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普段の病院で中絶できないと知ってモヤモヤした話

私は普段婦人科に通院し低用量ピルを処方してもらっている。
(飲む目的はプライバシーなので何も書かないでおく)
その病院は先生も接しやすく病院内は綺麗でよい所である。

しかし、私を心配にさせる要素が一つだけある。
そこは母体保護法医ではないのだ。この事実に私は一抹の不安感を持っている。

そしてこの不安とは別に私だけのものではなく、この社会に生きる結構な人の不安のもとになりうるのではないかとも思う。

母体保護法とは

母体保護法とは人工妊娠中絶手術を行える医師を指定している法律である。つまり、かかりつけ医が母体保護法医でないことは、私はそこで人工妊娠中絶手術を受けることができないことを意味する。つまり予想外の妊娠などあっても、そこでは対応してくれない。

別に避妊率98%の低用量ピルを飲んでいるので、よほどの何かがない限り妊娠することはないと思う。しかし人生は何があるかわからず、その可能性はゼロではない。
ちなみに低用量ピルの避妊率の残り2%は、飲み忘れや下痢・嘔吐で十分に薬が吸収されなかった場合に起こるらしい。これくらい誰でも起こりうることである。

しかも中絶とは多くの人にとって多くの意味で、人生の中の一大事であると思う。だからこそ信頼を置いている病院でできないというのは、なんだかモヤモヤするのである。

危ないのにまだやるの?

私をさらにモヤモヤさせているもの、それはこの医師の指定が現状に合っていないのではないかと感じるからである。

母体保護法は中絶方法の一つ“掻爬法”(掻き出す方式)の技術の専売特許的なものであるらしい。(と授業で習った) しかしこの掻爬法、日本では多く用いられているらしいが問題が多い。

子宮内の内容物を先の太いピンセットのような器具(鉗子)で取り出したり、スプーンのような器具(キュレット)で掻き出す以前から行われている手術法で、日本ではいまだに圧倒的に多くの施設で行われています。
子宮の中の内容物を取り出す手術としては基本的なものですが、手作業で感覚的に行うため、術者の技量に負うところが多い術式です。
デメリットとしては、手術時間が長くなり、出血量も多く、注意を払っても、子宮に傷をつけたり、穴を開けてしまうこと(削除)が起こり、不妊症や腹膜炎の原因になり以前より問題になっていますがなかなか改善されません。(東京都港区の堀産婦人科のHPより)

こちらの文章を読んでいただければわかるように、掻爬法はリスクが高いのである。実際、WHOでは掻爬法ではなく、吸引法や中絶薬による中絶を推奨している。

しかし日本では中絶薬は承認されいない。また、吸引法を使うところもあるが掻爬法で行うところもあるらしい。

つまり、日本の中絶を取り巻く状況とは、やり方が危険にも関わらず、掻爬法特許の母体保護法を続けて、一部の医者にか中絶手術をさせていないのである。
それが原因で私が普段行っている婦人科で、いざという時にそれができないというのは、あまりにも納得がいかないのがモヤモヤの根本である。

すべての人の権利

中絶は権利であると私は思う。

もし子供を殺すなという言うならば、子供によって人生を棒に振らねばならないその人の権利はどうなる。虐待でもあったら親・子供双方にとっての不利益ではないのかと思う。

その選択肢が限られているというのは、様々な人にとって不利益だと思う。

例えば地方で病院の数が限られてる場合、信頼関係や距離など様々な問題から中絶へのアクセスを、その“指定制度”が阻害しているといえると思う。特に中絶はできる期間が決まっているため、普段通っているところの方が断然安心だろう。

そう考えると安全で簡単な中絶方法の普及は待ったなしだと思う。

別に母体保護法医でなくても、どこの産婦人科でも安全な人工妊娠中絶手術を受けられる権利というものが保障されていいはずだと思う。

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