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2022J1第13節

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

盛者必衰の色が殊更強いJリーグを年間全試合観るにあたり、(DAZNの視聴期限が来ても)あとで振り返るための外付け・記憶の引き出し。個人的に好みだったシーン、"おっ"と思ったシーンを節ごとに格納していきます。需要は私自身にあります。

浦和×広島

浦和:前節からは江坂→小泉、柴戸→伊藤の変更。
広島:前節と同じ面子で352。

07'15"
浦和の寄せ方を見て狭いところを持ち運んだ佐々木。小泉とモーベルグの間を割って、CH2枚に影響を与えた上でサントスへつける。サントスがシンプルに落としていれば満田が前向きでフリーに持てた。
そのあとのこぼれを拾った塩谷も同じく中央へ斜めに持ち出し、伊藤、モーベルグ、馬渡の目を集めて大外の柏にクリーンに渡す。
43'20"
まずショルツの予測の早さ。見定めたポイントに動き出すのが早い。その後の西川→平野→伊藤の脱出が巧み。CBを外から消しながらGKに向かう2トップの奥に立ち、背後からの満田を感じながらワンタッチで逃す平野。それを可能にする角度、森島も柏も届かないところに立つ伊藤。

馬渡とモーベルグを使って森島の背後を取った伊藤の連続性でアンカーの野津田を晒すと最終ラインとシャルク・関根が同数、小泉がフリーでボールを持てる状況に。ここまでは理想的だった。

46'30"
最終ラインで作り直した広島、塩谷から大外を下りた藤井、関根を追い越した塩谷へリターン。明本を吊り出したことで平野と2対1を作って外の森島へ。
浦和も中の枚数は十分も、大外に柏が余っていて折り返しに成功。
50'00"
塩谷と松本のコンビネーションで関根・小泉を無力化したところから。森島、野津田、満田と繋いで2CHを越えると、岩波を引き出してから大外の藤井を経由して中央に空いたスペースでサントス。


京都×清水

京都:麻田がCBに戻り、左SBは荒木。3センターも武田、川﨑、松田に戻った。左のWGは武富。
清水:右のSHが中山からカルリーニョスジュニオに変更。

58'20"
京都の左サイドでプレスにハマりかけたところ、深く位置取って懐を作った荒木から攻撃の流れで宮本が持ち場を離れていたプレス部隊の背後へ浮き球を使って武田へ。武田は脇から寄せてくる白崎と正面のホナウドを左サイドへのドリブルで動かしつつ、2人の間を動きと逆のパスで通してクリーンに宮吉へ。中央〜逆サイドへ脱出。

63'25"
中央でのトランジションから右に振る間にエリア内へ人が雪崩れ込み、あわや京都の決定機。
71'45"
清水のロングカウンター。オセフンのポスト、神谷のドリブルで強引に狭いところを抜け、鈴木唯人と三人でチェックを外して陣地回復、クロスまで。

名古屋×C大阪

名古屋:左アウトサイドが吉田豊から相馬に。
C大阪:左のセットは継続して山中とパトリッキ。原川のところが鈴木徳真、清武と組むのがメンデスでなく山田寛人になった。

04'55"
抜け目のない名古屋のファストブレイク。実戦で組んだ経験の浅いSHとCHの間に空いたスペースを見逃さずにマテウスへとスローイン、遅れて詰めた鈴木を外して前を向くと、西尾が対応したことで生まれた最終ラインのギャップへ斜めに入り込んだ仙頭へここしかないというタイミングでのスルーパス。フィニッシュもコースこそ甘かったものの落ち着いていた。

磐田×FC東京

磐田:前3枚がファビアンゴンザレス、杉本健勇、上原に。遠藤のペアに鹿沼が抜擢されたこともトピック。
東京:左SBが長友に変更。最前線にディエゴオリヴェイラが戻ってきて、右にレアンドロ、左に永井でスタート。

15'00"
鹿沼によるファビアンゴンザレスへのダイレクトのフィード、エリア内へのインスイングのクロスはいずれも良いアイディア。狙う場所もいやらしい。
こぼれ球に対して中村帆高の背後を突いて松本との連携でポケットを取った上原。
42'00"
グラッサからの繋ぎのボールが東京の中盤を一気に越えたところからカウンター。ボールホルダーの上原、トップのゴンザレス、ファーの杉本、大外の鈴木雄斗と揃えた時点で形は整っており、相手の最終ラインを押し下げてマイナスでフィニッシュ。教科書通り。

神戸×鳥栖

神戸:大迫、扇原、初瀬が外れてイニエスタ、山川、槙野が入り、CHは山口と大崎。右SHも井上潮音から郷家に。
鳥栖:前節の442から基本形の3421に戻した格好。前線は小野裕二、菊地泰智、本田風智。

08'30"
自陣でインターセプトを決めたイニエスタ、ダブルタッチで相手を外して運ぶと右足アウトサイドでタッチラインに切れない絶妙なスルーパス。

鹿島×札幌

鹿島:鉄板の11人だが中盤は菱形よりもフラットな442で構えることが多かった。
札幌:前線はシャビエルを頂点に金子、駒井。

24'15"
鈴木優磨と上田綺世が動き直しでラインの手前に引いたところでできたギャップに斜めに走り込むカイキ、滑るようなピトゥカのスルーパス、菅野との接触の直前にボールを逃がし、両足を浮かせて当たるカイキのうまさ。
36'00"
札幌のカウンターになりかけたところ、ボールのないところで駒井のフリーランをブロックした常本はグレーだがうまい。
ボールのところの鈴木優磨、樋口の球際もファールにならない当たり方で高い強度。鹿島らしい技術。
45'00"(AT)
ピトゥカから間に立った樋口で角度をつけて和泉、内に持ち出してカイキとレーンを入れ替え、質の高いスルーパス。上田がゴール方向へ最終ラインを引っ張り、空いたマイナスの鈴木優磨に綺麗なクロスを合わせて追加点。
67'45"
駒井の中盤を飛ばす縦パス、金子のサイドチェンジで菅にスペースと時間。カットインから逆足の右でスーペルミドル。

川崎×福岡

川崎:前節と同じメンバー。遠野がIH。
福岡:前節休養の前嶋、志知、中村、フアンマがスタメンに戻る。グローリと組む相方は宮から奈良へ。

15'30"
川崎お得意のチャンネル攻略。家長と脇坂2人のコンビネーション。グローリが持ち場に戻ろうとするところと家長に出ようとする志知の間を強かに利用。前を振り切って飛び出す脇坂。
34'50"
谷口のカバーリング、脇坂の配球からマルシーニョとダミアンの2人で陣地回復。山根からエリア内への斜めのパス、ダミアンのラボーナ。
福岡が奪って田邉、フアンマ、前のコンビネーションで時間を作る。
54'15"
スローインを受けて強さを発揮したダミアンが相手を引きつけ、落としたところで最終ラインにできたギャップを見逃さなかった山根と遠野。

湘南×横浜FM

湘南:前節と同じく最終ラインの中央は舘、右に大岩。最前線の瀬川に代えて大橋。
横浜FM:中盤より前を半分ほど変更。喜田の相棒が藤田、前線右から水沼、Aロペス、仲川の並びとなった。

05'30"
ファーに立って最終ラインを拡げるウェリントン、畠中だけでなくエドゥアルドも引き付ける位置の大橋によって浮いたスペースタリクが入り込んで受け、永戸を迷わせる。石原がフリーでクロスを上げるとウェリントンの高さが気になった畠中を出し抜いて大橋がCBの間で合わせる。

19'00"
アンデルソンロペスのレイオフを織り交ぜた右サイドでの保持と水沼のサイドチェンジ。相手の視野を振ったところで仲川のユニークかつ効果的なインスイングの低いクロス、マルコスのコントロールと狭いところで冷静さを失わない技術。右から左への大きなボールの展開の中で振ったDFの視野の外から飛び込んでくる右SB。
47'25"(AT)
水沼が大外、小池が内を担当したところから仲川がマルコスと立ち位置を入れ替えてボールに絡み、エリア内へ。斜めのベクトルで相手の背後を取り、前向きの推進力を出す。
58'40"
カウンターで数的優位、マルコスから仲川に渡ったところで舘を釣って水沼をフリーにするAロペスのランニング。

柏×G大阪

柏:前節からは中村のところが戸嶋に、森のところが小屋松に変更。
G大阪:両SHを右に石毛、左に山見と変更。最前線もパトリックでなくレアンドロペレイラに。

00'45"
柏のカウンター。大外のサヴィオが運ぶと、細谷が外に流れ、小屋松がDFラインを押し下げる。逆サイドを上がってきた戸嶋をサヴィオがよく見ていた。
06'30"
一森の素晴らしい予測とその後の柳澤への繋ぎ。柏の中盤3枚を飛ばす奥野のサイドチェンジ。石毛を使い、大外から内へ入り込んでくる山見。

今節のMyベストイレブン


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