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旅する食い意地:Bánh mìパンを観察してみる

 県庁所在地に出かけたついでに、東南アジア料理店でランチをしてきた。

海外に出られない今となっては、色々な味を求めて遠出してしまう。人によって旅する理由は多々あれど、少なくとも私たちにとって、それは食べるためだったのかも知れない。

食べたい。

色々な美味しいものを、リーズナブルな価格で食したい。

そしてその美味しさを、自宅でも再現してみたい。再現するためには、ホンモノを知らねばならぬ。

そして、先日行ったベトナム料理店にも寄ってみた。

自分で作ってみたバインミーのパンは、想像していたものよりも美味しくできてしまった。

「かなりいセン行っているけど、違う。似てるけど違う。ホンモノはこんなんじゃない。こんなにパンとしてフツーに美味しいという感じではなかったし。」

自分の感覚が正しいのか間違っているのか、だんだんと分からなくなってきたので、オリジナルを確かめに行ってきた。お店でパンを焼いている様子はなかったので、どこかから卸してもらっているのではと考えた。

それを買えないだろうか。

私「すみませーん。バインミーのパンだけって買えますか?」

お店のお兄さん「買えます。ちょっと待ってね。上のお店に取りに行ってくるね。」

お店の二階部分が、ベトナム食材店になっている。

あのさ............。

今さっき、その食材店で聞いてみたら、下のお店で買えるって言われたのだが。まぁいい。

2階からお兄さんが袋にいっぱいのパンを抱えて降りてきた。どうやらお店のパンも少なくなってきたみたいで、ついでに在庫補充しようと思ったらしい。

入手先が知りたい。

私「あの、これってもしかしてベトナムから送ってもらってるんですか?」

お兄さん「これはね、OSAKAから。」

私「大阪!?そこに(ベトナム)食材の卸問屋さんがあるんですか?」

お兄さん「そうじゃなくて、パン工場がある。」

私「えええええ、これって日本で作ってるんですか!」

お兄さん「そうそう。OSAKAで焼いて、それをここと、YOKOHAMAとかあちこちに送ってる。ここでは焼けない。マシンも大きいのが必要。工場じゃないと。」

私「なるほどー。では日本の材料を使って日本で焼いているってことですよね。」

お兄さん「いや、材料はベトナム。焼くのはOSAKA。」

だろうな.........。

日本の「春よ恋」で焼いたら、粉がまず違うと思っちゃったもん。

粉って、こういうのかも知れない。

これを個人輸入する気はないので、日本で作るならあるもので代用するしかない。とりあえず観察してみる。

ビジュアルはこんな感じ。

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ちょっと皮がとれているところがあったので、よくわかると思うのだが、皮部分が非常に薄いのであーる。

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重量としては、こんな感じ。水分がほぼないのでは?と思うほどにスカスカな印象である。

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写真ではわかりにくいと思うのだが、内側の柔らかい部分をくり抜こうと思って触ってびっくり。マジで水分がない。例えるならば、室内に一晩放置して乾燥してしまったパンみたいな印象である。

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カットしながら、この感じは何か他のものに似ているなとずっと考えていて、ようやく思い出したのは......

日本の麩!!!!!

表面のパリパリの剥がれ方が、焼きたての麩のようだといえば、ちょっとイメージできるだろうか。もはやパンじゃない。

この状態で、ヘルシオオーブンの「焼きたてパンあたため」メニューで加熱して、そこに具材をチリソースを入れてパクチーをできるだけたくさん入れて食してみた。

写真も撮らずにパクついちゃったのだけど、とにかく美味しい。

何なんだよ、これ!!

単体だと美味しくないけど、素材ひっくるめてセットになると完璧に美味しい。

そういえば、もう35年ほど前になるけど、バックパッカーを背負って行った中国で味わったお弁当のことを思い出したよ。

当時の中国のお米って、ふっと息を吹きかけると飛んでいってしまいそうなほど軽い印象があった。別に美味しいお米なんかじゃなかったわけよ。

ところが、硬座と呼ばれる座席に座って旅をしている時に、駅弁(というか、紙箱に入ったお弁当)を買って食べた時にガッテンしちゃったのだ。

そのお米は単体で食べるとすこぶる不味いのだが、濃い味付けの汁たっぷりの肉炒めなどと一緒になっていると、お米がその汁を吸いこんで美味しくなるのを発見した。

日本のお米なら、差し詰めベチョベチョになってしまいそうなのに、しっかりと汁を吸収しちゃって食べやすいったらありゃしないw

組み合わせの妙ってあるよねぇ。

そういう類のものかも知れない。

日本のお米も、日本のパンも、単体としては世界最高級だとは思う。でも組み合わせによっては、ベストな選択ではないということがあるわけで。

人間関係にもあるよね。そういうことって。

Well-balancedな人が二人寄っても別にどうってことないけど、偏りのある人が二人集まると、その組み合わせによっては尋常ではないケミストリーが生まれることがある的な。ジョブズとウォズニアックみたいに。

とりあえず本質的な部分はちょっと分かってきたのと、美味しい日本のバゲッドで作っても、それはそれで美味しいとも思うので、いつかベトナムに行ける日があれば、本場で食べるのを楽しみにしようと思うことにした。

kindle unlimitedに入ってた!!!バーチャルに旅できそう!

ベトナムって日本と同じでCash is kingなのね......。次に行ける時には、キャッシュレスがフツーになってるといいな。


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