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オランダ政府のSchiphol空港の発着枠縮小に航空会社が反発、法的対抗措置へ

KLM-Royal Dutch Airlines(KLM)は3月3日、オランダ政府が突如決定したSchiphol空港の発着枠縮小に対して、グループ各社や航空会社と団結して法的対抗手段を講じたと発表した。

蘭政府は同空港の年間発着回数の上限を現在の50万回から23年11月に年間46万回にとし、来24年までに44万回に削減するという最終目標を掲げている。これは騒音レベル低減やCO2排出量削減を主な目的としているが、現状で同空港の発着枠の60%近くを占めるKLMは、「機材更新などによって同空港を利用する何百万人もの乗客や貨物ネットワークを維持しながら騒音レベル低下とCO2の排出量を削減できる」と主張した。

この政府の一方的な決定に異議を唱え、KLMおよび同グループのKLM Cityhopper、Martinair、Transaviaのほか、Corendon Airlines、Delta Air Lines、easyJet、旅行会社TUIグループと連合で蘭政府に対して略式裁判の手続きを行うとしたもの。また、そのほかの航空会社や国際空港運送協会(IATA)も蘭政府の決定に強く反発して法的措置を講じるとしている。

KLMはSchiphol空港発着便の6割を占める

KLMのMarjan Rintel CEOは、「航空会社は独自の脱炭素化対応と政策に沿って、短期的および長期的な環境目標を達成するために投資を行っている。KLMグループでも騒音レベル低減とCO2排出量の削減に対して設定された目標を受け入れ、機材刷新やSAF(持続可能な航空燃料)の調達によって数十億ドルを投資してきた。
 こうした対応策は騒音レベルの低下やCO2排出削減に大きな成果を上げている。しかし、蘭政府は発着枠削減以外で代替可能な解決策を考慮せず、空港の運用制限に依存しているように見える。政府は私たちの呼びかけに耳を傾けていないため、法的措置を取らざるを得ない」とコメントした。

蘭政府の政策が発効すると、Schiphol空港の23〜24年冬期スケジュールおよび、24年夏期スケジュールで、民間航空機の発着回数は最大46万回に制限されることになる。Schiphol空港によると、IATAのガイドラインの規定で23年冬期スケジュールの発着キャパシティは23年5月4日までに公表される必要があるとしている。

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