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プロデューサー

執筆者 無駄一万字家筆まめ


10ポイント!!!

音楽が好きで、ましてや自分でやろうとする好事家なら一度は自分のレコードのプロデュースを誰に頼もうかなと妄想するだろう。
著名なプロデューサーが良いのか、その人の良さを引き出してくれるプロデューサーが良いのか、はたまたリック・ルービンの様にレコーディング機材の事はほとんど扱い方を知らないし、技術的な事のアドバイスもほとんど無いが、まるでスピリチュアルカウンセラーの様にミュージシャンをプロデュースする、ヒーラー系プロデューサーが良いのか悩みどころだ。
ましてや、近年は日本ではアイドルをプロデュースする素晴らしい手腕のプロデューサーもいる。ジャンルに貴賎なく、ここまでビジネスとして発達するとそういう特化した能力の人達が出てくるのは凄い事だと思う。

私もご多分に漏れず、そういう妄想をした事がある。今となっては、自分達で管理するのが1番良いと思っている。こんな事を言うと、カッコよく聞こえてしまったかも知れないが、要は人にあれこれ言われたくない、好きにさせてよと思ってしまう性分、欠点の為なだけだ。
そんな私が、本気でプロデュースして欲しいと、唯一思ったのは内Pこと内村プロデューサーその人だ。テレビ朝日の深夜バラエティであった内村プロデュース。芸人さんの番組だが、私は本気で内Pには自分達をプロデュースして欲しいと今だに思っている。
以下に理由と、そこから導かれる教義を示そうと思う。

1:実績の面で申し分ない。
役柄かもしれないが、プロデューサーという立場でポケットビスケッツをヒットさせている。バカルディも海砂利水魚も再生させた。東京に出てきたばかりで仕事のない雨上がり決死隊も、気分は上々で共演している。ウッチャンに関われば、自分達のやれる事がやれる様になるのではという夢を見させてくれるのだ。

バンドは自分達のやりたい事を心に持つべし。

2:映画に精通している。
ウッチャンはロッキーが好きという点だ。そして、チャップリン、ブルース・リー。
何よりジャッキー・チェンに似ている。
それだけで理由は充分。話が合いそうだから、スタジオに缶詰めでも息抜きに同じ映画を観られる。

バンドはロッキーを節目節目で観るべし。

3:ウッチャンは実は博識。
本人がタモリさんを尊敬していると口にする様に、タモリさんと同じく色んな事にアンテナを張っているのが見てとれるのだが、それがバンドをプロデュースする際に絶対生かされると思う。

ミュージシャンも音楽以外にも目を向けるべし。

4:舞台演劇をやる。
劇団シャララをやっていた位なので、演劇の事を知っている。ボクの妻と結婚してくださいという作品があり、ウッチャン主演舞台版、織田裕二主演映画版、ウッチャン主演NHKドラマ版、全部観てるが断然舞台版が良い。
舞台演出などのノウハウが、バンドのライブショーの演出に良い影響しか与えないと思う。

舞台演劇のステージの使い方を学ぶべし。

5:コントのマスターである。
我々The Depaysementのライブショーでは、スキットを入れる事を持ち味の1つとしている。
そのスキットの案、演出、演技において、上記4つの理由も含めると我々の進化しか見えない。
もはや、モンティ・パイソン化は免れない。

音楽にユーモアを入れるべし。

これら5つの点が理由と教義だ。そして、もしプロデュースしてくれたら、これらは理由を超えて、DPMドグマ5と呼ばれる事になるだろう。ラース・フォン・トリアーらのドグマ95に匹敵するものになる。

さて、私は、内村プロデュースと同じ枠でやっていた番組、ウッチャンナンチャンのナンチャンがやっていたリングの魂、リンたまを見ていたが、それが終わって内村プロデュースが始まった事もあって、恐らく初回から1話も欠かさず番組終了まで見ていた。
当時の私にとって、あらゆる予定を内村プロデュースの放送がある曜日、時間には入れない様にするほど最優先事項だった。
今思えば、同級生と遊ぶなりしてコネクションを拡げる方が、後々の人生には良かったのかもしれないが。

内村プロデュースの企画で劇団プロデョーヌという、シェイクスピアの真夏の夜の夢とお気に召すままを下地にした劇をウッチャンの脚本、演出で芸人さん達が演じるという、今のバラエティと比べると若干の教養が必要なものがあった。
正直、シェイクスピアはロミオとジュリエット、ハムレット、マクベス、リア王、オセロなど有名なものは知っていたが、真夏の夜の夢とお気に召すままはこの劇団プロデョーヌで知った。勉強になるバカなバラエティだったと思っている。
やはり、ウッチャンは我々のプロデューサーに向いている。シェイクスピアを元ネタにしたライブスキットをプロデュースして欲しい。
別の企画では、NO PLANというユニットを作って、やはりこれもそこそこヒットさせている。
強烈な個性を持つ芸人、タレント、ミュージシャンだと"自分が自分が"と前に出て、全てを自分に集約させる。それが魅力で、カリスマになるのだろう。
私は、プロデューサーという立場なのに、フィーチャリング○○と自分の名前を出して売るのはどうなんだろう?、プロデュースされた人に失礼では?と思ってしまう人間である。レコードなり、映画なり、鑑賞後に良かったなと感じ、後に調べた時に「これもこの人プロデュースしてるのか!凄いな」となりたいので、作品を堪能する前に、名声があるからといって、それを全面に出されると、阿漕な商売してるなと思ってしまう。
そんな私から見て、ウッチャンはマモーミモーにしろ、ポケビにしろ、NO PLANにしろ、自身はスターであるにも関わらず、ユニットを組んでいるメンバーと同立に存在する事ができる稀有な人だと思う。必要に応じて自分を消せるのだ、それがグループにとって良い方向ならば。
やはりどう考えても、ますます我々のプロデューサーに向いている。
我々はライブ中、カメラを向けられると演奏そっちのけでカメラに向かってポーズをして、カメラマンだけが喜んでるみたいな事がある、残念なミュージシャンなので、高名な内村プロデューサーがプロデュースしてくれたとしても姿を消してくれて、後々作品等を買ってくれた人達が「え!内Pなの?」と新鮮な驚きを提供できると共に、我々のステージ立ったからには目立ちたいという、悲しい性を受容してくれるに違いない。
私は、内Pの下でのレコーディング中に、「今のギター、10ポイント!」と言ってもらえたら昇天するだろう。

SIM CityならぬSIM DPM

自分がThe DPMをプロデュースするならば、どうするだろうか?
プロデュースという事がその対象を売る為の行為と捉えると、難しいと思うしその方法も分からない。
それを度外視して、面白いと思う物を創った結果、おまけで売れたという条件ならば、私見で言えば簡単である。
そのバランスを取るのがプロデューサーだろ!と怒られそうだが、そんな声は無視する。
TheDPMにはとにかく、金を与え、やらなければ締め切りきちゃうよと常に追い込む。これだけで良い。
お金は、生活できるくらいでいい。食事はハンバーガーでいい。
肴は炙ったイカでいい。
もう次のツアー決まってるから、新曲創ってリハーサルしてスキット考えないと間に合わないよ、ツアーの予定は動かせないからねと追い込むだけでいい。
そうすれば、勝手にやる。
録音してる時は好きにやらせて、録ったものを後でNorman Whitfieldばりに勝手にサイケデリックファンクに仕上げれば文句を言ってこないから、考えようによっては扱いやすいはずだ。

私の言っている事は、実際にプロデュースをやってる人からしたら、鼻で笑う様な妄言なんだろう。全くその通りで、実の所、私はプロデューサーという人達が実際どんな仕事をしているのか知らない。音楽をやっているのに努力不足だと言われたらぐぅの音も出ない。
音楽以外でも、芸能人の○○プロデュースの商品とかあるが、その人は何をやるのが仕事なんだろうと思い、どんな些細な事でも金儲けの隙を見つける行き過ぎた資本主義の怖さを考えてしまうだけなのだ。
というわけで、結局は自分には向いてないのかもしれない。

そこで、皆様に提案がある。
アイドルをプロデュースするゲームがあると聞いた事があるのだが、その要領でプロデュース案を考えてもらうわけには、いかないだろうか?
無名のバンドを育てるシミュレーションゲームをやっているつもりで。
若しくは、アプリ、できればPS5用ゲームを開発して欲しい。この際、現実がダメならゲームでもいい。

昔、野球チームのオーナーになり強いチームを作りながら、ホームタウンの発展も目指すシミュレーションゲームを夢中でやった記憶がある。
そのプラットフォームを頂いて、SIM DPMの内容は、まずバンドのホームタウンをプレーヤーが好きに決めて、バンドのワールドツアーを目指しながら、ホームタウンの地域振興に貢献し、過疎化する地方を救うという感じの内容。
東京をホームタウンにすると、ライブハウスの数など活動場所は多いが、家賃と物価が高くゲーム開始時の所持金を圧迫する為、ハードモード。
だんだんバンドの名が売れていくと、怪しいマネージャー(パーカー大佐みたいな)、バンドを広告塔にしたい新興カルト団体、私もこのバンドのファンだと言うが、実の所、票を確保したいだけの胡散臭い政治家、上手い儲け話があると忍び寄ってくる謎の企業の社長、などなどの危機を回避しながらプロデュースしていくバンド育成シミュレーションゲーム。
それをやってるつもりで、The DPMを育ててみてはどうだろう?

結局、人に頼らないとダメな人間で申し訳ない。
そんな奴は、やはり内村プロデュースの下、ミュージシャン下剋上温泉バスツアーに参加して根性を叩き直すしかないのかもしれない。


音楽のアドリブと大喜利クイズ

内村プロデュースは大型クイズ番組と自称していた。
クイズと言っているが、要は大喜利だ。
これのお陰で相当鍛えられたと当時の出演芸人さん達が言ってた。
我々もプロデュースしてもらえれば、ミュージシャンとして鍛えられると思う。
それは何故か。
大喜利は、バンドでジャムセッションをした時のアドリブに置換して考える事ができると思うからだ。

最初にドラムがリズムを出す。
これがお題の前半部分。ex)こんなバンドは嫌だ、
次に、最初にフレーズを出した演奏者の弾いているキーを探る。
これがお題の後半部分だ。ex)どんなバンド?
そして、回答の応酬=フレーズの応酬。
「次はどんなフレーズで広げていくかな?お!そうきたか!」と相手の出方を窺いながら、流れを読みながら、時にはそれまで積み上げた土台をあえて崩しにかかり、演奏者(回答者)全員で、納得のいく答えを模索する。こんなに似ているなんて!と思ってしまう。
なので、私のなかでは、ジャズマンなんて落語の大師匠達の大喜利合戦である。熟練の技過ぎて、「この答え面白いの?俺にはまだ分からんな」とたまになる。
その点、内P大喜利は、我々みたいなバンドでも、まだやる事が可能な、ロックバンドのアドリブセッションの究極系だ。たまにさまぁ〜ずがJAZZをやり始める時もあったが、その感じもまた、雑多なジャンルの音楽を好むDPMに合っていると感じる。

私は、大喜利もアドリブセッションも一般的には、答えを出すまでの瞬発力(スピード)、発想力(出すフレーズの独自性等)、言い方やフリップの出し方(演奏テクニック、正確な技術)がある人が面白い(アドリブ演奏が凄い)と評価されるのだと思う。
それらを持つ人達が目立つし、好まれるのも当然理解できる。
それらを持たない若しくは大喜利=アドリブが苦手だという人が評価されるには、ミュージシャンとして認めてもらうには何か方法はないのか。面白い芸人、面白いショーをするバンドになる方法は・・・


内P大喜利では、大喜利が苦手な芸人さん達も多数参加していて、その人単体の答えでは評価されない(所謂スベる、つまらない)事もしょっちゅうだった。内村プロデューサー自身が、当時は苦手であった。
しかし、内P大喜利の凄い所はそんな苦手な人、面白い独自性のある答えが降りてこない人の回答を、大喜利巧者=アドリブ巧者のさまぁ〜ずなどの芸人さん達が自分の答えに取り入れ、イジりだし、結果最後には、番組を見ていたこちらからしたら、面白い番組だったなと番組全体、出演芸人全員が面白かったという感覚を抱いてしまう所なのだ。
対決形式の大喜利も、それ自体は大変面白いと思うが、それだとこうはいかない。どちらかが必ず"つまらなかったから負けたんだ"となってしまう。
内Pの大喜利は、助け合い、チームワーク。バンドがツアーに出て、観客を楽しませるのに必須なものと一致しているのである。
バナナマンがかつて話していた。
"その頃ってバッターボックス立ったら、グリップぎゅうぎゅうに力込めて、「この一打席!!」っていうのがまだあったんですよ。だけど力入ってるから絶対空振りだったりとか、するわけじゃないですか。そこで、オンエア見たときにスベる、いわゆる外しちゃうみたいなんでも、全体の空気が面白いっていうのをそこで俺は普通に知りましたからね。スベったっていいんだってね。なんでもやって、あとは任せちゃうみたいなのを知ったわけですよ。

引用元

アドリブセッション、バンドのライブ、誰かが間違えても、結果お客さんが面白いショーだったからまた見に行きたいと思ってくれたら、誰かがライブ中の演奏やスキットでスベっても構わないのである。

この様に、私のやりたい音楽ライブショーの形と内P大喜利は似ているのだ。
皆さんに、プロデュースをしてくれと、前段で頼んでおきながら申し訳ないが、やはり内村プロデューサーしかいないのだ。

大事な事は内村プロデュースが教えてくれた。



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