アラスカ航空がハワイアン航空を買収へ、貨物事業強化も
アラスカ航空(ASA)を傘下に持つアラスカ・エア・グループは、ハワイアン・ホールディングスのハワイアン航空(HAL)を買収し、両航空会社を統合する。
買収額は1株あたり現金18ドルで、HALの純債務9億ドル(約1300億円)を含む19億ドル(約2700億円)となる見込み。すでに両社の取締役会で承認を得ており、今後は当局の承認とハワイアン・ホールディングスの株主による承認などを経て、12〜18ヵ月で買収を完了する計画としている。
ASAとHALの両ブランドを維持しながら、単一の運営プラットフォームに統合し、HALはASAが加盟するoneworldに加わることになる。新会社は米Seattleを本拠に、CEO(最高経営責任者)にはASAのBen Minicucci・CEOが就任する。統合後は米国第5位の航空会社となり、365機のフリートにより138都市に就航し、oneworldのネットワークを通じて1200都市以上にアクセスできるようになる。
さらに今回の買収では旅客事業だけでなく貨物事業も強化されることになる。統合後は旅客および貨物便の選択肢を拡大し、アジア太平洋地域や米国をはじめ、世界全体へのアクセスを拡大することを目指すとしている。
ASAは「国内線、国際線、貨物線の補完的なネットワークの組み合わせにより競争力が強化され、米西海岸およびハワイ諸島全体の消費者の選択肢が拡大する」としたうえで「ハワイ諸島から直行または1ストップで到着できる北米の就航地数が3倍になり、同時に近隣諸島へのサービスも維持することで、航空貨物の輸送能力が向上し、サービスと利便性が拡大する」とコメントしている。ASAの発表によれば、統合後の貨物事業のEBITDA利益は最大で2000万ドルになると予想されている。
ASAでは貨物およびその他の事業が収益の3%、HALでは収益の7%が貨物およびその他の事業によるものだという。
HALはことし7月には世界最大のEC小売業者アマゾン向けに運航するエアバスA330-300改造型貨物機10機のうち最初の1機を受領、10月にはアマゾン向け航空貨物サービスを開始した。
一方のASAは、貨物部門Alaska Air Cargoがことし10月、B737-800を貨物機へコンバートしたB737-800BCF(旅客機換装型)を受領した。 同機は発注した2機のうちの初号機。来年初めには2機目がデリバリーされる予定としている。
2023年12月5日掲載
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