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映像で学んで創る「世界遺産」 実施レポート(3・4コマ編)

このNoteは、2022年9月初旬から約2週間にかけて、『映像で学んで創る「世界遺産」』を使用した勉強会企画の実施レポートになります。

Noteは全4回に分けてお届けします。

第1回:1・2コマ目レポート
第2回:3・4コマ目レポート(今回のNote)
第3回:5・6コマ目レポート
第4回:7・8コマ目レポート

Note構成

前回までの内容

前回のNoteでは、第1コマ、2コマ目の講義について記載しました。リンクは下記をクリックしてください。


映像で学んで創る「世界遺産」とは


本企画では、以下の映像で学んで創る「世界遺産」教材を使用させていただきました。

画像引用:https://www.steam-library.go.jp/content/127

概要
ユネスコ世界遺産センターと長年パートナーシップを結び、1996年から世界遺産を撮影し放送しているTBSテレビの番組『世界遺産』(毎週日曜午後6時 TBS系で放送)。「最新映像技術で世界遺産を記録し、未来に遺す」とのコンセプトで始まった当番組が放送25周年を迎え、その節目にテレビを飛び出し、探究学習のプログラムをつくりました。

世界130カ国以上で撮影してきた美しく貴重な映像を生かし、そもそも世界遺産とは何か、世界遺産はなぜ誕生したのか、さらに「世界遺産」の創り方などなど、普段の番組とは違う面白さが詰まっています。

膨大な映像アーカイブスから選び抜いた動画と、世界中を取材して得てきた番組スタッフならではの知見を活用し、探究学習のプロ集団a.schoolとコラボレーションして制作した世界で唯一のプログラムです。

制作:TBSテレビ
制作協力:TBSスパークル
制作協力:a. school(エイスクール)
機材協力:キヤノン

コンテンツの構成
【前半4コマ】
映像とミニワークを通じて、さまざまな切り口から世界遺産について学びます。
・コマ1:世界遺産って何?
・コマ2:世界遺産の意外な見方
・コマ3:変化する世界遺産の選び方
・コマ4:世界遺産の危機とは

【後半4コマ】
■プロジェクトA:新しい世界遺産を申請しよう
・コマ5:世界遺産の候補を見つけよう
・コマ6:選んだ候補の価値を深掘りしよう
・コマ7:世界遺産の推薦書を作成しよう
・コマ8:世界遺産委員会で審議しよう

https://www.steam-library.go.jp/content/127

※ なお、本企画は、コンテンツ動画の改変や編集は一切行っておりません。また、完全非営利の教育活動を想定して実施致しました。

引き続き、企画参加者である伯井さんのコメントをもとの3コマ、4コマ目の講義を振り返っていきたいと思います!


3コマ目「変化する世界遺産の選び方」


シリアル・ノミネーションサイトについて(コージーさんご提供資料)

第3コマでは、「変化する世界遺産とは?」といったテーマで、コージーさん(@koji__O)に教えて頂きました。

この講義では、世界遺産は時代の流れに沿ってその考え方も変化していくことを法隆寺の映像や、コージーさんの説明を通して学ぶことが出来ました。

グループワークでは、
ディズニーランドは世界遺産になるのか?
なるとしたらどんなルールがいるか
といったテーマで話し合いを行いました。

参加者(伯井さん)のコメント

第3コマの講師は、世界遺産ライターとしても活動されているコージーさんです。

講義では、まず世界遺産の成り立ち現在の世界遺産リストの状況世界遺産がどのように選ばれているのかを講義スライドや映像を通してご説明していただきました。

途中、「日本の世界遺産登録が15年も遅れた理由はなぜなのか?」という問いに参加者から次のような意見が出ました。

  • 日本は文化財の保護法などがしっかり整備されていたので、世界遺産という枠組みを取り入れる必要がそこまでなかった。

実際の遅れた要因については、STEAMライブラリーの学習者用スライドに記載してありますので、そちらご覧ください。
検定を受験されている方は一緒に考えてみてください!

その後、検定でもよく問われる「真正性」や「シリアル・ノミネーション・サイト」、「グルーバル・ストラテジー」について一緒に学びました。

「真正性」について(コージーさんご提供資料)


講義の後半では、「ディズニーランドは世界遺産になり得るのか?」という問いについてグループワークを行いました。

World SQUARE班の意見共有の様子


「ディズニーランドは世界遺産になり得る」側の意見では、

  • シリアル・ノミネーションサイトならいけるかも…?

  • アトラクションと同様に、映像や作品もストーリーとして構築できれば可能性がある。

「ディズニーランドは世界遺産になり得ない」側の意見では、

  • OUV(顕著な普遍的価値)が何なのかわからない

  • 世界的な文化を踏まえていない

といった意見が出ました。

時代の変化に合わせて、世界遺産の考え方も柔軟に変えていく必要がありそうですね。


講義時間:1時間30分  ー 完 ー
 


4コマ目「世界遺産の危機とは」


世界遺産に対する「危機の種類」について考えるグループワークの様子

第4コマはいとうだいすけさん(@dai_baobao)に講義をしていただきました。

グループワークでは、「世界遺産の保全と開発は、両立することは出来ないのか」というテーマで議論を行いました。

World SQUARE班は、三内丸山遺跡で実際に行われている地域住民会のようにコミュニティを作り、未来世代への教育活動を行うことで開発と保全の両立を目指すという提案をしました。

他のチームでは、遺産の商業利用なども挙がっていました。
班によって開発や保全に対する考えが異なっていたため、その考えを聞くことができ、とても興味深かったです。

参加者(伯井さん)のコメント

さて、前半講義のラストである第4コマです。

第4コマの講師は、世界遺産をご専門として研究されている大学院生のいとうだいすけさんです。

講義の最初では、「世界遺産の危機」、「その危機に対して世界遺産がどのような状況にあるのか」についてグループワークを行いました。

映像を通して答え合わせをしたのち、いとうさんの方から、企画から少し離れて、世界遺産の「保護」と「開発」について、

  • 果たして二項対立で考えるべきなのか?

  • 誰にとっての世界遺産なのか?

についての共有がありました。
参加者が深く考えていたのが印象的でした。

保護か、開発か?(いとうだいすけさんご提供)


最後のグループワークでは、映像で出てきたウィーンの「ビル建設」の問題をもとに議論を行いました。

経済活動と遺産の保護・保全の両立といった観点では、

  • 行政の方達の意識改革・知識の底上げ

  • 地域住民との議論

  • 将来世代への世界遺産教育

  • 文化財としての価値が担保した上での空間(経済的な)利用

これらのテーマついて、議論が白熱しました。

「これが正解」というのがないのが世界遺産の難しいところです。
そのため、私たちは考え、話し合って、その中で、多くの人が合意する形で意見をまとめていく必要があります。

今回はまとめませんでしたが、自分、もしくは自分達が考えることを共有してフィードバックをもらい、それを打開策や解決策として組み立てていく。

このような「多角的に見て、まとめる」といった過程を繰り返していくことが、世界遺産の保全だけに関わらず、あらゆる物事を考える上で重要なことだと思います。

そのプロセスを経験できた回として非常に貴重なコマになったかと思います。

講義時間:1時間50分  ー 完 ー 


前半(1~4コマ)のまとめ 


1コマから4コマの参加者目線でのまとめになります。

私自身、映像を観ながら楽しく世界遺産を学ぶことが出来たので楽しかったです。

講義を漫然と聞くのではなく、「まなつく」では自分から話す場面も多くあったので一般的な授業などと比べて集中力が続くと感じました。

なにより、World SQUAREの魅力である多世代間での意見交流が出来たので良かったです。

参加者(伯井さん)のコメント

次回は、いよいよ世界遺産の推薦書を作成する後半パートに入っていきます。今後の更新をお待ちください。


お問合せ・ご質問などは@wh_community_cnまでお願いします。

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