【漫才.140】自由
井口―はいどーもー、ウエストランドです!よろしくお願いします!
井口―この前、久しぶりに学生時代の友達で集まったんですけど、そしたらそこにいる僕以外の全員が結婚してたんですよ!
河本―へー、そうなんですね。
井口―ビックリしたんですけど、よく考えたらも40歳だし普通の事じゃないですか。そう考えたら悲しくなってきちゃって。
河本―うーん、結婚することが全てではないですからね。今はそれぞれの考えが尊重されるできだし、結婚しなきゃいけないって事はないですからね。
井口―まぁね。でもこんな生活してたら自覚もないじゃないですか?その集まりでも、みんなは子育てとか家を買うとかの話してるのに、僕だけいかに安い居酒屋で飲めるかって話してましたからね!
河本―別にいいじゃないですか。趣味趣向なんて個人の自由なんだから。
井口―そうだけどさー、さすがに情けないじゃん。
河本―何も卑下することはないですよ。
井口―しかも、帰りの電車で隣にいた女子が「私の彼氏身長低くて嫌なのー。170センチしかないんだよー。とか言ってんだよ!いや、隣の157センチの男がいるからね!気使えよ!酷すぎるだろ!
河本―まぁそれも人の好みであって、お前に言ってる訳ではないからね。
井口―・・・そうなんだけど。
河本―その人の考えを否定することはできないですよ。そこは自由なんだから。
井口―まぁね。しかもそのあと、「でもITベンチャーで働いててー、めっちゃ良い車に乗ってるのー」って。腹立つでしょ!
河本―まぁ、どんな仕事をするかなんて、個人の自由ですからね。
井口―芸人舐めんなよ!お金はなくてもこっちの方が素晴らしいから!
河本―自由ですよね。
井口―しかも、改札出ようとしたら、お金チャージしてなくて改札で引っかかって。
河本―自由ですよ。
井口―家に帰ったら、一人でコンビニ弁当ですからね。悲しすぎるだろ。
河本―まぁ個人の自由ですからね。
井口―自虐させろーーー!!!!!僕に自虐させろよ!
河本―・・・え?
井口―自由自由うるせーんだよ!そんな話じゃねーんだよ!こっちは自虐してるだけだから!邪魔すんなよ!
河本―いや、どんな人でも考え方や生き方は自由ですからね。
井口―そのなんでも自由っていう発想が、僕の自由を奪ってんだよ!僕を尊重するな!
河本―・・・何言ってるんですか?
井口―この見た目で、こんな感じの芸人やってるんだから自虐くらいさせてもらわないと何も良いことがねーじゃねーか!
河本―そんな卑下する必要ないですよ。
井口―卑下してねーよ!
河本―え?
井口―ホントは卑下なんてしてないから!自虐話で楽しませたいだけだよ!
河本―皆さんも笑っちゃダメですよ。
井口―笑っていいんだよ!笑わせるために話してるんだから笑っていいんだよ!自由だの尊重するだの言って、笑ってもらえないのが一番キツイから!
河本―でもまぁそうやって身を削ってみんなを笑顔にしてる芸人さんってかっこいいですよね。
井口―それをやめろ!!その感じをやめろって言ってんだよ!芸人を尊敬なんてするな!もっと下に見ろ!芸人なんてどうしようもないクズの集まりだからな!絶対に尊敬なんてするなよ!
河本―じゃあライブにも来なくていいんですか?
井口―うーーー・・ライブには来い!尊敬はするな!
河本―矛盾してないですか?
井口―そういうもんなんだよ!応援はしろ!尊敬はするな!ライブには来い!崇めるな!
河本―結局どうすればいいんですか?
井口―笑え!!!笑えばいいんだよ!なんでもいいから笑えばいいんだよ!
河本―それはハラスメントになりますよー。
井口―めんどくさいなー!冗談なんだから良いんだよ!
河本―冗談なんですか?
井口―冗談だよ!そもそも芸人が言ってることなんて全部嘘だから!芸人が言ってることは何も信じるな!
河本―笑ってほしいのも嘘なんですか?
井口―それはホント!!
河本―でもさっき・・・
井口―ちょっとは自分で考えろ!!!最近の人間は自分で何一つ考えねーじゃねーか!自分が傷つくことだけはすぐ見つけるくせに!これは私のことかなー、ショックです。じゃねーんだよ!お前の事じゃねーよ!調子に乗るな!嫌な事だけ無理やり見つけ出してこじつけて落ち込んだり怒ったりるのやめろ!もっと気楽に楽しめよ!お笑いだぞ!そうだろ?
河本―まぁそれも自由ですよね。
井口―その考えやめろ!もういいよ!
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