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2022J1第12節

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

盛者必衰の色が殊更強いJリーグを年間全試合観るにあたり、(DAZNの視聴期限が来ても)あとで振り返るための外付け・記憶の引き出し。個人的に好みだったシーン、"おっ"と思ったシーンを節ごとに格納していきます。需要は私自身にあります。


C大阪×磐田

C大阪:左SBに山中が戻った。左のSHはパトリッキ、最前線はブルーノメンデス。
磐田:小川大貴が前節負傷した左WBに松本昌也。最終ラインは右から山本義道、伊藤槙人、大井健太郎。遠藤の相方は山本康裕で、1トップ2シャドーに大津、金子、ジャーメイン。


12'20"
リカルドグラッサがニアを閉じたこととメンデスの位置を認知して定石のポジションをとった伊藤のクロス対応と、遠藤から素早く大外を取ったジャーメインへの脱出、大津のポストワークと長い距離を駆け上がって気の利いたサポートを見せる松本。
47'15"
メンデスがうまく大井と入れ替わったあと、エリア内に清武と遅れてパトリッキ。ニアに入る素振りを見せていた清武は鋭く首を振るととっさにファーへ膨らむ動き。パトリッキを認知してニアのスペースを使わせようとする囮の動き。

清水×川崎

清水:CB立田を継続。前節からの変更は右SBの原→片山のみ。
川崎:ACL後の国内初戦、遠野のIH起用。


13'15"
ダミアンが鈴木義宜の前で、脇坂がボールサイドに寄っていた2CHの外で受けると家長がSBと CBの間に入り込む動きで山原を引っ張る。そのスペースに追い越した脇坂が先制。ニア上を抜いた技術も高い。
22'15"
車屋からCH脇の遠野へ質の高い縦パス。中央に進出した家長に預けると引きつけた清水右サイドの空けたスペースでマルシーニョ・佐々木と片山の2対1。
25'45"
家長が単騎でプレスに出ていったことで枚数が足りなくなる川崎の右サイドを中央経由で突く擬似カウンター。
白崎がアンカー脇で受けたことで中盤を裏返すとともに山根に絞らせ、サンタナのポストから左サイドを駆け上がった山原へ。少しパスが長くなったこともあったが、遠野のヘルプで事なきを得た川崎。

広島×鹿島

広島:352のシステムを採用。ベンカリファが加入後初スタメンでジュニオールサントスと2トップを組む。右のHVは野上ではなく塩谷、アンカーに野津田。
鹿島:3点を獲って快勝した前節から変更なし。右のSHは松村。

17'00"
前に出た鹿島のサイドプレーヤーの裏を浮き球で取ってカウンター。数的同数でジュニオールサントスの突破、絶妙な位置で引き取る満田。
37'15"
スローインの流れからベンカリファとジュニオールサントスが囲まれながらも粘って運ぶ。後ろから押し上げた満田がこぼれを拾ってすぐオープンスペースへ展開、柏が落ち着いたコントロールから逆足でフィニッシュ。ここも鹿島の大外が前に出た裏。
51'20"
コントロールが浮いた瞬間に身体を寄せる塩谷のうまさ、鈴木優磨からかっさらって長い距離を運ぶ満田。
51'50"
鹿島のロングボールを佐々木が跳ね返すと拾った松本が自ゴール方向へ運びながら大迫へバックパス。そのまま佐々木と入れ替わって左のPA角に開くと鈴木優磨がついてくる。
大迫からタッチライン際の柏に中距離のロブパスが入ると、松本と入れ替わりに中盤に立った佐々木に落とす。
鈴木が大迫と松本に、和泉が柏に寄せたことで時間を得た佐々木から、近くでピトゥカにチェックされるように立った満田と背後へラインを引っ張るよう離れていくベンカリファを飛ばしてジュニオールサントスへの質の高い縦パス。
三竿を背負っても収まるジュニオールサントスの強さ、樋口とピトゥカよりも早く追い越す満田のサポートとスイッチからのスペースへの運び、思いきりよく振り抜いたシュート。

77'45"
荒木から塩谷、松本の立ち位置で空いた森島への縦パス、アラーノ背中で感じながらのワンタッチ、大外で受けた藤井の森島とアラーノが空けたスペースへのファーストタッチ。そこから加速で一気に運び、クロスに対して止まってフリーになったサントス。長い距離をよく詰めていた柏。

横浜FM×名古屋

横浜FM:ACL後の国内初戦、CBは畠中とエドゥアルド、前線もブラジリアンカルテット。アンデルソンロペスが右WG起用。
名古屋:左WBが相馬から吉田豊、マテウスの相方が柿谷から酒井宣福に変更。

34'45"
大外レーンで受けるCB畠中。脇の喜田を経由して強いボールをエリア内へ。後ろの作りからSBを外すことで結果的にゴール前の厚みを確保する。38分にも似たシーンでここは畠中から内の小池。

札幌×京都

札幌:CCBに宮澤でなく岡村を抜擢。CHは高嶺と深井。前線は駒井を頂点に金子拓郎と青木。
京都:最終ラインは前節と同様。井上黎生人のアンカー起用がサプライズ。IHに金子大毅と武田、右WGに宮吉。

福岡×湘南

福岡:志知、前嶋がスタメンから外れて柳と湯澤。CHも中村駿がベンチで田邉でスタート。CBはグローリと宮。左のアタッカーに田中達也、山岸の相方にルキアン。

G大阪×神戸

G大阪:最終ラインは右から柳澤、昌子、ギョンウォン、黒川とおそらく初の組み合わせ。ダワンの相方は奥野。2トップにルーキーの中村仁郎とパトリック。
神戸:ACL後の国内初戦、菊池流帆のペアに大崎を、右のSHに井上潮音を置いたベーシックな442でスタート。

F東京×鳥栖

東京:右SBに中村帆高が入り、CBも木本の相方に岡崎。3トップは右から永井、山下、レアンドロとこちらもサプライズ。
鳥栖:まさかの442スタート。中野伸哉がSBに入り、原田と田代がCBコンビ。2トップを組むのは小野裕二と今季WB起用の多い岩崎。

05'20"
スローインから小野、岩崎の2トップが同じレーンで縦に絡んで左サイドを3Dに活用した鳥栖の前進。ミドルゾーンの1〜2レーンに攻撃側が4人、守備側が6人寄っても空を経由して縦のポジションチェンジを織り混ぜればボールがつながる。左CBの岡崎が出張してきてカバー。2トップも不在で中央は人数が足りており、好判断。
10'45"
中野伸哉のインターセプトからショートカウンターの局面、人数をかけて菱形の頂点を入れ替えながらポケットへ侵入。
菊地に預ける間に幅を取った岩崎と入れ替わるようにライン裏へ出ていく中野。岩崎はまた菊地に預け、中村帆高を引きつけておいて方向転換で裏を取る。

逆サイドからヘルプに来た松木はそのままボールに強く出るが、その空けるスペースを順についてレアンドロと松木の間を空けさせて斜めにサポートに入った福田へ。中村、松木、安部の間にポジションを取った岩崎がうまい。小泉は福田に出ていく3人のベクトルと視野を外すように入れ替わりで裏へ。また安部と松木がサイドに寄り、青木が最終ラインに吸収されているバイタルには堀米も絞ってきていた。小野の位置取りで岡崎も前に出るのは難しく、福田は小野や飯野へのアーリークロスと合わせて大きく3つは有効な選択肢を持っていたこととなる。

菊地も小泉も同じスペースを狙って走り込んでおり、強い横パスを受けて菊地が巧みなコントロールで決定機を迎えるも岡崎の見事な対応。
22'10"
永井との連携で抜け出し、ギャロップでの陣地回復を見せた中村。その後のアーリークロスの選択と精度も高質。戻った飯野の対応はエリア内でのファールがあったようにも見えたが…?
45'45"(AT)
自陣からのカウンターで東京よりも多くの人員を送り込むことでサイドを制圧。小野と岩崎がそれぞれ縦関係でタッチライン際のタメを作り、東京の前向きの対応を引き出したことで他の選手の裏へのアクションが効いた。
クロッサーが中野、飯野がニアゾーン、マイナスに小泉、中央に福田、ファーに堀米とエリア内のポジションを的確に取ってチャンス創出。最後は松木がよく戻った。

柏×浦和

柏:直近のリーグ戦、途中出場で全2得点とチームを逆転勝利に導く結果を残した森海渡がアンジェロッティに代わってスタメン。連戦だがほかは変更なし。
浦和:ACL後の国内初戦、酒井、大畑、ユンカーが負傷で長期離脱。CBは岩波が左。CHコンビは柴戸と平野で、前線に江坂とシャルク。

01'10"
CBの間に下りた平野に西川がつけたところから、柴戸が細谷の背後に、江坂が中村の背後、椎橋の脇に下りる動きでそれぞれサヴィオと椎橋を引きつけ、開いた門の奥に立つ関根へのパス、ダイアゴナルに走り込んでいる馬渡。


02'10"
CBの間で受けた平野から前進。平野、柴戸、江坂と3つの段差が出来たところに当てて前を向き、受けた馬渡が外から内へコントロールしながらチェックをかわし、突出した椎橋の背後に立った江坂へ繋いでプレッシャーラインを越える。


最終ラインにボールがある時は三丸がモーベルグを、中村が馬渡を、椎橋が柴戸を見ていることを江坂が下りる場所として利用している。
04'45"
シャルクからの落としが少しずれるが江坂が低い位置で平野と連携するところ、明本の持ち出しのコースとタイミングの判断、関根から内の馬渡への浮き球など期待感のある攻撃。
08'30"
中央で古賀→椎橋→サヴィオと繋いで左の中村、大きなサイドチェンジで大南。奪われたところを即時奪回で詰めるところまでセット。再回収して中央のスペース。
13'00"
外でゴールに背を向けた関根が受けてワンタッチで内側へ戻し、大外から内に入ってきたモーベルグへ平野からの縦パス。古賀の予測とカバーリングが見事。
14'15"
セットプレーを跳ね返したカウンターから、サヴィオの個人技と中村の気の利いた浮き球で浦和のネガトラを回避し、左で押し込んで右の大南へロングボール。勝算の小さくない賭けをエリア内に持ち込む次善の策の設計。
15'50"
ゴールキックから最終ラインで相手の出方を見て岩波から平野を飛ばした先に下りた江坂へ。相手の2トップの立ち位置に影響を与える平野。
41'20"
ショルツから縦の馬渡へ。この瞬間は馬渡が外、モーベルグが内。モーベルグとシャルクが入ったPA内でなく並行の江坂を選択すると、ついてきた高橋や待ち受ける古賀を浮き球でかわし、エリア内で粘ってクロス。モーベルグが引いたニアへ入ってきたシャルクが合わせる。スンギュのビッグセーブ。
66'50"
岩波から平野への縦パス、角度をつけてラインを越え、岩波の縦位置にいた江坂へ浮き球。上手いコントロールと身のこなしで剥がして運びシュートまで。防がれたものをモーベルグが拾い、タイミングの良い馬渡の攻め上がりを使って決定機もスンギュの好対応。
77'00"
伊藤から江坂を経由して松尾、スピードに乗ったところを一度は振り切られかけた上島がクリーンなスライディングで止める見事な対応。

今節のMyベストイレブン


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