油圧式ディスクブレーキの核心

今回は油圧式ディスクブレーキのキモであるブリーディングについて。

「油圧式」と呼ぶだけあって油圧式ディスクブレーキは、ブレーキレバーとブレーキキャリパーを繋ぐブレーキホースの中にブレーキオイルと呼ばれる油が入っています。

ブレーキレバーを引くことでレバー内部にあるピストンが押され、その動作によってオイルが移動しブレーキキャリパー内部のピストンが押されます。

この一連の動きの中で「パスカルの原理」が働くことで指でレバーを引く小さい力で高速で回転している車輪を止めようとする大きい力に変わります。

まあ、小難しい話は置いといて言ってしまえばオイルがなければ油圧式ディスクブレーキは動きません。

ではこのオイルをホースに満たす作業、ブリーディングはどのように行うのか。

これについて今回もSHIMANOを例にまとめていきます。

まずブリーディングに必要なもの。

そう、ブリーディングキットです。

…と言ってもなんの事やら分からないと思うのでブリーディングキットの内容を挙げてみます。

・ピストン(言ってしまえば注射器)
・ファンネル

SHIMANOのロード用コンポーネントなら主にこの2つでホースにブレーキオイルを満たします。

実際の見た目はこんな感じ(SHIMANO公式サイトより)

https://bike.shimano.com/ja-JP/product/service-upgradeparts/shimano/WP-Y8H498090.html
より引用

では実際の使い方をば。

ブレーキレバーの上部にファンネル取り付け部があるのでそこのネジを外して
ファンネルを装着します。

その後オイル交換なら古いオイルを抜いてから作業開始です。

ブレーキキャリパーのオイル注入部にオイルを入れたピストンのホースを取り付けオイル注入部のネジを1/8回転緩めてオイルを入れていきます。(この時ピストンが固い時はさらに1/8回転緩めてから作業しましょう)

オイルがファンネルまで到達したらオイルが5~10mm程度の深さになるまで入れてオイル注入部のネジを完全に締めてからピストンを外します。

ピストンを外したらキャリパー部に付いたり少し飛び散ったりしてるオイルをパーツクリーナー等で拭き取ります。(この時少しピストンを引っ張りながら抜くと飛び散りにくいです)

その後ファンネルに残っているオイルを確認しながらレバーを数回細かくスピーディに握って離してを繰り返します。

エアが残っていればこの時にかなり細かい気泡がプツプツとファンネルに上がってきます。

この作業をエアが上がってこなくなるまで繰り返します。

レバーを握って離してを繰り返す作業はリアエンド部をフォークの位置よりも高くしたり低くしたりバイク自体の角度を変えながらするとエアが抜けやすいです。

ブレーキレバーを握ってブレーキがしっかりと効けばエア抜き完了です。(エアが残っていると握った時にスカッと効きが悪くなる感覚があります)

エア抜き完了したらエアが入らないようにファンネルを外してレバー部のネジを取り付けます。(オイルが溢れるくらいで大丈夫です)

ネジを付けたらブリーディング完了です。

エア抜きは時間をかけてじっくりやらないと命に関わるので自信の無い方はショップにお願いするといいと思います。

レバーだけでエア抜きが難しい場合は細かい振動を与えられる機械があると楽に出来るかもしれないのでオススメです。

また、オイルを交換する際には黒く濁ったオイルが残っていると動きが悪くなってしまうので完全にオイルの色が綺麗になってからエア抜きしましょう。

しっかり効くブレーキで安全に楽しい自転車ライフを!

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