オンラインプレゼン表現の追求『田口ブラックの変遷』2018年→2022年
ウェビナーやテレワーク会議におけるオンラインプレゼン。
人物(カメラ)とスライド(PowerPoint)を画面上で合成する「画づくり」は、プレゼンターとユーザーを繋ぐ接点です。
「その接点をどう演出するか」という課題の中、私が考案したのがライブ配信業界の一部で『田口ブラック』と呼ばれるオンラインプレゼン技法です。
2018年から今日までの変遷をたどりながら、進化の軌跡を振り返りたいと思います。
第1形態「黒背景を導入」
黒い背景布を初導入。
「人物とスライドを(同じ比率で)画面合成できるのでは?」というアイデアが芽生えます。
第2形態「人物×スライドの画面合成」
スライドの解像感(クッキリ)に人物のカメラ映像をフィットさせる(解像感を上げる)べく、ミラーレス一眼カメラ「Panasonic Lumix GH2」を導入。
単焦点レンズ(25mm/F1.8)を併用し、人物のみにピントを合わせて「背景布のシワをボカす(ごまかす)」を実践。
当時のビデオミキサーは「Roland V1-HD」。人物とスライドを50%づつ合成するも、全体的に暗い印象に陥ってしまう。
第3形態「田口ブラック誕生」
「人物とスライドの相乗効果」を目指す試行錯誤の中、「ルーマキー合成(スライドの暗い箇所を透過してカメラ映像と合成)」を導入。
グリーンバック(クロマキー合成)を使わなかったのは、「スライド上で緑色を使用したい」「人物の輪郭にジャギーを発生させたくない」という2つの理由から。
スマホ閲覧時、「Facebookのライブ画面の背景が黒になる」という利点を活かし、ライブ配信中の「チャット画面」も合成ソースに利用。視聴者コメントとの掛け合いによる双方向のプレゼンテーションを実現。
さらに、オーバーレイ要素(スライド、チャット画面など)の切替えをよりスムーズに行うべく、ビデオミキサーを「Roland V-8HD」にアップデート(SpecialThanks:鷹野雅弘さん)。プリセットメモリー機能を活かしたシーンスイッチングにより、演者自らが操作を行う「ワンマンオペレーションのプレゼンテーション」がシームレスに進化。
第4形態「部屋を真っ黒に」
さらなる進化を目指し、正面以外に複数アングルのマルチカメラを導入。
「あらゆるアングルのカメラ映像の背景を、キレイな黒にしたい!」という理由から、自宅の一室を(覚悟をキメて)リフォーム。オンラインプレゼンに最適化したライブ配信スタジオ『BLACKHALL』誕生(命名はローランド株式会社の吉田さん)。
第5形態「vMix&4Kカメラ導入」
2021年夏、「オンラインプレゼン表現の拡張」を目指して、ビデオミキシングソフトウェア「vMix」を導入。さらに、ビデオカメラを「Panasonic Lumix GH5S」にアップデート。vMixによるグラフィカルな映像演出、そしてGH5Sの4K映像により解像感も一気に向上。
引き続き、2022年もオンラインプレゼン表現のさらなる探求に励んでまいります。
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