【漫才.138】新しい趣味

井口―はいどーもー、ウエストランドです!

 河本―いきなりなんですけど、何か新しい趣味を見つけたいんですよねー。

井口―仕事を頑張れよ。趣味なんて見つけてないで、仕事頑張れ!

河本―たまには息抜きも必要じゃないですか。

井口―抜いてばっかりだろ。いつ溜めてんだよ。大体新しい趣味って、何を始めるんだよ?

河本―ゴルフを始めようと思ってるんですよねー。

井口―ゴルフ?ダメだよ。

河本―え?

井口―お前はゴルフ始めちゃダメだよ。

河本―なんでですか?それは自由でしょ。

井口―ダメだよ!!ゴルフは、何かを成しえた人間しかやっちゃダメなんだよ!人生全て上手くいってる人しかやっちゃダメだから!仕事も軌道に乗ってる、お金もある、時間もある。ある程度は何もやっても成功する。そういう人が、新鮮に上手くいかないという事を経験するためにやるもんなんだよ!何もかも上手くいってない奴がやっちゃダメなんだよ!

河本―いや、別に成功してなくてもやってる人いるでしょ。

井口―いるよ。ただそいつらは恥ずかしい人間だから。

河本―そんな事ないでしょ。

井口―周りからはそう見られてるよ。人生ずっとバンカーにハマっているような人間が、ゴルフでもバンカーにハマってるわ。そういうふうに見られてるに決まってんだろ!いやー、うまくいかないなーじゃねーんだよ!人生全部そうじゃねーか!

河本―そんな見方してる人いないですよ。

井口―大体ゴルフなんて先輩と行くんだから、いろいろ気も使いうし大変だぞ。

河本―いや、そこらの芸人と行くんですよ。

井口―じゃあいよいよ意味ねーよ!ゴルフは権力者にハマるためだけにやるもんなんだから!

河本―そんなことないでしょ。

井口ー権力者にハマりたい奴か、権力者にハマった若いアイドルしかやらねーんだよ!とにかくゴルフはやるな!他の趣味にしろよ。

河本―じゃあ、乗馬とか。

井口―いいわけねーだろ!乗馬も成功者だけがやっていい趣味だから!何も成功してねーやつが、優雅に馬に乗っていいわけねーだろ!癒されるなーじゃねーんだよ!何も成しえてない奴は癒される資格ないから!馬からも笑われて終わりだろ!

河本―馬から笑われる?!

井口―そうだよ!とにかく新しい趣味を探すなら、成功者じゃなくてもやっていいやつにしろよ。

河本―じゃあ、ダーツとか。これなら気楽に始めれるでしょ。

井口―ダーツは、つまんねー人間の趣味だろ!

河本―そんな事ないでしょ!

井口―ダーツを趣味にしてる奴は、かっこいい事に憧れてるかっこ悪い奴だから!かっこ悪い奴が一発逆転でかっこつけるためにやる趣味なんだよ!だってラウンドワンで練習してるんだよ?ラウンドワンで練習して、それをバーとかでこれ見よがしに披露するんだよ?ダサいだろ!練習したなーって感じが見えるのがキモイから!他の趣味にしろよ。

河本―練習がいらない奴ならー、食べ歩きとか。

井口―食べ歩きは、趣味じゃねーよ!誰だって食べるし歩くから。自分勝手に好きなものを食べて飲んでる事を趣味と呼ぶな!趣味ってことにして堕落を誤魔化してるだけだろ!お腹すいたなー、よし、美味しい焼肉食べよう。これのどこが趣味なんだよ!もっと他のにしろよ!

河本―じゃあ、盆栽とか。

井口―盆栽は、お年寄りの趣味!と見せかけて、お年寄りの趣味をあえてやるぜーの変わり者アピールしたい人の趣味だろ!若いのに盆栽やってます、どうですか。じゃねーわ!はいはい、変わり者ですね。どうせ落語も聞くんだよ!そして、過去の師匠の違いとかを言ってくるんだよ!やっぱり先代の方が凄いなー。うるせーよ!絶対誰かが言ってた感想に乗っかってるだけだろ!おい、ゼロからお前の意見聞かせてみろ!ねーんだろ?素直にわかんないって言え!!!

河本―熱くなりすぎでしょ。

井口―とにかくもっとまともな趣味にしろよ。

河本―じゃあ、クルージングにします。

井口―絶対できねーだろ!もういいよ!

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