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ガクガクブルブル...。リアルでおっかねえ、貴志祐介さんの雀蜂を読み終えて

怖え。
僕はね、この世で最も怖い生き物は蜂なんだ。
しかも雀蜂なんてのは羽音を聞いただけでも鳥肌が立ってしまうほど。

確か一昨年の夏だったか?僕の仕事場の入口に超巨大な蜂の巣が出来ていたんです。出入りするのに通れない
僕は意を決して蜂撃退スプレー、しかもその中でも超強力な物を手に持って立ち向かったんですよ!
勢いよくブシャーっと、もうオーバーキルする勢いでかけまくって「よし!これで大丈夫だ」と一安心したのもつかの間、僕の頭にズキンという痛みが…。

マジで刺されました。頭がズキンズキンして患部は腫れて大変でしたねw痛みは全然感じなかったけど、ほら、2度刺されるとヤバいって言うじゃないですかwしかも去年も刺されてるのですがなんとか生きている。
3度目の正直といいますか、次は多分無いんじゃないかと思っている。だから蜂に対してかなり恐怖感を感じていますw他の虫は気合で克服したんだけど…。(気合でとかw)

そんなわけで今作まさにススメバチのお話なのですが
タイトルにある通り、今作の最大の敵とはまさに雀蜂で御座います。黄色くて大きくて凶暴なアイツです。
いや~冬なのにイヤーな汗を書きながら読み終えました。
本を読んでいる僕でも恐怖を感じているのに、実際その場に居たとなると…。さぁあらすじです。

八ケ岳の山荘に別荘を持つミステリー小説家の安斎は極度の蜂恐怖症だった。過去に刺され危うく命を落としかけ、「次に刺されると確実に命を落とす」所謂アナフラキシーショックに怯える安斎。
真冬の11月、急に姿を消した妻。何故消えてしまったのか?そして真冬であるのに何故か別荘内には蜂の大群が、逃げるにも雪が積もり助かる見込みはない。
意を決し蜂たちと対峙するが、危うく刺されかけてしまう。逃げることも、戦うことも困難なこの山荘内。一体安斎はどう生き延びていくのか?そしてダブル(分身)の正体とは?

今までの貴志祐介さんのホラー作品の中で最も小さな殺人鬼であるのですが、蜂恐怖症の僕からすればどの作品よりも怖いですwある意味…。
まぁ衝撃のラストは結局蜂ではありませんでした的なオチです。しかし、たった200ページ余りで物語を完結していますが、どうなんでしょうか。も少し引っ張っても良かったのかな?しかし内容的に間を持たせるにも難しそうでもありました。

今作のメッセージとして印象深かった
蜂たちのカースト的なものでしょうね。セールスマンとして活動していたダブル。働き蜂は嬢王蜂の為に命を削る。そこには人権はなく、ただ只管搾取し犠牲を出し利益を得るという社会の傾向に対してのアンチテーゼを歌った、人というのは本来生きていく、存在自体が善であるのに、何故人というのは争い、搾取し、カースト作り生きていくのだ?というニュアンスの小説の作風に感激を覚え、いつしか安斎の大ファンとなり、姉妹には自分の分身だと思い込み、自らが安斎となり、いや自分こそが安斎であり分身を消す、自分の人生を取り戻そうとする、熱狂的なファンがどんどん壊れていく様子が描かれていました。
やっぱり貴志祐介さんのホラーはこういう人間の闇を書いていますね!

なんとなくEminemのスタンという曲を思い出しました。
そしてジョン・レノンの命を奪った、マーク・チャップマンの異常性にも似ています。
誰にでも一人くらいは熱くなる対象っているものですが、その愛も行き過ぎれば狂気に変わるのだと言うことですね

くわばらくわばらですよ…。
確かに黒い家やクリムゾンの迷宮みたいな怖さはないのですが、人間の裏側にへばりつく怖さ、異常性というものを今作で感じました。どうなのでしょうか?割と賛否両論な評価ですけども、僕は凄く好きです。

貴志祐介さんの伝えたかったメッセージは今回も刺さりましたね!流石貴志祐介さんです!やっぱり彼の小説は面白いです!

さてさて、今から次回の予告。
何を読んでいるか紹介します

ズバリ悪の教典です。

おいおい今更かよwって思うかもしれませんが
僕は映画一切見ないので、この作品はストーリー全く未知ですwなので完全に初見であります。導入部分からワクワクが止まりませんね!
そして、また古本屋でホラー作品仕入れたのでどんどん次のを読まないとね…。

それではまた🐝🐝🍯🐝🐝

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