オランダ裁判所:政府のスキポール空港発着枠削減を認めず
オランダのNorth-Holland裁判所は4月5日、同国政府が推進するアムステルダム・スキポール空港の発着枠削減計画を認めない判決を下した。
オランダ政府はことし3月、騒音レベル低減やCO2排出量削減を主な目的として、アムステルダム・スキポール空港の年間発着回数の上限を現在の50万回から23年11月に年間46万回、来24年までに44万回に削減することを一方的に決定。
これに対し、KLMオランダ航空や同グループのKLMシティホッパー/マルティナエア/トランサヴィアのほか、コレンドン航空、デルタ航空、イージージェット、旅行会社TUIグループなどが連合で蘭政府に対して裁判を起こしていた。今回のNorth-Holland裁判所の判決はその裁判に対するもの。
同裁判所は、政府は発着枠削減を決定する際に正しい手続きを踏んでいないとし、航空会社側の勝訴となった。これにより、同空港では今後も従来どおりの運航が可能となった。
しかしながら、スキポール空港が深夜0時~早朝6時までの離陸と深夜0時~早朝5時までの着陸を禁止。さらに夜間に使用していた幅45メートル/長さ3490メートルのカーグバーン滑走路の利用をなくし、プライベートジェットや騒音の大きい航空機の発着をさせないと発表をしたことや、オランダ政府が今後も発着枠削減を求め控訴することにしているため、今後も両者による争いは続くことが予想される。
KLMは、「政府が想定している以外の方法でスキポール空港周辺の騒音レベルを下げることができるかどうかを調査する」としており、ICAOが指針するバランスド・アプローチ(騒音発生源対策/土地利用計画と管理/騒音軽減運航公式/運航制限)で航空機騒音の影響を受ける人の数を減らすための最良の方法について検討する。「そのために、政府、スキポール航空、その他の関係者と協力を続けていきたい」とコメントしている。
2023年4月20日掲載