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めじろおじさん川越へ行くの巻【後編】

晴天ということもあって、時の鐘を中心とした観光街は人で溢れていた。

食べ歩きをする、気になった店を覗く。何気ない、しかしいつの間にか縁遠くなった行為である。自分のことだけ考えて歩けばいい。そのなんと贅沢なことか。

一方で、観光地を前に「ここに家族と来たらどうなるか」という視点から話が広がる。普段のらりくらりと適当に父親業を営んでいるけれど、それでもこんな思考もできるようになったんだなと、ちょっと自分に感心した。(ちなみに、小さい子連れで楽しむのは不可能という結論で一致した)



趣味や家族構成といった環境が近いというのはすごいもので、沈黙の時間はその時間まで含めて楽しむ位に考えておけばいいかと思っていたら、最初から最後まで話が途切れることが無かった。

今にして思えば、手持ち無沙汰になればシャッターを切ればいいし、どこだって被写体を見つけられる人達なので、仮に会話が弾まなかったとしても、そんな心配は無用だった訳だけれど。



ひととおり歩いて、休憩がてらカフェに入った。これがまたkawaiiカフェで、おじさん3人で入るのは営業妨害なんじゃなかろうかと思うほど。(自分達の後に客がほとんど続かなかったので本当に営業妨害だったかもしれない)

3人とも違うケーキセットを頼んで、楽しくおしゃべり。前言撤回、これは女子会だ。絵面と会話内容に目を瞑る必要はあるけれど。


ここでしんいちさんから嬉しいプレゼント。鞄から飛び出してきたinstaxのプリンタを使って、目の前で今日の写真をプリントしてくれた。

子供のイベントや節目のアルバムを除けば、物質化して楽しむことをあまりしないし、共有はもっぱらデータなんだけど、やはりプリントしたからこそ生まれる存在感というのが確かにある。


お会計の時に、しんいちさんはさらっと店員さんからオススメのお土産情報を聞き出していたし、ハシモトさんはオーナーからお店の立ち上げからの苦労話を聞き出していた。

自分1人だったらまず発生しないイベントだ。写真のことだけではなくて、日常の楽しみ方として発見が多い。オススメのお土産を聞くのはそのうち真似してみようと思う。



楽しい時間というのはあっという間に過ぎるもので、いよいよお別れの時間になった。

話は尽きないし、名残り惜しくはあるものの、次回開催があることを約束できたのは収穫だったと思う。さよならはまた会うためのおまじない、というやつだ。

帰りの電車で、前回行くのを忘れてリベンジを誓った氷川神社を今回もすっかり忘れていたことを思い出したんだけど、それはまた次の機会に。



今度は何処に行こうか。そんなことを考えるだけで、仕事以外のことなら頑張れそうな気がしてくる。

【終劇】

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