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インハウスクリエイターは孤独と属人化にどう向き合うか

事業会社でマーケティングを行っていて、かつてはWEBデザイン制作やメールマガジンの配信とったオペレーション作業までを担当していた。

事業会社でインハウスデザイナーやマーケティング作業を担当することになるとありがちのが属人化である。クリエイターなんだから創造的な仕事で定型業務とは違って属人化して当たり前だと考えたいところだが、事業会社では制作やマーケ施策はコストであり、属人化は事業継続性や業務改善を阻害する「悪」というイメージは強い。一部の大企業を除くとインハウスクリエイターは少人数で担当者が1人孤独であることも少なくない。

私も1人インハウスクリエイターだったが、数年前に別の部署と兼任してくれるメンバーが1人増えることになった。元々デザインの仕事をしていたから、インハウスクリエイターとしてやっていけたが、別の部署のメンバーはデザインやマーケティングに関する知識がゼロ。属人化していた私の仕事をどうやってやってもらうかを考える必要があった。

意外と創造的な仕事はしていなかった

私はクリエイティブな仕事をしていて、専門的なデザイン知識やスキル、マーケティング知識や施策ノウハウを知っているからこそ「インハウスクリエイター」なのだ「プロ」なのだ。素人が急に私の仕事ができるわけないと思っていたが、属人化解消は会社方針でもあり仕方なく業務を棚卸しして、やっている作業を整理してみた。

すると、クリエイティブだと思っていた仕事はある一定のルールでやっていて、それを業務手順書としてまとめることができてしまった。さらには、ルールに沿っていない業務はちゃんとルールや例外処理を意識することで今まで以上に業務が整理されていったのである。

「あれ?もしかしたら自分のやっていた仕事は、自分にしかできない創造的な仕事ではないんじゃないか…」と思うようになった。

クリエイター仲間を創ると楽しい

実際に業務手順書を兼務メンバーに見てもらい作業をやってもらう。慣れるのに時間がかかる作業もあるが、基本的にちゃんとできている。私の感情は「自分にしかできない仕事をやっているという優越感がなくなった」というよりも、「同じ目的と共に仕事をする仲間が増えたことに加えて時間が空いたことで別の業務領域を担当することができる喜び」が強かった。

この仕事は外部からは専門的な人材にしかできない業務に見えるが、やってみてできると結果がカタチや数値になってやりがいもあって楽しい。メンバーたちが楽しそうに取り組んで成果を上げているのを見て、私とメンバーを含めたチームにとって、そして会社にとっても良いことだったと思っている。若い人たちに仕事をどんどん譲っていくのは川の水が流れるように気持ちいい。

私のやっていたことが経営レベルのマーケティングやブランドデザインではなかったので、比較的業務手順書にまとめやすかったということもあるとは思う。インハウスクリエイターは1人孤独にやるのもやりがいがあって悪くないが、もしチームでやるチャンスがあるならば自分の業務と向き合って仲間を創ってみると結構楽しい。

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