日本維新の会は躍進できるか
基盤なし
日本維新の会と言えば、特定の支持母体を持たないことで有名である。例えば、自民党は日本医師連盟、立憲民主党は連合と言うようにバックに大きな支援団体が存在し選挙を始めとして各方面で政党を支援している。
これが好感を持たれることもある。特定の政治団体や業界に左右されず国民のために政治をしているという印象を与えることができる。一方で、この様に支援団体が存在しないと言うことは一度、強烈な逆風が吹けば簡単に飛んでしまう虞がある。「風頼み」とも言える状態だ。だからこそ、日々の議員の活動がとても重要になる。不祥事や問題発言は即ちネガティブな結果になる。最近は、問題が散見される日本維新の会であるが、今秋にもあるのではないかと噂される衆議院選挙までに議員の質をどれだけ上げられるかが党勢拡大のポイントになる。
創設者去る
日本維新の会は橋下徹氏や松井一郎氏が党のイメージを作り上げた。彼らは大阪都構想や議員定数削減などの「改革」を一丁目一番地に構え大阪を中心に支持を広げた。その様な彼らが去った今、改革政党のイメージを維持・発展できるかが問題となる。
この点において、馬場代表は重大な責務を背負っている。特に、橋下氏や松井氏と行動を共にしていた吉村知事は知事職や大阪維新の会の活動に専念するため、国会での日本維新の会の差配を馬場代表が一手に担う。大阪で培ったイメージを国会で体現することは容易ではない。
馬場代表は先日インターネット番組で「第二自民党」でいいと発言した。この発言自体は公党のトップとして如何なものかと思うが、長年政権の座に就く自民党の様な政党を構築することが即ち国民に資するという旨であると理解している。8月には、衆議院選挙大阪選挙区で候補者を選定するために予備選を実施すると発表している。新しいことに挑戦し続け改革していく。創設者が去った日本維新の会が政権を獲得できる政党になれるか重要な分水嶺にある。
全国化できるか
2023年の統一地方選挙で600議席獲得の目標を掲げ有言実行を果たした。特筆すべき点として大阪以外で初の首長を誕生させたことや神奈川県の各選挙区で大幅に議席を伸ばした。一方で、重要選挙区と定めた愛知県では落選が目立った。
日本維新の会は野党第2位であるものの、やはりその源泉は大阪を中心に関西圏にあり全国的な浸透力に欠けることは否めない。今後、党勢を拡大し政権奪取を目標とするなら、全国津々浦々から支持を得られないといけない。その様な日本維新の会に朗報なのは、前回の参議院選挙では野党第1位の立憲民主党よりも比例表を集めていることだ。少しずつであるが、日本維新の会の支持は伸びている。日本維新の会が地域政党から抜け出し全国政党になるためには、議員個々人の日々の活動が重要になってくる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?