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「辛いときほど自分がワクワクすることを!」親の離婚を経験した安藤さんからのメッセージ

親の離婚を経験して大人になった人たちからの、子どもたちへのメッセージ。 第5回目の今日は、安藤モニカさんにインタビューしました。

安藤さんプロフ画


ウィーズ(以下、ウ):まずは、ご両親が離婚されたときの状況を教えていただけますか?

安藤さん(以下、安藤):少し経緯が複雑なのですが、私が19歳の時に母と一緒に家をでて、父と別居となりました。一人っ子で、きょうだいはいません。そもそも物心ついたころから両親の仲が良かった記憶はなくて、私はいつも「今日は父が大丈夫な日、今日は母がダメな日」と両親の表情を観察していました。あとで詳しく話しますが、両親が離婚届を出したのは私が32歳の時。別居しているのに10年以上もの間「自分の中で終わっていない」感覚があって、だからこそしんどかったと感じます。


ウ:両親の離婚の理由はどのように理解していますか?


安藤:母が「(父といるのが)辛い」とあまりに何度も言うので、別居の直前に私が「そんなに我慢してるんだったら、いっしょにいなきゃいいじゃん」と言ったんです。でも、「あなたがいるから」と返ってきた。だから私は「それって見栄?私のためとかやめてくれる?」と、さらに言い返したんです。それで「いいの~?じゃあ、あなたがいうなら」と別居を決意したようでした。私が言わなければ、別居はしなかったのかな…と。その後しばらくそう思っていたときが、一番しんどかったかもしれません。


ウ:「しんどかった」時期はどれくらい続きましたか?


安藤:私は小さいころから、なぜか自分のせいで両親の仲が悪いと思っていたんです。その後も私のせいでお母さんが我慢していると思ったし、別居の最後のスイッチを押したのも私。私のせい…と自分を責めることは、私が25歳になるまで続きました。


ウ:25歳の時に何か変化があったのですか?


安藤:母と2人で住み始めてから、外に出たい気持ちが強くなったんです。1人になって、楽になりたかった。それで、必死にバイトして、英語も猛勉強して海外へ。24歳の時にオーストラリアにホームステイに行くことが叶いました。ステイ先がなぜかシングルマザーのおうち(笑)。そこの息子も荒れていて「親の影響だなぁ」って感じました。ボーイフレンドも出来ましたが、なぜかひとり親育ち(笑)。解放されたくて出てきたのに、現実を突きつけられた気持ちでした。どこにいっても変わらないなと感じて、結局1年で帰ってきたんです。その気づきは大きかったですね。


ウ:家庭の外に出て、視野が広がって客観的にみられるようになることってありますよね。


安藤:そうなんです。それでもう一つ自分の中で決着がついたことがありました。実は私が海外に行っている1年の間に、両親が連絡を取ってたんです。このとき「やっぱり私が居ないほうが良かったんじゃん(笑)」とも思いましたが、傷つきはしませんでした。離れたのが良かったんですかね。私も自分の人生を歩み始めることができていたから、親が幸せならそれでいいと思えました。


ウ:そのことが「親の離婚の消化」のポイントだったのでしょうか。


安藤:そうですね。でも、1回ちょっと頑張ってみたことがあるんです。日本に帰ってきて、両親が連絡をとりあっているのを見て「もう一度で良いから、家族でいたい」「どうしてもそれを実現したい」という気持ちがあって。「私がお金を出すから旅行に行こう」「食事に行こう」と私から率先してよく計画していました。

その先に、私が結婚することになって、家を買うことになったんです。母が一緒に住みたいと言い出したけれど、私は「父か母どっちかだけというのはできないよ」と言いました。そしたら「お父さんが一緒でも良い」と母が言い、父も喜んで、同居が実現しました。

…でも、それが浅はかでした。一緒に暮らしてみたら、父と母は全然うまくいかなくて、本当に離婚になってしまいました。「じゃあなんであの時に向き合ってけじめをつけておかなかったの!?」という感情が強かったですね。でも、今考えれば全部繋がって自分の糧になっているからよかったかなって。


ウ:もう一度一緒に家族として…という気持ちは、多くの子どもが持つように感じます。


安藤:私は19歳の時、母についていくか、父と残るかという問題にとても悩みました。けれど、生活上は母にするしかなかったので、母と家をでる決断をしました。これは私が「母という存在が良くて父という存在が悪いから母を選んだ」…というわけではないということを両親に伝えたかったですが、言えずじまいだったんですよね。一緒に暮らしたい、となったときに近いことが言えたのは良かったです。


ウ:今、親の離婚で悩む子どもたちは、その負のイメージを強く感じているようです。逆に「親が離婚してよかったと思うこと」はありますか?


安藤:別居後も父の家には幾度となく遊びに行っていましたが、悠々自適に生活している姿を目にしていました。一緒に住む母のイライラも明らかになくなっていました。それを見て「これで良かった」と思いました。母は父の文句をずっと私の前で言っていたので、それがなくなったのが最高に良かったことですね。それに、親が別居していなければ、海外に行っていません。親のことで悩み、家族関係のことを知りたいという思いで心理カウンセラーの学びを受けたことも今に繋がっています。


ウ:最後に、親の別居・離婚を経験し悩む子どもたちにメッセージをお願いします。


安藤:親が離婚した経験を持つ人の多くは、自分を責める感情や怒りの感情に苦しむと思います。自分のせい、自分はいなきゃ良かった、という自己嫌悪。自分が傷ついた出来事が怒りとなって心の奥底に潜んでいること。

私も長いこと自分を責めて一人で苦しみました。支援があることも知りませんでした。でも自分を責めても何も変わりません。誰も幸せになりません。辛い時ほど自分がワクワクすること、輝ける場所を探してほしいです。両親の離婚≠子供(自分)ということに気づけたら人生は変わります。そして辛かった時期に対する憤り。上手に蓋をしてなかったことにしても、事ある毎に人生に現れてきます。私たちのこの経験を糧として受け入れていけると、これからの人生での果たすべき役割が明確になるかもしれません。
一緒にワクワクする人生を生きましょう!


■安藤 モニカ さん
・はっぴーすぽっと認定プロファイラー
・Facebook:https://www.facebook.com/MonicaAndo369/lin.ee/ChsrmMW

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