AEON TOWNの駐車場からスーパーマーケット事業の今後を予想

今日、日課のお散歩をしていたところ、イオンタウンの横を通り過ぎたのですが、その時にふと気になる看板を見かけました。

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駐車場の出入り口にあったその看板には、
「ナンバープレート4桁を入力して精算します」
と書かれていました。

しかし、その看板の周りに精算機はありませんでした。進行を遮断するバー(?)はあるのに精算機はどこにもないのです。

あれー?これどうやって判断するんだー?と思い、実地調査をすべく、駐車場内に進入。あたりを見回すとありましたありました精算機。

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さらにもう少し探索してみましたが、この駐車場には各駐車スペースの番号も書かれていなければ車をロックする機器もありません。あったのは出入り口のたくさんのカメラとバーだけ。

そうです。この駐車場のシステムは、自動で車のナンバーを読み取って識別し、その車が支払済か否かを自動で判断してバーが開くシステムだったのです。

これはすごい。もちろん今の科学技術から考えればあって当然のシステムのように思われますが、このシステムなら精算機での支払いによる出入り口の混雑は回避することができるし(これに関しては従来までの車ロック解除システムと同じ)、車をロックするための機器にかかるコストもカットできます。それが意味することは単純なコストカットだけでなく、一つの駐車スペースを増やすことに対してコストが増えないということです(これに関しては従来までの駐車券システムと同じ)。つまり従来までの駐車場内精算システムと駐車場出入口精算システムのメリットだけを取った新システムと見ることができます。

また、セキリュティの観点からも、ナンバー情報が記録されるため有事の際に追跡が容易になります。

さらには、ビッグデータの収集の役にも立ちます。車のナンバーが識別できるなら、ナンバーを取得した土地、車種、3ナンバー/5ナンバーなども当然識別することができ、車でのAEON利用者がどこから来たか、車にどれだけのお金を出せる世帯なのか、世帯人数が多いのか少ないのかなど、大まかにではありますが統計を出すことができそうですね。他にも、どの車がどのくらい滞在したのかも把握できるため、AEON TOWN内のシナジー効果の検証の判断材料になるかもしれません。
例)
滞在時間が長い→AEON TOWN内の複数の店舗を利用している
滞在時間が短い→一店舗利用だけ

実際にそれらの情報を取得・利用しているかは不明ですが、少なからず何らかの情報を得ていることはまず間違いないでしょう。

本来、駐車場は車利用者の集客のためや土地の有効活用のためだけにあったという印象でしたが、このデータの時代、今や駐車場すら情報収集の場となってきているのだなあと思ったというお話でした。


車のナンバーと支払い手段の紐付け?

もしかしたら、今後は車を購入した際、もしくはレンタルをした際に、車のナンバーとなんらかの支払い手段を紐付けすることが当然になり、カメラで識別→滞在時間から駐車料金を算出→支払い請求→支払いまでが全て自動で行われるようになるかもしれません。それこそ、「AEONカードでの紐付けをすればAEONポイント〇〇倍!」や「1時間当たりの駐車料金が〇〇円引き!」などという謳い文句をキャンペーンすることで、AEON系列店舗の利用者のAEONカードの利用開始を誘導することができます(AEONグループの事業部で利益率や営業利益額が高いのは総合金融事業なのでできるだけ利用者を増やしたいはず)。それだけでなく、そもそも車のレンタルからAEONが関与する可能性もありそうです(費用対効果がやや微妙なので資本提携だけで済ましそうな気もしますが、レンタカー事業への進出も??)。

今後の展開として、モールや大型店舗を所有するスーパー業界の企業による、スーパー(実店舗)→EC(web店舗)→カード(金融)→レンタカーなどのグループ展開が一般的になると予想しています。

実際に、AEONグループはイオンモール(スーパー)→イオンドットコム(EC)→イオンクレジットサービス(カード)までを自社展開しています。果たしてここにレンタカーが加わるか...?


単独でのスーパーより総合スーパー?

また、新型コロナウイルスによる影響で、不動産の所有を放棄する企業が増えてきており(電通は本社ビルを売却後、賃貸でそのビルの一部を使用する方針とのこと)、小売店舗の商業施設入居型(モール型)への出店の需要が高まると思われます。もちろん、今は実店舗への客足が少ないことから多くのモール型でのテナント撤退が実行されていますが(GINZA SIXでは14店舗が撤退)、AEONなどのスーパーやニトリなどの家具店がメイン店舗であるモール型であれば今後も客数はある程度あり続けるため、土地を所有して実店舗を展開するよりは、モール型でのテナント利用の方がリスクは少ないように思われます。

なので、おそらく都内で人気ブランドを集めたような買い回り品を扱うモールはどんどん数が減っていき、郊外で最寄り品を扱うスーパーマーケット(や家具屋・電気屋など)を中心としたモールの数が増えていくような気がします。


スーパーマーケット事業の今後

以上のことから、スーパーマーケット事業は今後、単独でのスーパーマーケットよりは、総合スーパー(これをGMS: General Merchandise Storeと言うらしい)を中心にした商業施設を展開し、大手中小限らず様々な店舗にテナントを貸していくようになる。また、都心からやや離れた幹線道路上の、車やバイクなどでの来客を見込んだロードサイド型のものが主流になる。と予想します。(もうすでになってる?)


という考察でした。

お付き合いいただきありがとうございました。

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