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#04 介護はマネジメントと捉える

44_決めた

~過去投稿はマガジンから~

ただし、一点だけ気をつけていただきたいことがあります。

「仕事をしながらの介護は無理ではないか……」と介護離職を考えている方に、ややもすると「(離職の)背中を押すようなアドバイス」をしてしまうことです。

「介護も立派な仕事だよ」などと、声をかけてしまう。

もちろんそういったアドバイスは、介護者を励ます意味で発せられるのですが、介護者が仕事との両立をあきらめて会社を辞め、介護に没頭してしまう危険があります。

「全部自分が介護を(立派な仕事として)やってあげなくちゃ」と、考えてしまうのです。

介護は仕事ではありません。

介護が仕事であるのは、介護職の方々です

会社で働きながら介護をする方々は、いわば介護を「マネジメント」していく立場です。職場や行政、地域ボランティア、家族同士と連携をとって「どうすれば、いちばんいい介護環境になるか」を考え、選択していくのです。

介護職のプロにやってもらえることは、プロに任せる。
介護を全部自分で抱え込まない。

マネジメントというと、冷たい印象を持たれるかもしれませんが、要介護者にとってのベストを考えるという意味で、あたたかいマネジメントを目指せばいいのです。
「しっかり任せられるプロを選ぶ」ということだけでも、あたたかいマネジメントになるはずです。

仕事でしっかりマネジメントできる方が、家族介護のマネジメントができないことはありません。
自分のキャリアプランの中に介護プランも組み込んでいけばいい
のです。

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本コンテンツはCOCORO 4号をもとに再構成しています

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著者プロフィール

飯野 三紀子(いいの みきこ)

ウェルリンク株式会社 産業カウンセラー・キャリアコンサルタント。
一般社団法人介護離職防止対策促進機構理事。

企業の人事部経験を経て、人材紹介会社で、キャリアコンサルタントとして従事。要介護4の母を介護しながら、働く人の「心の健康」と「介護と仕事両立」のための支援を行なっている。5人の介護と4人の看取りを経験。