谷口ジロー展がめちゃめちゃ良かったのでみんな行こうという話

今日は世田谷文学館でやっている、「谷口ジロー展」を見てきました。谷口ジローの作品や経歴が編年体でまとめられており、それぞれの作品の原画も見えて大変面白い展でした。ちょうどマシーナリーとも子さんの感想もあがっていたので、こちらもあわせて見るといいかもしれません。おすすめですので、場所的に行ける方は是非行くといいんじゃないでしょうか。2月27日までやってます。

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全オタクが好きな「俺はまるで人間火力発電所だ」の原画もありますよ。

谷口ジローの漫画力の高さ

いやあ、展見に行くくらいなんで、さすがに何作かくらいは読んでいて、画力が高いのは分かってました。ただ、原画で見て改めて分かったのは、谷口ジローめっちゃめちゃ漫画力が高いんですよ。視線誘導のテクニックが異常にうまい。

例えばこのシーン。

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左が原画で、右が視線誘導を想定した目線の動きです。ものすごくスムーズに目線が流れていくのが分かると思います。

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さらにこれ。これだけ登場人物が多いシーンでも、吹き出しを追っていくだけで自然に人の顔に視線が行くよう、巧みに配置されています。

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これも大変美しいです。細かく追っていくと青の線の流れで読めますし、ざっくり読んでもピンクの線の流れで追えるように効果音の角度を意識して書いてますね。

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もはやセリフとかなくてもこのレベルですよ。1コマ目の道の角度で右下に誘導して、2コマ目では構図としては水平なのに読み進める方向を使って左向きに、3コマ目では崖の高台部分を目立たせることによって右下に、そして最後のコマでは空と地面の間に狼を配置することによって左下に視線を誘導してます。意識しないとわからないくらい自然です。

他にも見どころが

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細かいところですが、孤独のグルメのコンビニ回、おでんの描写がうまいですねえ。大根の手前側とか糸こんにゃくがだしに浸かってるあたりとかの白いところにホワイトを使っていて、これが実にシズル感あってうまそうなんですよ!

カラーの原画も見えたりして、充実度高い展でした!

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