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#03 メンタル面をしっかりケアするということ

13_対処行動

~過去投稿はマガジンから~


地域包括支援センターに相談すると「どうすればいいか」という情報と手続きを教えてくれます。そうして介護がはじまります。その次に来るのは、先にも述べましたが、やはり心の問題です。

会社を休むにしても、出産や育児ならハッピーなことですから、周囲の理解も得やすいでしょう。

でも、介護となると残念ながら「おめでとう」とはなりません

たとえば認知症で徘徊してしまうといった心配事があったりすると、ついつい口を閉ざしてしまう気持ちは、よく分かります。介護者(介護をする人)と要介護者の間で、感情的に上手くいかないことも出てくるでしょう。

しかし、介護は長期にわたりますから、どうか自分のメンタル面を大切にしてください。会社に一度報告すれば終わりではなく、つねに周囲に報告する、相談するというスタンスを忘れないでください。

介護は終わりが見えないと、よくいわれます。しかも介護度(~段階)が時間の経過とともに変わってくるため、「施設に入れたほうがいいのか」などと新しい課題も生まれてきます。職場のデスクで仕事をしていても、延々とつづく介護のことで頭がいっぱいになってしまうかもしれません。

ですから、会社の人事部はもちろん、職場の上司や同僚の方々にも、「介護者を周囲でしっかりサポートする」という認識を持ってもらいたいと思います。

もしも、周囲に介護の経験者がいらっしゃるなら、どうか話を聴いて問題を共有してください。

介護者本人が「介護の悩みは、自分だけじゃないんだ」と思えることは、大きなサポートになるはずです。

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本コンテンツはCOCORO 4号をもとに再構成しています

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著者プロフィール

飯野 三紀子(いいの みきこ)

ウェルリンク株式会社 産業カウンセラー・キャリアコンサルタント。
一般社団法人介護離職防止対策促進機構理事。

企業の人事部経験を経て、人材紹介会社で、キャリアコンサルタントとして従事。要介護4の母を介護しながら、働く人の「心の健康」と「介護と仕事両立」のための支援を行なっている。5人の介護と4人の看取りを経験。