恐妻家から学ぶ_経営者保険⑤
業務中に起こる不測の事態への備えがほしいという経営者からの相談をよく受けます。
今回は、法人損害保険についてわかりやすくお伝えします。
(1)法人損害保険とは
業務を行なっていくうえで、災害事故盗難など様々なリスクを抱えています。
たとえ気をつけていたとしても、偶発的に発生してしまう可能性は否定できません。
しかしこのような事態が発生すると、資材の再調達、修繕、損害賠償などが生じ、大金が必要になる可能性があります。
法人損害保険は、このような事態への備えが可能な保険となります。
(2)主な法人損害保険
①企業財産への保険
火災をはじめとする事故による事業財産への損害、休業による利益の損失、家賃等の回収不能による損失を補てんする保険など
②賠償責任への保険
お客様にケガをさせた場合、商品・製品が元で事故が起きた場合など、業務の遂行の結果が原因で対人・対物事故が起こった場合にカバーする保険
③貨物・運送への保険
輸送中、保管中における貨物へのリスクに対処する保険です。国内外、陸海空など様々な運輸状況に応じた保険
(3)入っておいたほうがいいPL保険
作ったモノや仕事の結果に欠陥があったことによってお客様等に損害を与えてしまった場合の賠償責任をカバーしてくれる保険です。
ものを作る仕事とする業種に限って必要のように思われるかもしれません。
もちろん、それらの業種であれば必要不可欠と言っていいでしょう。
PL保険が対象とする業種には、モノを製造したり工事したりする業種だけではなく、他から仕入れたモノを販売する業種も含まれているためです。
(4)PL保険について
①損害賠償金
メインの補償として、お客様に損害賠償金を支払った場合に、「法律上の損害賠償責任の額」を受け取れます。これは、裁判で確定した場合はもちろん、裁判ではなく和解や示談で金額が決まった場合もその額をカバーしてもらえます。
②損害防止費用・緊急措置費用
損害が発生してしまったら、すみやかにさらなる損害の発生や拡大を防ぐ措置をとらないと、損害賠償金もどんどんかさんでいきますので、それを防ぐための費用をカバーしてもらえます。
また、場合によっては、損害防止のための措置を一生懸命行った結果、損害賠償をせずに済んだということもあり得ますので、その場合もカバーしてもらえます。
③入っておくべき特約
・初期対応費用特約
→事故の初期対応等にかかる費用をカバーする特約
・争訟対応費用特約
→意見書等を作成したり、証人を依頼したり、専門家に鑑定を依頼したりする費用が発生するため、その費用をカバーする特約
・被害者治療費用特約
→損害賠償金の額が確定していなくても、保険会社が被害者の方の治療費を支払ってもらえるという特約
(5)最後に
PL保険にはミスが重大すぎる場合、危険すぎるモノから生じる損害、リスク区分の選択を誤ると保険金を受け取れないおそれがありますので、しっておいていただだきますと幸いです。
と言っても、ほぼ全業種の会社様が加入されたほうがいい保険かと思いますので参考にいただきますと幸いです。
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