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CMA CGMがボロレ・ロジスティクス買収の交渉を開始

仏船社CMA CGMグループとボロレグループは4月18日、CMAがボロレの物流部門ボロレ・ロジスティクスを買収することについて、交渉を開始したと発表した。

CMA側は現在、約50億ユーロ(約7389億円)の買収金額を提示している。CMAからの提案により今後、両社はデューデリジェンス(投資対象となる企業や投資先の価値、リスクの調査)/プットオプション(売却時の市場価格に関係なく、あらかじめ決められた特定の価格=権利行使価格で売る権利)に関する独占交渉を経て、CMAが合意した場合、5月8日頃にプットオプションが発行される予定だ。

定航船社として知られてきたCMAは近年、総合物流企業化を加速させている。基幹事業である海運の強化と並行して、2019年のシーバロジスティクス買収を皮切りに、以降はアフリカのフォワーダーや欧州の完成車物流企業、米国企業のEC物流事業部門などを次々と傘下に収めてきたほか、2021年には航空貨物輸送市場にも参入した。

21年には航空輸送市場にも参入したCMA

CMAは今回のボロレ・ロジスティクス買収提案についても、「海運およびロジスティクスを柱とする自社の長期戦略に沿ったもの」と説明しており、傘下のシーバと合わせた物流事業の強化・拡大を図る構えだ。

ボロレ・ロジスティクスのロジスティクス事業規模は、昨22年実績で売上高が71億1100万ユーロ(約1兆500億円)、国際貨物取扱量が海上コンテナ:71万TEU/航空貨物:39万トンの規模とされる。

一方のCMAでは、傘下シーバを通じたロジスティクス事業の22年売上高が160億ドル(約2兆3600億円)となっており、今回のボロレ・ロジスティクス買収が実現した場合、CMAグループとしての売り上げ規模がおよそ1.5倍に達する格好だ。競合の欧州物流大手上位に、さらに規模で迫ることとなる。

2023年4月21日掲載


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