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「躑躅」

和名のツツジという名前は、筒状の花を意味する筒しべが語源のようですが、漢字では「躑躅」と書きます。
「躑(てき)」は、たたずむ、行きなやむ、あしぶみする、「躅(ちょく)」も、あしずりする、あがくといった意味で、「躑躅(てきちょく)」とは、歩行の進まない状態、あしぶみを意味しています。

京都府 https://www.pref.kyoto.jp/rinmu/14100079.html

つつじの咲く季節の、穏やかなお散歩。

タイトルを決める時に「つつじ」にしようか「ツツジ」にしようか「躑躅」にしようか迷ったのですが「テキチョク」という読み方もあるのは面白いなと思って漢字にしました。読みにくくてすみません。曲中に幸せな風景を目にして歩みをとめてしまう人が出てくるので、ちょうど合っていましたね。

(私が作る曲のタイトルは二字熟語など簡素なものが多いのですが、「曲を番号で管理していて、発表用タイトルがいつも決まっていない」のが理由です。「躑躅」は「75番」。)

すこしジャズの勉強をしたので、それをもとにエレピを弾きました。ハープはいつもの調子で弾いて、ミクさんの歌もミックスもシンプルに仕立てました。

複数の楽器と歌が調和した穏やかな曲をつくっていきたい。最近少しずつ方針が見えてきました。毎度、歌詞がどこか悲しいのは……なんというか、すみません。作風です。


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躑躅

詞・曲/市井ヒロノ

咲きこぼれる躑躅の横を
ゆっくりと通り過ぎた
あなたは花の名を知っていた
なんだって知っていた

いつか庭がある家に住んで
そこに木を植えようね
秋には実をつけて
冬にも凛と立つ木を

わたしの知っていることを
あなたが知っているときに
どうしてこんなに、うれしいのかな

あなたが知っていることを
わたしが知らないときでも
悲しまないで聞きたいの
目を瞑って

あたらしいテレパシー重ねたい


幼子が母に手をひかれ躑躅の下をくぐる

あなたはわたしの手をきゅっと握って目を逸らす

どれだけ花の名を覚えても
愛の記憶は埋まらない

わたしが知っていることを
あなたが知らないときでも
悲しまないで 手を繋いでいよう

あなたとわたしが違うこと、知ってるよ
だから
あたらしいテレパシー重ねたい

手のひらはあたたかい


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