嵌めた東京の守備の狙い。ディエゴオリヴェイラが脇の上島を消しながら古賀へ、安部が椎橋に強く詰めたところに連動して右の高橋から上島へジャンプして追うアダイウトン。
48'20"
森重が右サイドを見せて細谷を動かしておいて縦へ刺す。椎橋を引き連れた安部がレイオフで青木に渡し、ワンタッチの展開で中盤を裏返す。余った松木に上島が出ており、うまく繋がれば崩せた。

湘南×神戸

湘南:前節から半分程度ローテーション。3バックは山本、大岩、杉岡。3センターは茨田、田中聡、山田直輝。2トップは総入れ替えでウェリントン・大橋から町野・瀬川へ。
神戸:ACL考慮でミッドウィーク開催の11節と同じスタメン。

45'45"
イニエスタから小田へ、タッチラインに切れないかつ強烈なバックスピンのスルーパス。詰めた石原の脇の高さを抜く超絶技巧。

鳥栖×川崎

鳥栖:シャドーは本田から堀米に戻り、菊地が左に移った。
川崎:ミッドウィーク開催を経て中盤以前は家長を除いてそっくりローテーション。ここまで出番の多くなかった選手たちがスタメンに。

04'45"
朴一圭からのビルドアップ。3センターの脇に立った菊地に精度の高いロブを送って裏返すと、中央に川崎の中盤を集めておいて福田とジエゴで家長をかわし、山根と2対1を形成してフリーになった岩崎がカットインから強烈なミドル。
36'00"
最終ラインに落ちた瀬古から気の利いた縦パス、中央に絞った山根、下りた知念、押し上げた車屋と手数をかけて突破。人のいなくなったスペースを動きながら使う意識と、被っても技術と連携で抜けてしまう強み。
74'35"
シュートをキャッチした朴一圭の素早いディストリビューション。橘田を出し抜いてゲインに成功した岩崎で押し込むと、一度失うも圧縮して奪い返す。
そのまま左サイドから岩崎を中心に手数をかけて相手をかき回し、最後はワンタッチで精度の高いクロス、垣田を囮に堀米で惜しいヘッド。橘田の動いた後のスペースを積極的に使う意識。

浦和×鹿島

浦和:まさかの352。ミッドウィーク開催の11節からは馬渡→宮本、平野→岩尾、小泉→伊藤、シャルク→江坂。左のHVは明本で、関根が左の大外を担当。
鹿島:前節と同じ鉄板の11人も、中盤の並びはフラットから菱形気味に戻してきた。

23'00"
スローインから巧みに密集を脱出すると、セットしたところでショルツの横パスをダイレクトに柴戸が縦パス。伊藤が右のハーフレーンまで出てきており、PA幅の最終ラインに3人張り付く格好。
24'50"
ゴールキックでのリスタートから。明本がPA角で受けると大外に立った関根へ。横のサポートに入った柴戸に樋口がついてくるのを見て、ワンタッチでそこを飛ばして内に折り返すプレー。
江坂がスルー気味にフリックして食いついた三竿を外すと、それを拾った伊藤が逆サイドの宮本まで届ける。関川の背後を回って最終ラインを左に引っ張るユンカーの動きがあったことで時間を享受した宮本は、ファーへのクロスでさらに視野を振って伊藤の折り返し、ユンカーと関根のフィニッシュ。

39'00"
明本がHVを担当していた左に入れ替わりで下りた柴戸へ岩波から展開。明本が大外を取っており、和泉はそちらへ着いていったことで柴戸の前に広大なスペース。
ハーフラインを越えるまで運ぶと、ピトゥカが内の江坂に着いてきたことで樋口が対応に出てくる。その背後に下りる動きを見せた関根が気になった常本、その裏へ関根と入れ替わりに抜けた明本に柴戸から浮き球のパス、クロスに対応した関川のハンドでPK獲得。

福岡×横浜FM

福岡:グローリ→宮、田邉→田中達也と若干の変更。
横浜:ミッドウィークの11節から高丘、小池龍太(左SBから右へ)、水沼、アンデルソンロペス以外を入れ替え。岩田がスタメンに復帰。CBコンビは實藤とエドゥアルド。

磐田×札幌

磐田:前節と同じ前線3枚。ただしよりハッキリと2シャドー風味。鹿沼が継続してスタートから、松本昌也が右に回って左にはリーグ初スタメンの袴田が抜擢。
札幌:前節から大きく入れ替え。GKが大谷、左のHVが中村桐耶。CCBも宮澤から岡村に。シャドーに青木が入り、最前線はスタート時は荒野だったがすぐに駒井と入れ替わった。

27'30"
セットして相手を押し込んだところ、最終ラインに金子、駒井が張り付いたところでその手前を通す速い平行クロス。ぽっかり空いたスペースに抜けめなく入り込んだ深井がうまく面で合わせてゴール。
45'10"
松本、上原がワンタッチでボールを交換しながらレーンを入れ替え、菅と深井を無力化したことでゴール前から中村が引き出され、エリア手前にもスペースを生み、杉本のフィニッシュ。シュートコースを消した岡村。

今節のMyベストイレブン


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