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意識づけ:競技力を伸ばせる子の意識、研究論文を参考に実践しよう(第6号2022/10/5)

こんにちは。インストラクターChiakiです。

今日のテーマは「競技に対する意識づけ」です。

習い事をしている子どもに対して「上手くなりたいと思うなら自分からもっとがんばってほしい」という想いを抱えている保護者の方もいらっしゃると思います。

そして、子どもに対して直接的に「もっと練習しなさい」と言いすぎると、やるきを削いでしまうかもしれない、そういうアプローチはあまり有効ではないんだろうなということも、なんとなく想像できます。
でも、どんなやり方なら子どもの心は刺激されるのか・・を考えてみても、やはりちょっとむずかしいですね。

なので、そもそも上達の早い子たちはどんなことを意識しているのかを少しご紹介して、そこから考えられそうなアプローチをお伝えできればとおもいます。


紹介するのは、こちらの研究論文からの抜粋です。

スポーツ選手の練習の「質」を分けるものは何か? ~エキスパート・スポーツ選手の熟達化過程における練習の「質」の定性的分析
教育情報学研究 第6号(2007)斎藤茂・北村勝郎・永山貴洋

論文の要旨としては、「練習の質」の詳細をなるべく明らかにして構造化することで、「質」に対して何が作用しているのかを研究した内容です。

この研究のなかでは、その当時において、高校サッカー全国大会のベスト8以上の学校に所属する、かつ、ユース日本代表に選出された経験のある学生にインタビューを実施しています。

たとえば「何を課題ととらえているか」についてはこのような回答がありました。

「今の県の試合だとか、全国のそこそこのレベルだったら、試合中に隙があるので点は取れているんですけど、これでプロに行ったりした中で、いかにシュートチャンスまで持っているけるかというのが自分の課題だと思うので。そういうところをこれから練習して行きたいですけどね」
(上記論文より一部抜粋して引用)

「自分は足が遅いので、その部分をカバーするには判断を人よりも先にして、どこに来るかという予測も自分で立てて、その上でポジション取れって言われている。(中略)パス出してそれでOKではなくて次の選手のどちらの足に出したらプレーしやすいかというところまで、次の次まで判断できるのがいい選手だと思う」(上記論文より一部抜粋して引用)

すごい!
と、思わず声が出る回答。

まっさきに思ったのが、ものすごく”具体的な回答”だなということです。

これこそが、上達を目指す上での一つのキーとなるものでは・・と感じています。


課題が具体的だと、それを対策するためにどうしたらよいのかも具体的になるし、頭の中でイメージすることもできます。

そうすると、行動もしやすくなる。

なので、子どもへの声がけも、ただ練習を促すというよりも、「どういう場面で活躍したいのか?」「自分がちょっと弱いところはどこだと思う?」など、まずは漠然とした「上手くなりたい」を少しかみ砕いて、子ども自身の頭の中で具体性がイメージされるような会話をしてみるのが良いとおもいます。

ちょっと手のかかるフォローではありますが、でも、気持ちが伴わない練習は長続きしません。

子ども自身が「練習したい」と思うように仕向けていくには、”急がば回れ”が有効と思います。


今回はちょっと長くなりました。

論文は、国立国会図書館で検索してコピーを取り寄せられます。紹介した論文には、他にもたくさんの選手のインタビュー結果が載っているので、興味ある方はぜひご参考ください。


◎今週のやってみよう!

今回は足首のストレッチをしつつ、太ももをちょっと鍛える筋トレです。

【足首ストレッチ&太もも筋トレ】

①壁に背中とおしりをつけ、手のひらもかべに押し当てる。
②片方の足を少しだけ浮かせて、背中とおしり、手のひらを壁につけたままひざを曲げて足首をストレッチ。かかとが浮かないところで7秒静止
③ひざを伸ばして体勢を戻す。左右7秒×2~3回ずつでも鍛えられます。

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ポイントは、足首のストレッチと太ももの筋トレに集中させたいので余計な負荷をかけないことです。そのためにひざを曲げるときも伸ばすときも、壁を頼った形で動きます。

足の高さが床と並行くらいの高さに近づくと、前ももが特に鍛えられます。

もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。