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【大分】vsG大阪(H)はじまりはここから

長沢駿がその場で飛ぶと"DFが割れ"、道ができたのだ。ボールがネットに吸い込まれたところで長沢駿は地面に降り立ち、追いかけてきたエジプト人は溺れて死んだ――。

いや~!見ていて気持ちのいいヘディングでしたね!よかった!

開幕戦が延期になってホーム開幕は片野坂さん率いるガンバとの一戦になった。
J3開幕のごっちゃんのゴールからたくさんの思い出を共にたくさん築きあげてきた方との初めての対戦がまさかこんな早々に叶うとは。片野坂さんは常々「18人全員で」や「相手を見て」という言葉を用いる監督。こちらもガンバを見ていろいろと語りたいところではありますが、まだまだシーズン序盤。まずは内側に目を向けてどんな試合だったかな、というのを振り返ります。

スタメン

開幕戦からメンバー全員を総とっかえした大分。
西川くんはデビュー戦。これまで居た選手も、下平監督の下ではこのポジションで起用されるんだな~と感じます。司とか宇津元、野嶽とか。

この日取り組んでいたであろう事

SBを使ったビルドアップ
前線からのプレッシャー

この2つかな~と。

SBを使ったビルドアップ

下平監督の目指すサッカーは「ボールを保持する」ことが求められ、特に自陣からのビルドアップ、すなわちボール回し(前進するための仕組みづくり)はGK+2CB+アンカーの4人で行い、相手の1stライン(FW)のプレッシャーをかわす狙いがある。
これが原則。自陣深くでSBにボールが渡ってしまうと相手選手に「ハメられる」のでできるだけやりたくない、と。
しかし開幕から2試合目にしてSBが結構自陣でボールに触れる機会が多くあった。なんでや…ってところから振り返っていきます。

左右に「囲まれ慣れて」いる選手であれば自陣深くでボールを受けるのは非効率!それならもっと前で勝負せい!ってのが原則。しかしそんなうまい選手がゴロゴロいるとも限らない。人選的な理由からそれが難しいのであれば、それに応じた準備をしましょう、ということです。
自陣でボール回しを行うパターンは2つ。
アンカー落としとスライドです。

選手の動かし方は22人全員を載っけて相手の守備との噛み合わせを見ると狙いもわかりやすいですが、情報過多になって本旨からズレやすくなるので大分の陣形のみで描いていきます。

基本のおさらい

アンカー落とし

こばゆの「サリーちゃん」

まずはアンカー落とし。
スペイン語では「サリータ・ラボルビアーナ」なんていうらしいです。長い!ピンとこない!です。
意味合いとしたら2CBが開いて間にアンカーが「落ちて」くる仕組み、とのこと。直接的な語訳がないためパッとこの現象が起きた時「サリータしたね」ってのは現場であるかもしれませんが、耳慣れません。「アンカー落ちたね」とか愛嬌を込めて「サリーちゃん」でええんでないの?(愚痴終わり)
これをすることで2CBとアンカーの3枚で横幅を取れるため、わざわざSBが低い位置に居なくていい、というわけです。
片野坂体制でもよくこのサリーちゃんはよくやってました。宮阪とか島川とかはやり過ぎて怒られてました…こばゆはこのバランス感覚に非常に優れていると感じます。

参考:2021年開幕(vs徳島)の選手だと…ここから
こう!

ご覧の通り、片野坂体制でもなんだかんだで今年取り組んでいる「4-1-2-3」の立ち位置には取り組んではいました。ここが昨年からの継続たる所以だったりするわけです。
では、下平監督のサリーちゃんはなにが違うのか?
これはできるだけ重心を下げたくない、前から仕掛けるという意図があります。
選手の立ち位置を見ても、
片野坂さんは4+1(三竿、小林ゆ、坂、小出+長谷川)
下平監督は3+1(羽田、小林ゆ、上夷+中川)
と数的にも下平監督は少ない。
片野坂さんが大分でやっていたサッカーでは「相手を引き付ける」ことが第一ミッションであったため後ろに人を割いていたのですが、下平監督はもっと前から、アグレッシブさを求めていたためこのような変化があったのではないかなぁ、と。

スライド

グワァ―――っと

次はスライド。4バックがグワーっと左右どちらかに動いて片側のSBを押し上げます。ボールを受けるときは内側のレーンに入って、というのはあまり意識せず。同サイド(野嶽なら中川と増山)の選手がSBがボールを受けた時に同じレーンに被らないように!ってのが約束事だと感じました。
このプレーは前半によくやっていて、左右どちらもではなく野嶽が主にこのプレーをしていたな、と。
香川の推進力と左足の精度を生かしたいというよりは香川の左足を切られる(文字にするとめっちゃ怖い。左足での選択肢を無くされる、といった意味です)と右足はそこまで…なのでボールを取られやすい。ボールを保持していくサッカーを志向する上でここが心許ないとコンセプトに疑心暗鬼が生まれることを考慮していたと勝手に邪推しています。
また、もともと1列前でプレーをしていた野嶽。ある程度は相手選手からプレッシャーをかけられてもかわせるだけの度胸と技術はある、と踏んでいるのかもしれません。

19歳プロデビューの西川くん。ホンマに2年目??

前線からのプレッシャー

前から相手選手を捕まえに行く!アグレッシブ!な守備。攻守の切り替え(トランジッション)のアクションが片野坂さんと下平監督は大きく違います。特にネガトラ(攻撃→守備)の場面ではボールにガッと人数をかけて即時奪還を目指します。
ここの精度は開幕の甲府戦より整理ができた。これを実行するには、まず必要なのは思い切りの良さ。たぶんこのアグレッシブさを前面に出せる選手がスタメンに選ばれただろうし、流動的になりがちな前線の選手たちには強く求められるんだろうな、と感じました。

前線からのプレッシャーは即時奪還が第一目標ですが、その次に「相手に蹴らせる」というのがあります。
ボールを中心にワーッと人が集まると、それだけパスコースがなくなります。ボールを奪った側からしたら落ち着かせる場所がない。ならばまずは敵陣に蹴り出して時間を確保しよう、となるように仕向けるわけです。この2つが即時奪還を目的としたハイプレスの意味合いです。
しかし、ガンバにはパトリックがいる。これが大きな誤算でした。蹴らせて回収を目標にしているのに蹴られて収まる、となってしまった。これはもうパトリックのせい。こういった場面はリーグ戦ではあまり見られないだろうが、パトリックまでとは言わずとも、ポストプレーを頑張れる選手がいるチーム相手だと「蹴らせている」か「蹴られている」かの意思統一をハッキリしないとしんどくなるんだろうな~と感じました。ここの絶対的な個の能力にどう対抗していくかも見れるはず。楽しみですね~!

この日一番ときめいた司のボレー。っぱ司よ!

所感的な

大は小を兼ねるがPKは怪しい

時間が!ない!
もっともっと相手をみて嚙み合わせや山本悠樹トップ下起用の意味合いとか深堀り出来るところがたくさんあるんですが…目が慣れない。勉強不足だな、と実感するばかりです。なので、まずは目を慣らすため「下平監督の目指すもの」を書きたいな、と思ってます。頑張ります。

「相手を見た」ブログはとても興味深く、幅を持たせてくれます。ガンバサポーターのちくわさんの記事がとっても「これだ~!!」ってなったのでそちらもぜひご覧ください。

これから横浜FC戦。勝ちてぇ~!

選手画像は大分トリニータ公式Twitterより

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