【書物】神はいない

むかし、ある村に「神はいない」という言い伝えが伝わっていました。

この言い伝えは、村人たちの間で代々語り継がれ、彼らの生活や信念に深く根ざしていました。

その村は、昔から厳しい自然環境に囲まれており、豊かな作物を育てることが難しい場所でした。

さらには頻繁に自然災害に見舞われ、人々は常に生きるための厳しい闘いを強いられていました。

そんな中、村人たちは神を信じることをやめ、自らの手で生きる術を身につけることを決意しました。

彼らは神を頼るのではなく、互いに助け合い、知恵と努力をもって自らの運命を切り開こうと決心したのです。

この考え方は、次第に村人たちの生活に根付き、彼らの信念となっていきました。

彼らは農作業や災害復旧などの困難に果敢に立ち向かい、神に頼らずとも自らの力で乗り越えようと努力しました。

その結果、村人たちは団結し、自給自足の生活を営み、神に頼らずとも幸福な暮らしを築くことができました。

彼らは自らの信念と努力を称え、神を信じることなくも、豊かな暮らしを実現することができたのです。

時が経つにつれて、この言い伝えは村の外にも広まり、周囲の村や地域の人々にも影響を与えるようになりました。

神を信じない考え方は、彼らの生活や信念にも影響を与え、神々への信仰が薄れていく中で、自己の力と努力を信じる姿勢が重要視されるようになったのです。

そして、やがてその地域全体に、「神はいない」という言い伝えが広がり、人々の生活や信念に大きな影響を与えました。

それは、自らの力と努力を信じ、困難に立ち向かう強い意志を持つ人々の象徴となりました。

こうして、神を信じない言い伝えが、人々の生活や信念に深く根ざし、彼らの心の支えとなったのでした。

しかしある時、彼らは思い知ることになりました。

努力だけでは抗うことのできない脅威もあるということを。

そしてその時になって、彼らは初めて神々を信仰し、助けを求めました。

しかし時すでに遅く、彼らの祈りが届くことはありませんでした。

その地域一帯は、たった一晩のうちに滅んでしまったのでした。