痛みが移動する?
シニア入り口の私。最近、高齢者の方の言動がしみじみと理解できちゃったりする。
こう言うのも知見が増えたと言えるかと。
かくも年齢を重ねるごとに知識も経験も知見も増える。私の中では人生最強にして最高の賢者かもしれない。
とは断言できない。増えるものもあるが、減るものもある。
知見は増えても、記憶がその倍くらい減る。どこへ行ったのーっ!!!
そんなシニアな私の、新しい知見をご披露しよう。
私の持病に「結石」と言うものがある。腎臓その他に石ができちゃって、それが動いたり流れたりする過程で、ホルダーの私を激痛の沼へと誘うアレである。
人生最初にそいつの存在を認めたのは、大学一回生の前期試験の途中だった。
原因不明の腹痛を感じたのだが、試験最中には退出できないと思った私は、とりあえず回答を全て埋めた。見直しをする精神力はなくただただ痛みと闘っていた。試験は残り30分になると回答用紙を提出して退出することができたので、誰よりも早くそれを提出した。傍目にはテストの回答を余裕で終えたようにしか見えず、嫌らしいプレッシャーを周囲に与えていたかもしれない。そのまま重い足取りで帰路についた。
自宅に戻ってからすぐに近所の病院に行き、尿路結石であろうという診断名がついた。
鎮痛剤の入った点滴を打ってもらったところ、場所が移動したのか全く痛くも痒くもなくなり、病院から出た私はスキップすら出来そうなほど軽やかな足取りでまたまた大学に戻った。
その後、衝撃波治療を経た後も、何度も再発し、その度に激痛に耐え水分をとり、縄跳びに勤しむということを繰り返していた。
とはいえ、水分をこまめにとっている限りは痛みに悩まされるようなこともなかったので、前回は何年前に再発したのか思い出せないほどであった。
完全に忘れていた痛みよ。
今年に入って、深夜に激痛が起こった。
かつて感じた気持ち悪い痛み。鈍痛と疝痛を混ぜたようなアレ。鎮痛剤を飲み、温かいお白湯も飲み、うんうん唸っていたが、翌朝に病院に行ってみた。
エコー画面を凝視しながら、女医先生が言った。
「間違いないですね。かなり大きい。自力で出せるか出せないかというと、ギリギリ出せるかなぁ。」
私「出します!!!(キッパリ)」
そういえばウラジロガシ茶を最近飲んでいなかったなぁと思い、慌てて注文。
自宅に残っていたこれを飲むことにした。
自然排出可能な大きさの結石の治療は、一般的な病気とはちょっと趣が異なる。家でおとなしくしていてはダメで、
どんどん飲んで、バンバン動け
というものである。一説にはビールが良いと聞けば、普段は飲まないビールを飲むことすらある。
まさに病人らしからぬ態度である。そして痛くなったら鎮痛剤で痛みを潰すのである。
そうこうしているうちに自力で出すことに成功したワタクシ。ふふふである。
しかし!
その後ほどなくして、今度は反対側が痛むようになってきた。
女医先生「ああああ、こっちもあったのね。一緒に見ておけば良かった。えーっと..............一個じゃないですね。鎮痛剤出しとこうか。痛くなったら点滴打ってあげるからまた来てね。」
さよか。今すぐ点滴をぶち込んでくれると思ったのだが。
で、その時に思ったのだ。
もしかしたら、最初に痛みを感じた時から、実はすでに両側とも痛かったのではないかと。ウラジロガシ茶を飲んだから動いたのかもしれないけれど。
片側の痛みが消えたから、もう片方の痛みに気づいただけなのかも。
つまり、これをシニア構文で言うと
「痛いところが、移動した」
ということになるんだなぁと。
肩の痛みが楽になると、今度は腰が痛くなって、それが癒えたら膝が痛くなるというような話は、巷にごまんとある。
若い頃なら、ちゃんと肩も腰も膝も痛いと認識できていたはずなのだが、年をとると認知能力が下がってきて、それは痛みや暑さに対しても鈍感になってきたりするのだ。要するに、その中の一番強い痛みしか感じ取ってなかったという(汗)。
やっば.........。
こういうのって悩みも同じなのかも。
非常に大きい問題が目の前に立ちはだかると、それが自分にとって唯一無二の「解決したい何か」「逃げたい何か」のように思える。それさえクリアできたら自分の人生は一点の曇りもなく薔薇色になるかのように見えたりもする。
でも実際は、その悩みが解決すると、以前は顕在化しなかった別の悩みが浮き上がってくることもある。かくも「悩みは尽きない」のである。
っていうことは、私自身最近あんまり悩みがないような気がするのは、実際は色々と悩むべき問題があるのかもしれないが、単にそれを認識できなくなっただけだったりして.........orz
お掃除をこまめにしなくても、老眼と相まってあんまり汚れが気にならなくなってたりして........。やばいやばい。
年取るって、嫌ぁねw
ところで、以前は腰痛持ちだったのだが、その時に(韓国の)整形外科の先生にアドバイスされたのは、デスクワーク時に1時間に一杯ずつのお水を飲むことだ。その理由は、それだけ飲むとかなり頻繁にトイレに立つことになって、それが腰痛の予防になるとのことだった。
確かに。でも私の腰痛が治った直接の原因は、椅子をバランスボール(KETTLER)に替えたことだと思っているので、もし腰痛でお悩みの方はお試しあれ。
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