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中国の新たな航空貨物ハブ「鄂州花湖空港」にエティハド・カーゴが就航

アラブ首長国連邦アブダビのフラッグキャリアであるエティハド航空の貨物部門エティハド・カーゴが8月18日、中国の新しい航空貨物ハブ空港として注目されている湖北省の「鄂州花湖空港(Ezhou Huahu Airport)」に、外国の航空貨物キャリアとして初めて定期フレイターの初便を就航させた。

鄂州花湖空港のターミナル前に駐機するSFエアラインズのフレイター

湖北省といえば中国のど真ん中にある省だが、その東南部にある鄂州市も華北・華中・華南の主要都市へ放射状に航空路線を展開しうる好位置にある。そこに目をつけたのが中国のEC物流輸送の大手・順豊控股(SF)グループで、湖北省政府と共同で鄂州市の花湖地区に総額308億4000万元(約6200億円)を投じて貨物専用の空港を建設、昨22年7月に開港・稼働を始めたもの。
2025年までに10の国際貨物路線と50の国内路線を開設し、同時点で年間245万トンの貨物・郵便を処理すると見込んでいる。

発表によれば、鄂州花湖空港は世界で4番目の貨物専門空港であるとされ、 2万3000平方メートルの貨物ターミナルと70万平方メートルの物流センターで構成する貨物関連施設では、AIやIoT、ビッグデータなどの先端技術を取り入れたスマート化が図られており、貨物処理はほぼすべてが自動化されているという。

いまや中国最大規模の航空貨物キャリアとなった順豊航空(SFエアラインズ)は、この鄂州花湖空港を中国国内の航空物流ネットワークの中核に位置付けている。中国の中心に位置する同空港をハブに設定して、東の浙江省・杭州空港、西は四川省・成都空港、南は広東省・深圳空港、北は北京空港という4拠点との間を結ぶ効率的な航空物流体系を構築しつつあるところ。

この中国期待の貨物空港に今夏、中東の急成長株キャリアであるエティハド・カーゴがSFエアラインズとの相互スペースブロック協定に基づいて、同空港初の国外貨物キャリアとして国際定期フレイターを乗り入れてきたわけである。初便の就航機材はB777-200F。

SFとエティハドは今後、鄂州花湖空港とアブダビ国際空港という中国・中東ふたつの大型貨物拠点を「デュアル・ハブ」として結び、鄂州からは中国内の深圳、杭州、北京、成都など国内25の主要都市へ、アブダビからは中東周辺はもちろん、北欧州・地中海、アフリカ大陸などへのグローバル・ネットワークに載せるという形で、急増する越境EC貨物の迅速輸送にも効果的に対応可能なサービス体制を構築していくとしている。

エティハド・カーゴの初便乗り入れを祝う式典で

湖北省の空港関係者はエティハド・カーゴの乗り入れについて、「アブダビと鄂州間のウイークリー・フレイターサービスの導入は、中国と「一帯一路」沿いの国や地域との間のシームレスな接続を促進する上で重要な役割を果たすだろう。われわれは鄂州花湖空港が世界クラスの航空貨物ハブになるというビジョンを実現する上で貴重な支援をしてくれるエティハド・カーゴに感謝する」と、歓迎の弁を述べた。

2023年8月22日掲載

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