SS『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』『スター・ウォーズ エピソード9 スカイウォーカーの夜明け』
私たちは数少ない現実世界の映画館に訪れていた。
『Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆』と『スター・ウォーズ エピソード9 スカイウォーカーの夜明け』のリバイバル上映を観る為に。
お家にいながら、いつでもどこででも、球体ホログラムにより、立体映像でアトラクション体験のように観られるが、レトロ感を味わいたいのだ。
立体ホログラムが登場する前、一部の映画館では360度スクリーンでも放映。観客は随時キョロキョロとスクリーンを見回していた。つまり、観客の観る力も試されることになる。思うとプラネタリウムでの映画鑑賞に近いのか。
私は映画を観る際に、全体的に素ん晴らしいのが望ましいけれど、それが叶わなくても『このシーンが観られたから満足』と――なる。
それまで例え面白くなく退屈していたとしても、最高のシーンが一度でも観れたらいいのだ。だ。だ。
感想はさておき、この両作品共に最高のシーンが観られた。スターウォーズは少なくても二回はあった。
映画を観終わった私たちは、ほくほくしながら感じたことをシェアしていた。
「リゼロとスター・ウォーズ、同じテーマと同じセリフがあったよね」
「あったー!ちょっとびっくりした」
「ねーー」
少しの沈黙の後――
「ただのエミリア」
「ただのレイ」
「「「孤独じゃない」」」
「もう、やばばい!ッて時の、あのシーン!」
「すごごごい感動したー!ボロ泣いたー」
「「「フォースと共にー!」」」
「我が真名は――ふははー」
「せえのー」
「「「♪〜 名前ーをーーー呼んーーでいーいーかなー」」」
――あなたのお名前は?
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