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臭い王様

むかしむかし、ある王国に「臭い王様」と呼ばれる王様がいました。
彼はとても臭かったのですが、それを自覚している様子はなく、日々の生活を楽しんでいました。

王様の臭いは王国中に知れ渡っており、王国の人々は彼から一定の距離を保って暮らしていました。
しかし、臭い王様は自身の臭いを気にせず、いつも笑顔で王国を歩き回り、民衆との交流を楽しんでいました。

ある日、王国に美しい花の香りが漂い始めました。
人々は驚き、それと同時にたいそう喜びました。
そしてそれを王様に伝えようとしました。

しかし、人々が駆け付けると王様の周りには花が一つもなく、彼の臭いがその香りを奪っていることに気付きました。

王様の威厳を損ねないように誰もが口に出せないまま、王様の臭いが花の香りを奪っていることが王国中に広まりました。
王様は自分の臭いが問題だとは知りませんでしたが、心を痛める人々の様子に気付いていました。

ある日、王様は王国の中庭で一人の老人と出会いました。
老人は王様に近づき、彼の臭いが王国中にどれほどの影響を与えているかを告げました。

王様は初めて自身の臭いが問題であることを知り、深く悲しみました。

王様は王国の人々に謝罪し、自分の臭いを改善するために努力することを誓いました。
彼は香水や花を使って臭いを消そうとしましたが、なかなか効果はありませんでした。

しかし、王様は諦めませんでした。
彼は医者や魔法使いに相談し、様々な方法を試みました。

そして、ある日、王様は奇跡的に臭いを取り除く方法を見つけました。

それは特別な湖の水を使うことでした。
王様は湖の水を身体に浴び、その水が彼の臭いを奪い去っていくのを感じました。
臭いが消えると同時に、王様の心も穏やかになり、彼の笑顔がさらに輝きました。

王国の人々も王様の変化に驚き、喜びました。

臭い王様が清潔で爽やかな王様に変わったことで、王国中に幸せが戻ってきたのです。

そして、彼は「臭い王様」とはもはや呼ばれることはなくなり、王国の人々から、真に愛される王様として語り継がれるようになりました。

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