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【大分】vsG大阪(A) ズルズルと……

狙いから得点は奪えたが、完敗。1つハマらないとズルズルと悪い方へ。そして単調に。交代カードで建て直しも、最後のゴールまでは遠く。そんな試合。
やりたい事が潰された、狙いがハマらなかった。そしてハメさせなかったガンバ。凄かった。

メンバーから見ていきましょう。

ガンバ大阪

代表キャップ持ち多い。ベンチに遠藤、倉田、パトリックも反則。山本も大学の時から見てるけど上手かったし。そして結構やられてるのイメージのある小野瀬。いやーなチーム。
宮本恒靖(ハイパーイケメン)になってからは後ろを試合の狙いによって4枚、3枚と使い分けるイメージ。そして使い分けてるけどなんか噛み合わずふんわりしてるうちになんか勝ってるイメージ。狙いがカッチリハマってると逆にどこかで何かしらの事故が起きて負けてるイメージ。不思議……
でも結局個々の上手さ、パスの軽快さはブレない。みんな上手いんだよなぁ……

大分トリニータ

またしても後ろ3枚?4枚?とザワザワするもやっぱり3バック。せやな。
前節で香川が負傷して左WBに三竿、左CBに羽田が入った。ベンチには左利きの高畑や特別指定の井上、藤本がスタンバイ。

ちょーっと話がズレるけど、田中達也のハナシ。
昨年夏に大分に電撃加入した田中達也はガンバサポに恨まれがちだけど不憫だなぁ、とか思ったり。

昨年頭のガンバは藤春、オ ジェソク怪我でどうするんや!な状況で新加入の田中達也に期待が掛かるも小野瀬、福田がWBやってSBに三浦とかで遣り繰り。黒川、髙尾も出てきた。
田中はSHだと他の選手、特にインサイドで繋げる技術の高い選手と競合するから序列は低いし、SBなら高さの面で怪しいしサイドのアップダウン以外にわざわざSBで使う?ってなる。4バックのサイド向き、って言うよりWBが適正だけど馬力なら小野瀬のがあるし、小野瀬と田中を両サイドに並べたら守備どうするんや!問題。そんなこんなでU-23チームに度々出るしかなかった彼を許してやってくれぇ……出ていくタイミングが悪かったのはそうだけど!
そんなこんなで田中達也頑張ってくれ~!な気持ち。

循環とフタ

ただひたすらにガンバのペース。入れ替わり立ち替わり揺さぶる。大分がゾーンで守ればミドル。どうするんや……

ガンバが序盤から結構複雑で、悪く言えば属人的ではあるけど、個々の強みを最大限に生かした攻め方、守り方をしていた。ほんとみんなスーパーだった。

今回のブログの内容はガンバが大分を押し込んだ攻守の仕組みがメインになるかも。そこを抑えた上でなんで大分が先制できた?って形で書いていくつもり。なんかガンバ寄りっぽい内容にはなりそう。許してちょ!けどそれだけ魅力的だったんや……

循環の下準備

まずは大分がめちゃんこ守り辛そうにしてたガンバの攻撃から。おっきなキーワードは「循環」。

ぐるぐる循環するのがガンバの攻撃のミソです。
が、循環するにも準備が必要。と、なればビルドアップでどんな事してたかな~って所から見ていきたいなと。
基本は3-3-2-2とか3-1-4-2な形。

ここからまずはボールを散らせるのが上手い矢島が下がって両サイドを上げる。井手口アンカーのダイヤモンド型の4-4-2みたいな形に。
この時に特徴的だったのが、FWの2人。中央よりもサイドに流れた位置に居ったな、と。これは守備でも効きます(後で書く)。

自陣でボールが回ってる時はこんな感じ。
なーんでわざわざFWがゴールから遠ざかるんか?ってなりますが、ポジションの噛み合わせを見ると狙いが分かりやすくなります。

大分の守備は5-2-3(敵陣)から5-4-1(ハーフライン~自陣)くらいな並び。そこにガンバの4-4-2を当てはめたら大分はとっても悩む。

ポイントは2つ
・シャドウの渡、田中はどのパスコースを切るか
・スライド?セット?

まずはシャドウ。大分からしたら知念が守備の方向づけをしてサイドに追いやってロングボール蹴らせて回収!が狙い。だけどボールを捌ける矢島に一定以上のパスができる三浦がいる。大分からしたらCB→アンカーで中央を割らせたくないのと一気にSHに繋げたくないから渡、田中を内側に絞って守りたい……

けど内側を消せばキムヨングォンと髙尾に時間を与えてしまう(フリーになる)。そうしたら藤春、小野瀬が下がりつつアデミウソン、宇佐美が3バック脇に走って大分の泣き所を強烈な個が襲う。どうすれば……

ちょっと用語を使うならば、上の図で大分のWB-CB(松本-岩田、羽田-三竿)の間に選手を走らせるのをチャンネルラン(ダイアゴナルラン)とか言います。チャンネル(ここではWB-CB)を拡げるためのビルドアップづくりをやられた、って話。前節の古橋シフトもこれです。

サイドにFWが流れると悩ましいのは3バック脇にラフなボールが入ったら誰がどこまでみるか?これが2つ目。つまりはチャンネルランされた後、どうするか。もしくはチャンネルランをされないためにはどうするか。

ここで片野坂監督の意図が少し見えた気がしました。それがこの日が今季初先発の羽田だったかな、と。
ロングボール蹴らせて回収!が大分の守備の狙い。だけど苦肉の策ではなく、意図したロングボールならば回収先になんか仕掛けがあるかもしれない。ならば大分は高さで勝負した方が有利かなぁ~とか。
まぁガンバもチャンネルランからの崩しをメインにしてたら先発にパトリックを左サイドに置いて岩田とマッチアップされてると思うので、深読みし過ぎな気もする(早口)。

試合後に片野坂監督が「自信持ってピッチに送ってるんやからしゃんとせぇ!強気に行かんかい!(意訳)」と静か~に怒ってたのもここな気がしました。
片野坂監督からしたらロングボール蹴らせてエアバトルで勝とうや!って狙いも、実際にピッチで起こったのはセーフティに5-4-1でハーフライン際まで下がって待つというある意味弱気な立ち振舞い。(知らんけど)
これがガンバのやりたい循環へと繋がる。

右の3と左の2

「ロングボールでウラ狙ってまっせ!」「いつでもひっくり返せるぜ~!」ってのはあくまでも下準備。押し込まれたら、相手が前がかりになったらここ狙おうね、くらいで本番はここから。シバキ合い上等!なマインドはガンバ大阪のそれでした。

ガンバのビルドアップで大分の前3人を剥がしたら?次はぐるぐる循環して掻き回す。入れ替わり立ち替わりぐるぐると。

ガンバは敵陣に入ったら選手が動きまくるので、パターン化、というより個々のスペースの認知が高いんだろうなという印象。シチュエーションによって~とかないからめちゃんこ説明が難しい。

その中でも決まり事としてあったであろう事は
・後ろは3バック+1ボランチ
・前5枚

なんとなーく3-1-1-5みたいな位置だったかな、と。
これもどっちのサイドにボールがあるかによって変わって来るので見ていきたいな、と。

まずは右サイド。

特徴的だったのが髙尾が前線に顔を出すこと。
大分で言うところの岩田のタスクを髙尾が担った。
そこに絡むのが宇佐美(アデミウソン)と小野瀬。宇佐美が横幅を、小野瀬が縦をカバーみたいな。
髙尾のオーバーラップの位置を基準に小野瀬がカットインか大外に張る→髙尾、小野瀬の立ち位置をみて宇佐美がスペースへ飛び出す。背後のカバーは小野と井手口がボールを狩りに行ってカウンターに移させない。

左サイド

藤春はサイド張っとけおじさん。内側でのプレーってそんな印象にないし、アップダウンさせたら右に出るものはいない。だからサイド張っとけおじさん。
と、なるとアデミウソン(宇佐美)が中央かハーフスペースらへんかに居るから片方を小野が埋める、って形。
こっちサイドは藤春の立ち位置基準。前線居ったら図のように、高い位置に居なければ井手口が埋める。藤春次第で井手口がめちゃくちゃ走る事になるが、井手口はそういうタイプだから問題は起こりにくい。井手口が前に行ったら矢島、三浦がカバーして……

右サイドは髙尾基準で髙尾、小野瀬、宇佐美(アデミウソン)が、左サイドは藤春基準で小野、アデミウソン(宇佐美)が縦横無尽に動くで、って感じ。
守備では3バック脇、アンカー脇に広大なスペースがあるためボールを奪われたらまずは人をぶつけて、大きな展開をさせない。それが宮本監督(ハイパーイケメン)の「素早いカウンター」の意味でした。

掻い潜って

大分からすればとにかくパニック。誰をみるか?どこまでついて行くか?に迷ってしまい、ならばセーフティにベタ引きや!ってのは気持ちとしてわかる。ガンバは前で5レーン埋めても前に来るから大分の5バックはガンバの前5人+井手口(小野)の6人を見なければならない場面もしばしば見受けられた。パニック!

そんな劣勢でも得点を動かしたのは大分。不思議~!ではなく、我慢して我慢して、相手の攻撃を掻い潜っての狙い通りの形。抜け目無い。

ガンバの攻撃の泣き所は、ボールを奪われた後に大きな展開をされること。中でも前がかりになる藤春-キムヨングォンのチャンネルは開きに開いてるので「藤春の背後」というのは大分の攻撃の共通認識だった。

先制のシーンもこの形。前半からロングボールを藤春ウラ、ヨングォン脇に落として走力で田中達也がぶち抜く。ヨングォンをサイドに引っ張り出してしまえば、中央にスペースかミスマッチができる。そこを知念、渡がついてゴール!見事だった。

息が出来ない

狙いどおりであり、ある意味苦し紛れの形から先制できた大分。しかし得意のビルドアップが上手くいかない。ここでもガンバは前から攻め立ててきた。

ちょっと戻ってガンバのFWなんで開いた位置に居るか問題。これは大分のCBのコースを切るためでもあった。

この日の大分はビルドアップにやや難を抱える羽田が先発。右利きだけど左CB。うちはこれで何度も苦労しました。だからいつもと形を変えてボランチを右CBに落とす。羽田と鈴木を隣に置けば事故が起きてもすぐにカバーできるって算段。
それに対してガンバは、4バック化した大分の選手間に3人を配置。特徴的だったのは中央から守備の方向づけをするのでなく、宇佐美とアデミウソンはSB-CB間に立つ、という点であった。

これは羽田、岩田にすぐにチェックに行って羽田-三竿と岩田-松本を分断。ボールを中央に戻したら小野がプレッシャーに行って守備の方向づけ。
この時に滅茶苦茶頑張ってたのが小野。背後にアンカーの小林を見張り方向づけをしつつ、守備を度々サボってる宇佐美のカバーのためにサイドにも顔を出す。大分は小野を"動かす"ことができなかった。

大分がビルドアップに時間をかければ小野瀬と藤春は戻れるし、小野が前に出たら井手口がマーカーを引き受ける。ここで焦れたのが大分からしたら痛かった。どこかでフリックしたり3人目の動きをして動く相手のズレを突きたかったが、それとは逆に、消極的にポジションに留まってしまい、ゲームまで滞らせてしまった。

悔しい2失点

1点目のPKはあそこで切り返す小野瀬が悪い。しゃーなし。
2失点目もある意味「想定された」ボールの失い方からの失点。アデミウソン、深い切り返しからニアはなし。しゃーない。

2失点目の後に羽田が交代したけど、あれは懲罰的なものではなく、プランの変更に拠るもの。
失点してからガンバは無理に前がかりにならないはず、ならばビルドアップをスムーズにして選択肢を増やす準備をしましょう、って意味合いで高畑が入った。

羽田は右利きの左CBで出場。右利きの選手が左サイドで出る場合、1stタッチを慣れた右足でしてしまうとゴールに背を向ける(反転する1動作が増える)のが大きな課題。スッと前が向けない。
ならば、相手のプレッシャーの有無を常に確認してターンする、戻すの判断をしないといけない。
羽田は手持ちの判断でターンが少なかった。完全に前を向ききらずとも半身から逆サイドや背後に展開するダイナミックなプレーは大学の時からやっていたし、周りが見える選手。そこの判断をもっと見せてほしかった。そしてプレッシャーがあまりないな~って時は前を向くだけでなく、持ち上がるのも必要。ドライブとかスペイン語ではコンドゥクシオンって言うらしいけど耳慣れないから「持ち上がり」って言いたい。前向いてちょっと持ち上がるだけで相手はリアクションをする。一事が万事ではないが、ギャップやスペースをつくる第一歩としての役割はもっとできたはずだ。
これが自分が羽田に求めたい所。違和感を感じた所。これを歪曲してDFやGKは結果が全て!あのミスするなら変えられて当然!ってのはお門違いだと思う。腹立つ。(義憤ってやつ。やーね。)

ガンバイズムを前にして

とにもかくにもガンバが良すぎた。攻めダルマでリードを奪っても落ち着かせる選択肢を持っていなくてもよかった。
大分からしたらやりたいようにやられて、勝手に縮こまって負けた。そりゃチャレンジを求める片野坂監督からしたらピキッとくるゲームでした。

そしてこのゲームから、ガンバ大阪のスリリングでスペクタクルなサッカーが垣間見られた気がした。1-0よりも4-5なチーム。ド派手な撃ち合い殴り合い。そんなチームに戻ってきたなぁ~とかぼんやりと感じました。もちろん危うさも抱えていて、同じメンツでも2~3人調子が上がらなければ全く展開は違うだろうし、メンバーが変わったらどうなん?みたいな疑問もある。この日MVP級の活躍をした矢島みたいに絶妙な調整力、バランス感覚を持った選手は……芝本も遠藤も居るか。
とにもかくにも恒さまのガンバからは良いチーム以上の何かアイデンティティみたいなもの(固定概念かもだが)がみられてとっても素敵だった。だからこそ勝ちたかった。

悔しい!けど明日も試合!切り替えて!トランジッション!!!!(藤本くんについても書きたかったけど力尽きた。すまぬ。)

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