廃墟ビルのリノベ・シーズン3がスタート!

 いや、そんな壮大なストーリーではないが。

 義父が、40年ほど前に小さな6階建てビル(5階と6階が居宅、1階から4階までがテナント用)を建てた。バブルの頃にはかなりのテナント収入があったと思われ、義父が亡くなった際には、ローンは完済されていた。が、テナントは全く入っていない状態になっていた。

 残された義母は、現在は別のところに住んでいるので、そのビルは無人の、どこから見ても廃墟ビルと化していた

 昨年に帰国して以来、まずは5階の大掛かりなリノベを行い(シーズン1)、落ち着いて住めるようになってから、のんびりと客室用にと6階部分のリフォームにとりかかり(シーズン2)、今回は屋上のメンテナンスを行う。

 数年前に、屋上の排水が悪くて水漏れを起こしているという連絡を受けたことがあった。その時は不動産会社の方にサポートして頂いて、何とか事なきを得た。カナメは今回、本格的に屋上の補修と防水を実施するつもりらしい。

 さよか。

 あまり私には関係なさそうなので、口は挟まないようにしていた。

 屋上のお掃除くらいはなんぼでも手伝ってあげるよ。排水溝の掃除をして、高圧洗浄機で丁寧に表面をキレイキレイして、最終的に防水塗料を重ね塗りすればいいんだよね。頼まれたら、まぁやらないではない。ペンキ塗ったりするのは好きだし。

 ところが、事態はそんなに簡単なものではなかった。

 屋上には、カナメがいつも違法建築と呼ぶ倉庫が設置されていた。できあいのものをサクッと設置したようなものではなく、工務店さんにお願いした、かなり頑丈で立派な倉庫なのだが、その倉庫がある限り、屋上の完全防水施工は無理だと思ったらしく、かねてから忌々しく思っていた違法建築っぽいものを撤去したくて仕方がなかったらしい。

 そこで私が個人的に調べてみたところ、その小屋は一辺が3メートル弱で、特に届け出が必要なものでもなく、工務店さんがキチンと安全性も考えて、コンクリートに頑丈に固定されており、特に問題はないということは分かった。

 しかも、中にあった大量のものは、すでにキレイに分別・廃棄したのだが、内側の壁はびっくりするほどキレイだった。

 それをつぶすのってもったいなくない?

 と思ったのだが。

 工務店のミズキさんと色々と相談をした結果、とりあえずカナメの要望通りに倉庫は解体するのだが、その後は解体してみてから決めようということになった。

 ミズキさんは、常に「解体してみないとわからないので、細かいことはそれから考えよう」と言う。その言葉の重みを今なら分かる。リノベは、本当に開けてみないと(スケルトンの状態にしてみないと)分からないことだらけなのであーる。

 さて、違法建築っぽい倉庫の解体当日、私はほとんど現場に立ち寄らなかったのだが、カナメは色々と相談していたらしく、結局は、倉庫の鉄フレームだけを残して、不要な部分は切断しつつ、それをパーゴラに作り変えるというのだ。

 パーゴラ?

 パーゴラ(pergola)って何よ。こういう時はGoogleイメージ検索をかける。どうやら藤棚っぽいやつのよう。

 カナメに聞いたところ、パーゴラの床部分には、いわゆるデッキ材を敷き、屋上テラスにする計画らしい。

 ほーうっ。

 それ、すごくいいアイデアだね。

 確かに、イチから屋上テラスを設置しようとすると、めちゃくちゃお金がかかりそうだけど、このフレームを利用したら、ペンキを塗って床材を敷き詰めれば良いだけかもしれない。

 かつ屋根部分を「ルーフバルコニー」にしようと思うと、相当コストがかかりそうだけど、そこまでしなくてもタープやオーニング用の布を張れば、とりあえず日除けにはなる。もともと屋上でピザ焼いたり、BBQしたりもしていたから、更に快適になりそうで、意外とワクワクである。

 現在のところ、理解しているプロセスは以下の通り。

1、倉庫の解体と、不必要なフレーム部分の切断。屋上にある不要部分の撤去

 倉庫の解体とフレームの一部切断は、解体業者さん。その他、建築当初に必要があったのか、大きな鉄のアンカーがあちこちに設置されていたのだが、錆びて見栄えもよくないので、最小限だけ残して撤去して頂いた。

2、掃除と高圧洗浄

 これは私たちが担当。

 屋外用の掃除には、これを使っている。なかなかのパワーで、そこそこ大きなゴミも大量の砂も、容赦なく吸い込んでくれる。これがないと掃除は無理無理。

 高圧洗浄機は、最初に1ヶ月ほどレンタルをして、その期間に集中的に使ってみた。手洗いする気など一切起こらない美しい仕上がりを見て、やはり手元にあった方がいいと購入したのがこれ。屋外のコンクリート壁などの洗浄には、絶対に必要。置き場所があるなら買ってみても良いと思うのだが、レンタルする方が多いアイテムの一つだと思う。

3、パーゴラとして使うフレームの塗装(防錆加工あり)

 色味をどうするかについては、かなり悩んだのだが、我が家の壁紙の色などのコンセプトカラーがネイビーブルーなので、それを採用。ギリギリまで、炎天下では、黒っぽい色だと鉄部分が高温になるかなと心配したのだが、とりあえずトライしてみることにした。

4、塀(壁)部分のペンキ塗装

 反対に、壁部分は無難な白に決めた。あまりにも黒ばかりだと、流石に夏はキツイだろうなと思ったのだ。ところが塗って頂いた結果の色を見て、カナメが何度も「ギリシャっぽいでw」と言うので「?」状態だったのだが、確かにギリシャにある白い壁の街のような白さだった(汗)。これ、またまた私が定期的にケルヒャー作業をすることになるのかな........。

5、屋上の床部分の整備、研磨、下塗り?

 当初は「動画見たから、防水塗料を塗るのは私に任せて!」モードだったのだが、カナメは一抹の不安を覚えたらしく、プロにお願いすることになってしまった。いや、実はペンキ塗りもやる気満々だったのだが、その前段階の補修その他は、とてもじゃないけど私にはできそうもなく(太い鉄のアンカーを切断するとか、たぶん無理)。

 床のコンクリート部分の表面は、すべて一旦研磨する必要があるらしく、それは本当に大変な作業に見えた。15坪近くのコンクリートの表面を、すべてマシンで研磨するなんて吐きそう(汗)。

 その後、薄く表面にコンクリートっぽいものが塗られていた。表面をフラットにするためにパテするようなものかな?
 まだまだ塗料を塗るまでにステップがありそうだった。現時点ではここまで終わっている。今後は、こういうプロセスになりそう。

6、防水塗料の塗布

 防水塗料の色は、無難なグレイを選択。

7、パーゴラへのデッキ材施工

 これもプロにお願いすることに。床材の色は、ダークグレイにした。最初はウッディな色にしようと思ったのだが、サンプルがいかにも木材ではなさそうな素材だったので、床のグレイにそろえることにした。

8、オーニングの設置

 これは自分たちで設置する予定なのだが、カナメは、市販品にするか、長さを図ってオーダーメイドにするか、迷っているらしい。ちなみに以前、屋外テラスの施工業者さんのところに相談に行ったことがあるのだが、屋根部分に張るオーニングの生地そのものが、意外と高額になるということを聞いていた。我が家にはスノーピークのタープがあるので、個人的には、それを張ればいいんじゃないかと思っているのだが、違うのかな?

9、フロアデッキを敷く

 随分前になるのだが、IKEAに行った時に、フロアデッキを大量に購入した。せっかくなので、デッキの前の部分にある程度敷いてみようかと思っている。

 最初は防水加工だけすれば良いのかなと思っていたのだが、ルーフ付きテラスっぽいものが設置されることになったので、こんな本をTSUTAYAで読んでしまった。もちろん買っていない(汗)。

 でもちょっと楽しみになってきたわ。屋上にオープンカフェみたいなのを作ったら、そこでカフェワークできるかしらん。


 

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