見出し画像

はじめに「物件ありき」は大失敗の元【第1回】

■ 物件探しからスタートすると、予算オーバーしがち

「マイホームV.S.賃貸住宅。どちらが得か?」
定期的に求められる執筆テーマです。

記事の良しあしはともかく、一定の年齢を過ぎると家賃を払わずに済むマイホーム購入を目指す人が少なくありません。今週末、住宅展示場やモデルルームに足を運ばれる予定のご夫婦もいらっしゃるかもしれません。

予算を考える前にモデルハウス(ルーム)を見学する!

マイホーム購入希望者あるあるですが、筆者はおすすめしていません。

きれいな調度品やスマート家電でコーディネートされたマンションのモデルルーム。当然、間取りは広めのタイプで、各所にオプション家具が設置されています。

物件探しからスタートしてしまうと、購入に必要なお金はどんどん上がり、結果、身の丈以上の住宅ローンを組んでしまいがちだからです!

雇用の不安定さが増している昨今、お給料がカットされたり、リストラで職を失うことは珍しいことではありません。住宅購入において、家計の変化に耐えられる、余裕を持った資金計画の重要性は年々高まってきています。

よくあるセールストークで「家賃並みのローンで買えます。」というものがありますが、その意味するところをしっかり理解されている方は案外少ないと思います。

住宅ローンに責任を持つのは、結局、あなた自身です。

物件選びのその前に、無理なく返せる我が家の「住宅購入予算」はいくらなのか? そこからスタートすることをおすすめします。

■ 家を買いたいと思ったら、まず予算を決める

そうは言っても、「住宅購入予算」をどう決めたらよいか、見当がつかない方がほとんどだと思います。予算の立て方を具体的に見ていきましょう!

予算は、現状の家計で「毎月住宅ローンをいくら支払うことができるか」をもとに決めましょう。決して「年収の5倍まで」、「返済負担率(※1)が年収の25%まで」といった目安をうのみにしてはいけません。

毎月の支払い額は次のことを考慮に入れてください。

住宅ローンのプランによっては、将来の金利上昇により毎月返済額が1~2万円上がることがあります。
毎月の支払い額はぎりぎりではなく、余裕をもった無理のない金額にすること。また、賃貸では発生しない費用(たとえば固定資産税やマンションの修繕積立費)が新たにかかることを加味して金額を決めるようにしてください。

安易に家賃と同じ額の支払い額にすると、これまで以上に住居費がかかることになります。その結果、家計収支が赤字になってしまうかもしれませんし、黒字であっても、少しの収入減にも耐えられない脆弱な家計となる可能性があります。

■住宅ローンシミュレーションサイトはあなたの味方!

毎月の支払い額を決めた後、住宅ローンのWEBシミュレーターを使い、借入額を確認します。

ローンシミュレーターは、金融機関のホームページで無料提供されています。使い勝手や入力項目に違いがありますので、いろいろ試されることをおすすめします。

住宅ローンの金利や返済期間などで借入額は変わりますが、正確に出すことが目的ではありません。ここでは、代表的な全期間固定型住宅ローンである住宅金融支援機構の「フラット35」サイト(http://www.flat35.com/)内にあるシミュレーターを使って実際に計算してみます。)内にあるシミュレーターを使って実際に計算してみます。

たとえば、毎月の支払い額が7万円の場合、借入金額はおよそ2,180万円(※2)。この借入金額にローン諸経費や団体信用保険、登記費用、引越し代などを加えた金額が「住宅購入予算」となります。

第2回住宅ローンコラムに続く

※1 返済負担率=年収に占める年間の住宅ローン返済額の割合
※2 試算条件:融資金利1.8%、返済期間35年、元利均等返済の場合

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?