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JFL2022シーズン前半戦が終わって、東京武蔵野ユナイテッドがどう変わったかデータを中心に振りかえる

JFL2022シーズンも前半戦が終了しました。
東京武蔵野ユナイテッドは7勝5敗3分の勝ち点24で暫定5位。延期試合の結果によって5~7位となります。

去年は第15節の時点で勝ち点5でしたから飛躍しているようにも見えますが、去年も終盤15試合が8勝で勝ち点24なので実は勝ち点ペースはそんなに変わっていなかったりします。とはいえ一時は暫定でもJFL首位にたったことを考えれば大健闘しているといっていい成績でしょう。
結局のところ、去年はシーズン前にちゃんと準備できていなかったといわざるを得ないのかなと思います。クラブの体制変更、選手の大量加入、感染者が出て活動休止などなど……。
今年は1月から始動できてますしキャンプもやったようですから準備してシーズンに望めている感じですね。(よく使っていた波崎ではなく静岡だったあたりクラブの体制変更を実感します……)
JFLに近いレベルの東京ユナイテッドがセカンドチームとなって選手の入れ替えがおきていること、Jリーグから選手を補強するようになったことで競争が激しくなったこともプラス要因だと思います。選手はものすごく大変でしょうけど……

大きく変わったのは戦い方ですね。
監督が池上監督が退任して依田監督が復帰しただけでなく、アカデミーから石村ヘッドコーチを呼んだことが大きそうです。
武蔵野はフルタイム労働後の夜間練習ですからどうしたって難しいんですが、割り切ってリアクションサッカーに徹して現実的に勝ち点を取りに行くのが去年で、よりパスサッカー志向にして主導権を握る戦い方にチャレンジしているのが今年だと思います。石村ヘッドがアカデミーでやっていたやり方をそのまま持ってきた感じでしょうか。

出場時間数を比較すると分かりやすいです。
以下のデータはアディショナルタイムの交代は全て89分とした手集計のものなので誤差はあると思いますが、雰囲気はつかめると思います。

2021シーズン出場時間ベストイレブン
高 慶汰 31試合 2790分
中川 諒真 29試合 2461分
西岡 佑馬 25試合 2250分
小野寺 湧紀 28試合 2216分
金守 貴紀 26試合 1955分
鳥居 俊 23試合 1798分
小林 大地 25試合 1717分
鈴木 裕也 24試合 1490分
石原 幸治 25試合 1439分
小松﨑 雄太 20試合 1427分
日高 慶太 16試合 1213分

2022シーズン第15節までの出場時間ベストイレブン
真田 幸太 15試合 1350分
中川 諒真 15試合 1320分
後藤 京介 14試合 1172分
石原 幸治 14試合 1156分
鳥居 俊 13試合 1155分
栗島 健太 13試合 1005分
鈴木 裕也 13試合 995分
澤野 康介 12試合 926分
鈴木 大河 10試合 900分
小林 大地 10試合 808分
梁 賢柱 15試合 568分

2021年は見事にFWがいなくて(石原がFWを担うことも多いですが……)、半年で退団した日高が11番目に入ってしまう事態になってます。11番目以降も西山雄介、真下瑞都ときてようやく14番目に飯島秀教が入ってくる形でした。
同程度の出場時間の選手と比較すると飯島秀教が23試合1006分、金田拓海13試合1002分ですから試合数が大きく異なります。一番出場時間数の多いFWの飯島でさえスーパーサブのような出場時間の比率ですから、FWは交代枠の増加もあって前から激しく守備に奔走しての途中交代が大前提だったのかなと。
このあたり、やっぱりカウンター重視の戦い方だったことが見えてきます。

一方、2022年は綺麗にポジションごとに並べられる11人になっています。
半年でフル出場者が真田だけになっていますからスタメン固定している印象も薄いです。切り札としての梁賢柱は例外ですが、偏った交代をあまりしていないと言えるのかなと。
特徴的なのは澤野で、去年16試合931分でしたから4試合少ない状態でほぼ出場時間が並びました。試合数が増えただけなら1TOPから2TOPに変わってチャンスが増えたという話でしょうが、出場時間の比率が増えたのは戦い方と役割が変わった影響と言えそうです。
そうゆう意味でカウンター重視からバランス重視になったことが現れているのかなと。

また、去年の出場時間上位5人のうち中川以外が出場時間を大きく減らしています。
小野寺は今年も15試合中ベンチ外の試合ゼロだった4選手のうちの1人なので重要な役割を担っていますが、先発した2試合はいずれもMFではなく鳥居が抜けた試合の右サイドバックとして出場でしたから、レギュラー争いが激しくなったことが出場時間からも見て取れます。

高慶汰も西岡も天皇杯予選で見ましたが、決して悪いわけではないんですよね。キョンテは変わらずインターセプト数が多かったですし。GKは真田がめちゃくちゃ安定しているし、新田もサブに割り込んでくるレベル。ボランチは後藤、栗島の新加入組に金田もいるし試合展開によっては裕也も大地も鳥居もやれる大激戦区。
本当にいい意味でレギュラー争いが激しいんだと思います。

気になっているのは、今年は交代枠を使い切らない試合が結構多いことですかね。
競争が激しいからベンチにいる選手もチャンスをというサポーター心理もあって、もうちょっと使ってくれてもいいとも思いますが……スタメン選手が活躍してくれれば言うことなしでもありますし難しいところです。
まあ、まだハーフシーズン終わったばかりですからね。去年の金田のように後半戦にレギュラーを掴んで残留に大きく貢献してくれたパターンもありますから。スタメンの選手はもちろんのこと、これから出てくるであろう選手にも期待したいと思います。

ということで、もう今季後半戦開始直前になってしまったので今回はこの辺で。