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圧倒的なチーム数とリーグ数を誇るドイツサッカー

ドイツのシーズン期間について

まずは初回ということで簡単にドイツのシーズンについて紹介したいと思います。
ご存知の通り、ドイツと日本ではシーズンの時期が異なります。


ドイツの多くのチームは7月から始動し、8月中旬に開幕を迎え、翌年5月中旬に最終節が行われます。ポカール(カップ戦)敗退が決まっているチームはシーズンオフを迎え、最後まで勝ち残っているチームは5月下旬の決勝戦を終えてシーズンの幕を閉じます。

年に2度、移籍期間が設けられていて、夏の移籍期間は7月1日から8月31日、冬の移籍期間は1月1日から1月31日となっています。

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ドイツでは昨シーズンのDFBポカール決勝戦は5月25日に行われ、8月3日にスーパーカップ(DFBポカールの優勝チームとリーグ優勝チームの対戦)が行われましたので、その間は約2ヶ月と1週間になります。

リーグのみで考えてみると2018/19シーズンの最終節が2019年5月18日に行われ、今シーズンが8月16日に開幕しましたので、その間は約3ヶ月となります。
※UEFAチャンピオンズリーグ(CL)、UEFAヨーロッパリーグ(EL)などの試合数や日程は含まれていません。



ドイツのリーグについて

ドイツでは1部から3部リーグまでがプロリーグ、5部以下をアマチュアリーグとされています。4部は正式にはプロリーグではありませんが、多くのプロチーム(全選手がプロ契約)が存在します。またプロチームでなくても多くのプロ契約選手を抱えていたりするので、限りなくプロリーグに近いセミプロリーグと言ったところでしょうか。もちろん4部でもアマチュア契約選手がいたり、5部以下でもプロチームやプロ契約をしている選手もいます。
5部リーグ以下は地域のサッカー協会の管轄になり、5部をアマチュアリーグのトップリーグとして以下11部くらいまでリーグが存在します。
※リーグ数は地域によって異なります。

ここからはドイツのリーグについて詳しく説明していきます。
ブンデスリーガ1部、2部は各18チームで行われています。1部の上位4チームにはCLへの出場権が与えられ、5位から7位にはELへの出場権が与えられます。下位2チームは自動降格し、16位のチームは2部の3位と入れ替え戦が行われます。
3部は20チームで行われ、3部リーグまでは全国リーグとなります。

4部リーグはレギオナルリーガ(Regionalliga)とう名称で全国に5つ存在します。Regionalは「地域の、地方の」という意味になり、Ligaは「リーグ、競技連盟」という意味です。
ドイツ全土を西地区、南西地区、北地区、東北地区、バイエルン地区の5つに分けられています。このリーグには多くのブンデスリーガクラブの2軍(U-23もしくはU-21)が参戦していて、過去には香川選手や内田選手など日本のトップレベルの選手が怪我明けの調整として出場したこともあります。また、日本でプロ経験などがなく、ドイツでプロを目指す選手にとってはひとつの大きな目標となるリーグであり、大きな壁となるリーグでもあります。

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日本のリーグについて

日本ではJ1からJ3がプロリーグであるJリーグ、JFL(日本フットボールリーグ)をアマチュア最高峰のリーグとし、その下に地域リーグ、都道府県リーグ、市区町村リーグが存在します。東京都では1部から4部までリーグが存在し、J1から数えると東京都4部リーグは実質10部リーグとなります。さらに市区町村リーグを入れるとその数は増えますので、トップリーグから数えるリーグ数としてはドイツを大きな差はありません。しかし、ここで大きく異なるのは、リーグの幅、チーム数と各クラブの環境です。

ドイツと日本のリーグの比較について

4部リーグから日本とは大きくリーグ数、チーム数が異なります。日本で実質4部に当たるJFLは16チームで行っているのに対し、ドイツは18チームで行われるリーグが5つ存在しますので、90チームが4部リーグに参戦していることになります。その差は5倍以上にもなります。

5部リーグ以下は地域のサッカー協会の管轄になり、全国にある21の地域サッカー協会で14の5部リーグを運営しています。5部リーグは地域により16から18チームで行われ、その名称も異なります。ドイツの日本の5部リーグに参戦しているチーム数は、ドイツが241チームに対し、日本は9つの地域リーグがあり、80チームが参戦しています。その差は約3倍です。

6部以下はさらに枝分かれしていき、フランクフルトのあるヘッセン州(ヘッセンサッカー協会)では12部までリーグが存在しています。

ドイツと日本の5部リーグで約3倍のチーム数の差があり、4部リーグでは約5倍のチーム数の差があります。この大きさ分母数の差の中から昇格するチーム、活躍して認められた選手がプレーする3部リーグ以上ではドイツと日本で差があっても特に不思議なことではありません。
サッカー大国と言われるドイツには歴史のみでなく、システムや環境、国民のサッカーに対する思いなどいろいろな要素が重なり今のドイツサッカーが成り立っているのだなと感じます。そして、2014年のW杯ブラジル大会以降、国際舞台でなかなか良い結果を残せていないドイツですが、近隣の強豪国と切磋琢磨し合いながら、さらなる進化をしていくことでしょう。



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