夏のチョコレート

夏の登山の行動食でチョコレートは持っていかない。

チョコレートは溶けるのだ。適度に冷えた部屋で普通の生活をしていると「暑いとチョコレートが溶ける」ということを知識として知っていても、それを実際に体験することはあまりないのではないか(たくさんあったら、それはそれで問題だ)。

登山の場合、夏のよく晴れた日、おやつにチョコレートを買い、それをザックの中に入れて持ち歩くと、食べるときにはえげつないほどドロドロに溶けている。あまぶたの中に入れても、ザックの奥底にしまっていても、だ。日差しというのはひとさまが思っているよりずっと強い。登山を始めて知ったことだ。

カロリーが高く、糖質の塊、甘くて食べやすいチョコレートは、登山の行動食としては非常に優秀な子だ。しかし溶けてしまうので夏の登山には持っていかない。活躍するのは晩秋から冬の寒い時期。春になり気温が上がってくると、そろそろチョコじゃない行動食を、と考えるようになる。

しかし、久しぶりに昨日失敗してしまった。山ではない。ジムでのクライミング。だいぶ湿度は高かったが、それほど暑くないと思って油断した。大好物である、さくさくパンダのチョコクッキーを買ってしまった。休憩時に食べようと袋を手に取ったら「ぬちゃ」という感触。も、、もしや…と開けたら、若干でろでろのパンダ君が現れた。食べるのが嫌なほどではなかったので頑張って食べた。

チョコレートはひとさまが思っているよりずっと熱に弱い。生まれてから半世紀過ぎても学ぶことはまだまだ多い。ね。

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