映像で学んで創る「世界遺産」 実施レポート(3・4コマ編)
このNoteは、2022年9月初旬から約2週間にかけて、『映像で学んで創る「世界遺産」』を使用した勉強会企画の実施レポートになります。
Noteは全4回に分けてお届けします。
前回までの内容
前回のNoteでは、第1コマ、2コマ目の講義について記載しました。リンクは下記をクリックしてください。
映像で学んで創る「世界遺産」とは
本企画では、以下の映像で学んで創る「世界遺産」教材を使用させていただきました。
※ なお、本企画は、コンテンツ動画の改変や編集は一切行っておりません。また、完全非営利の教育活動を想定して実施致しました。
引き続き、企画参加者である伯井さんのコメントをもとの3コマ、4コマ目の講義を振り返っていきたいと思います!
3コマ目「変化する世界遺産の選び方」
第3コマの講師は、世界遺産ライターとしても活動されているコージーさんです。
講義では、まず世界遺産の成り立ちや現在の世界遺産リストの状況、世界遺産がどのように選ばれているのかを講義スライドや映像を通してご説明していただきました。
途中、「日本の世界遺産登録が15年も遅れた理由はなぜなのか?」という問いに参加者から次のような意見が出ました。
日本は文化財の保護法などがしっかり整備されていたので、世界遺産という枠組みを取り入れる必要がそこまでなかった。
実際の遅れた要因については、STEAMライブラリーの学習者用スライドに記載してありますので、そちらご覧ください。
検定を受験されている方は一緒に考えてみてください!
その後、検定でもよく問われる「真正性」や「シリアル・ノミネーション・サイト」、「グルーバル・ストラテジー」について一緒に学びました。
講義の後半では、「ディズニーランドは世界遺産になり得るのか?」という問いについてグループワークを行いました。
「ディズニーランドは世界遺産になり得る」側の意見では、
シリアル・ノミネーションサイトならいけるかも…?
アトラクションと同様に、映像や作品もストーリーとして構築できれば可能性がある。
「ディズニーランドは世界遺産になり得ない」側の意見では、
OUV(顕著な普遍的価値)が何なのかわからない
世界的な文化を踏まえていない
といった意見が出ました。
時代の変化に合わせて、世界遺産の考え方も柔軟に変えていく必要がありそうですね。
講義時間:1時間30分 ー 完 ー
4コマ目「世界遺産の危機とは」
さて、前半講義のラストである第4コマです。
第4コマの講師は、世界遺産をご専門として研究されている大学院生のいとうだいすけさんです。
講義の最初では、「世界遺産の危機」、「その危機に対して世界遺産がどのような状況にあるのか」についてグループワークを行いました。
映像を通して答え合わせをしたのち、いとうさんの方から、企画から少し離れて、世界遺産の「保護」と「開発」について、
果たして二項対立で考えるべきなのか?
誰にとっての世界遺産なのか?
についての共有がありました。
参加者が深く考えていたのが印象的でした。
最後のグループワークでは、映像で出てきたウィーンの「ビル建設」の問題をもとに議論を行いました。
経済活動と遺産の保護・保全の両立といった観点では、
行政の方達の意識改革・知識の底上げ
地域住民との議論
将来世代への世界遺産教育
文化財としての価値が担保した上での空間(経済的な)利用
これらのテーマついて、議論が白熱しました。
「これが正解」というのがないのが世界遺産の難しいところです。
そのため、私たちは考え、話し合って、その中で、多くの人が合意する形で意見をまとめていく必要があります。
今回はまとめませんでしたが、自分、もしくは自分達が考えることを共有してフィードバックをもらい、それを打開策や解決策として組み立てていく。
このような「多角的に見て、まとめる」といった過程を繰り返していくことが、世界遺産の保全だけに関わらず、あらゆる物事を考える上で重要なことだと思います。
そのプロセスを経験できた回として非常に貴重なコマになったかと思います。
講義時間:1時間50分 ー 完 ー
前半(1~4コマ)のまとめ
次回は、いよいよ世界遺産の推薦書を作成する後半パートに入っていきます。今後の更新をお待ちください。
お問合せ・ご質問などは@wh_community_cnまでお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?