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タレント発掘意識の高いドイツのトレセン制度


はじめに

トレセンという制度は日本にもあり、タレント発掘・育成というテーマ地区トレセンからナショナルトレセンまでの流れは日本もドイツも同様です。若い年代では世界と戦えるが日本が成人となると差が出てしまう理由は国のトレセン制度という観点からは何かヒントが隠されているのでしょうか。

ドイツでは選抜(Auswahl=アウスバール)またはトレセンではなく、Stützpunkt(シュトゥッツプンクト)と呼ばれています。


日本のトレセン制度

日本の各年代別代表はU-15から存在します。以降、U-16 , U-17 , U-18 , U-19 , U-23と続き、その頂点に日本代表があります。

各年代別代表へはピラミッド形式になっており、頂点の年代別日本代表に至るまでに、9つの地域トレセン47つの都道府県トレセン都道府県地区トレセン市町村トレセンまで存在します。またトレセン制度とは異なりますが高校生年代においては国体選抜や、高校サッカー選手権に出場した選手を対象に高校サッカー選抜、Jリーグのアカデミー所属の選手を対象としたJリーグ選抜、また大学生を対象とした地域のユニバーシアード代表候補ユニバーシアード日本代表などもあります。 


ドイツのトレセン制度

ドイツの各年代別代表もU-15から存在します。以降、U-16 , U-17 , U-18 , U-19 , U-20 , U-21と続き、その頂点にドイツ代表があります。

各年代別代表へはピラミッド形式になっており、頂点の年代別ドイツ代表に至るまでには、おおよそ州単位で分けられている21の州サッカー協会選抜、州のサッカー協会が管轄する範囲内では地域選抜地区選抜が存在します。

ヘッセン州で例えるとヘッセン州選抜を頂点に6つの地域選抜30の地区選抜=Stützpunkt(シュトゥッツプンクト)と分かれており、この地区選抜=Stützpunkt(シュトゥッツプンクト)は、ドイツ全土に366箇所ほど存在します。

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ヘッセン州では毎シーズン、選抜内もしくは地域のブンデスリーガのアカデミーやプロクラブ(ヘッセン州では4部リーグの2クラブ)を交えた交流大会が開催されています。ここではブンデスリーガのアカデミーやプロクラブのスカウトも目を光らせます。

※ブンデスリーガのアカデミーやプロクラブのアカデミー所属の選手は州の地域選抜には対象外で、州選抜から選考対象となります。

U-14以上の州選抜ではドイツ全土の選抜チームとの大会(Sichtungsturnier=ジヒトゥングストゥアニア / Sichtung=選別・Turnier=大会)が行われており、ここでの活躍がナショナルチームへと繋がる大きな要素の一つとなります。

ドイツサッカー協会ホームページ「SICHTUNGSTURNIERE」※ドイツ語


私が感じる日本とドイツのトレセンの違い

日本の都道府県地区選抜では、「所属クラブの方が強いから行かない。」、「うちで練習してた方が良いからトレセンには出さない。」という言葉を耳にしたことがあります。このことから考えられるのはトレセンを通じて、成長という部分に重きをおいているように感じます。

ドイツでは成長は勿論、タレント発掘の部分に重きをおいているように感じます。トレセンを通じてもう一つ上の選抜に入る。トレセンを通じで強豪クラブへ移籍する。といった意識が日本よりは強いように感じます。またクラブ側も「良い選手がトレセンにいないか。」とトレセンからの選手獲得を目指すこともあります。

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最後に

上記に記載してあるように細分化されているのは日本の方だと思います。その中で、トレセン(選抜)の意味や目的、またトレセン(選抜)役割を共通認識した上でと移籍をセットに進めることが出来ればタレント発掘、育成、将来の代表選手排出、または代表の底上げ、国の底上げに繋がるのではないかと思います。


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