イムズよ永遠に
1989年の「第二次天神流通戦争」
「ソラリアプラザ」「ユーテクプラザ」そして「イムズ」のオープンを端緒とした、天神地区のお買い物革命の一つだったと思う。
当時、何者にもなれていない、チー牛中学生の僕は、最新のパソコンや電気部品がひしめき合ったユーテクプラザに夢中になった(でも、すぐになくなっちゃって、ジークス天神→現:天神ロフトになっちゃたけど)
他には、ベスト電器の本店(昔の建物)とか、今のノース天神のバックヤードにあった「りーぶるアニメック」や、ぁゃιぃPCソフト・ハード屋「SPEC」とか。
その1989年当時、その頃に完成した「イムズ」はかなりというか、超画期的だった。「新しイムズ、楽しイムズ」のコピーとともにサックス奏者のスゥイングのテレビCMがブラウン管を踊った。
あの当時の天神のキラキラ宝石箱っぷりは、ファッションに興味のない僕ですらも輝いて見えた。
・四方が全て同じ形で全てに入口がある八角形黄金ビル(外壁は有田焼)
・10フロアの吹き抜け
・当時では(今でも)超珍しい螺旋エスカレーター
・階数表示のないエレベーター(どこに居るかわからんと新聞に投書があったくらいで途中から表示が付いた
地下2階から屋上庭園の14階までくまなく出入りできて、お金を使わなくとも居られる「体験型」の商業ビルは「天神すごいな」と思わせるには充分だったし、大学で東京に上京したときも、そんなにびっくりしなかったのは「イムズ」の存在によるところも大きいだろう。
あと、ほんの少しだけここで働いていたこともある。
そんなイムズも、来月末で閉館して取り壊される。
バブル時代を象徴し、ポストモダンの最終的な回答のような素晴らしい建築なんだけれども、建物の大きさに反して床面積が少なめだったこともあるのだろうか、容積率緩和事業の「天神ビッグバン」に飲まれる形で、この「非効率」な美しいビルはわずか30年で幕を閉じることになる。
モダニズム批判をもとにしたポストモダンのあとには、また面白みのないモダニズム建築が増えていくのだろうなぁ…
同じように、博多駅前の西日本シティ銀行も解体されてしまいましたしね。
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