美容に目覚めたアメリカン・ビューティーおじさん

50代半ばのおじさんが急にシミ取りをした。

もともと見た目は若めのおじさんである。
キャバ嬢が一緒に撮った写真をおじさんにLINEで送ったのだが、そこには次のような内容のメッセージが添えられていた。

「おじさまとラブラブツーショット写真が撮れてマンモスうれP!
それにしても、おじさまいつまでもセクシーでお若いですね」

こんなメッセージを受け取ったおじさんは急激に舞い上がった。
ツーショットの写真は現在も様々な用途で使っているわけだが、
その写真に写る自分の顔には以前から気になるシミがあったのだ。

「俺はこのシミを取ってあの子にもっと若いと言われたい!あの子とやりたい!」
そう強く思った。

頭の中はペニスしか入る余地のないIQゼロの哀れなおじさん爆誕の瞬間である。

私はこの話を見聞きして「アメリカン・ビューティー」を思い出した。


マジで吐き気を催している。

アメリカン・ビューティーは自分の娘の同級生に恋をしたケビン・スペイシーがキモジジイを見事に演じているし、サム・メンデスの描写も説明しすぎないのにシニカルで大好きな映画なのだが、改めて近くで同じような状況を目の当たりにすると心の底から気分が悪い。

同じ女ったらしでもアメリカン・ビューティーのケビン・スペイシーと、007のジェームズ・ボンドとは何が違うのか。

要は紳士的な振る舞いができるかどうかなのである。
ただやることだけを目的とするLow IQジジイと、ただやるだけなんだけど、ワンナイトの相手にだってリスペクトのある男性とでは、会話や連れていく場所全てに違いがあるのだ。
常に女性に対し雑に扱う貧乏性のオヤジが急に色気付いても中身が伴っていないため付け焼き刃のようなものなのだ。

このように男を喜ばせるテクニックを持ったキャバ嬢もキャバ嬢だが、いろんなものを見ていずれ成長していくだろう。
地方の救いようのないキャバクラの展開みたいな貧相な世界のみで一生を終える人もいるだろうが、私には無理だ。

自分のステイタスをしっかり築いていこう。
ジェームズ・ボンドに抱かれたい。


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