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親以外の好きなひとを見つけてほしい : 保護者インタビュー

We are Buddies(以下、WAB)は、子どもとおとなボランティアが2人1組の“バディ”となり、月2回程度、一緒に遊んだり、話したりしながら、細く長い関係性を築いていくオランダ発祥のプログラムです。

おとなバディやこどもバディが、WABに参加するきっかけはさまざま。それぞれの立場や環境が多様だからこそ、そこに芽生える物語も彩りゆたかです。そんなバディズの活動をいろんな視点で捉え、その意義を探求するべく、おとなバディたちの生の声を届ける連載に引き続き、今回は、参加しているこどもバディの保護者にインタビューをしました。

インタビューを受けてくれたのは、こどもバディHちゃんの保護者・町田希さん(以下:のんちゃん)。そして、おとなバディの本吉史果(以下、ふみか)さんが、インタビュアーとライティングを担当しました。

今回は、子どもバディ・Hちゃんのバディ・水野淳美さん(以下:あっちゃん)の住むシェアハウスにてインタビュー。
保護者ののんちゃんは、何度かお見かけしたことはありましたが、ちゃんと話すのはこの日が初めてでした。

お互い自己紹介を終えたところで「私ものんちゃんってお呼びしていいですか」と尋ねると、「どうぞどうぞ!でも、なんかちょっと恥ずかしいですね」とくしゃんと笑ってくれて、あっ、これは楽しい時間になるぞ、と確信。

あっちゃんがマスカットの香りの緑茶なるものを出してくれて、めずらしいね、美味しいね、と話しながら和やかにインタビューがスタートしました。


「好きな大人」を見つけてほしい

ふみか:元々、WABに参加する前のHちゃんの様子はどんな感じでしたか?

のん:私と離れて過ごすことが出来なかったですね。
私と離れて第三者と過ごすときは、「ママはどこに行くの。ママはどうするの。私、寂しくなったらどうすればいいの。」という彼女の不安に対して、全部計画を立てなきゃいけなくて。でも、それを立てたとしても、「でも、途中で何かあって戻ってこれなかったらどうするの」となってしまう。

ふみか:不安がたくさん生み出されちゃうんですね。

のん:多分、ASD(自閉スペクトラム症)を彼女は持ってるんですけど、昔から不安がものすごく大きくなりやすい子だったんです。

だから、学校に行っても「もし、こうなってしまったらどうしょう」と、先が見えないことへの不安が強くなってしまう。

不安なときに大人に対応してもらえなかったっていう記憶もあるので、これもあれもそれもどれも、みたいに全部言わないと安心できない。言ったとしても、「サポートが実行されるか分からないから、私は動けない」みたいな、そんな状態でした。

ふみか:なるほど…。WABを知ったきっかけはなんだったんですか?

のん:あのときは、彼女は学校に行ってなかったんですよ。行けなくなって、勉強も苦しくなって、外に出ることが怖くなった時期もあって。そういう彼女を見ていて、彼女にとって尊敬できる大人、母以外の好きな大人を見つけてほしいって思っていたんです。

私自身、高校生の時に大学生の友達がいたんですよね。その子の真似はできないんだけど、なんかあこがれを抱くというか。その友人のような考え方、生き方が素敵だなぁ。と感じ「ああいう風になれたらいいなぁー」と、思い描いてた時期があったんです。

だからそういう人がいる環境は、年齢が違っても、彼女にとってきっと特別なことになる。ましてや彼女はまだ小学校低学年なので、仕事をしている、ものすごく憧れるような大人に出会って、そういう大人になりたいと思えば、仕事とかにも興味を持ってくれるかなと思いました。

そう思って「市原市 不登校」と検索をして、「不登校カフェ」という学校に行っていない子どもたちの保護者や、活動団体が集まるイベントを見つけて参加しました。

そこでWABの説明会のチラシをいただいたのが、はじまりでした。このチラシの内容がクリーンヒットして、私、帰りの車の中で主人に「これだーーッ!!」って叫んだんですよね(笑)

ふみか:のんちゃん自身、すごく求めていたものを見つけた気持ちだったんですね。

のん:そう!!それで実際に説明会に参加したんですが、「あぁ、やっぱりいいな。思っていた活動がそこにある」って、聞きながらずっとワクワクしてました。

当時の説明会の様子。のんちゃんの隣で、Hちゃんも一緒に参加していました。

「いいよ、私、あっちゃんがいるから。」

元々、現在Hちゃんのバディであるあっちゃんとは、バディとして出会う前から、不登校カフェやWABの説明会で顔を合わせていて、一言二言話したことがあったとか。
人見知りなHちゃんも、あっちゃんのことは覚えていたそうです。

ふみか:初めてのミートアップはユニモ(ショッピングモール)でしたよね。そのときのHちゃんの様子はどうでしたか?

のん:緊張してました(笑) でもなんか、一生懸命あっちゃんと仲良くなろうとしてましたね。

あっちゃん:私もすごく人見知りが激しくて、Hちゃんと会ったときもめっちゃ緊張してて…「何をどこから話そう?!」って、頭の中で何度もシミュレーションしてました(笑)
でも、そしたらHちゃんが、めっちゃ話してくれるんですよ。「Hです!よろしくお願いします!」みたいな(笑)

ふみか:一生懸命さがすごくかわいい(笑)

あっちゃん:そうなんです。
「好きなものがいっぱいあって!あれもこれも見せたい!」って感じでユニモの中を連れまわしてくれて、緊張しなくても全然よかったわ、ってなりました(笑)

マッチングの写真。
ガチャポンやクレーンゲームなど、Hちゃんが好きなものをいろいろ見せてくれたそう。

のん:私も心配してたけど、「あ、なーんにも心配しなくて大丈夫だったな」と思ったんですよね。
そのうち、一緒にいた息子がメザスタ(ゲーム)やりに行きたいって言いだして、行ってきてもいい?ってHに聞いてみたら、「いいよ、私、あっちゃんいるから。なんかあれば、携帯で電話すれば大丈夫でしょ。」って。

ふみか:すごい!(笑) それは出会って一回目のときですよね?

のん:そう。だから、たった一回なんだけど、うちの中では大きな変化を感じていて。
Hが帰りの車で、「めっちゃ楽しかった!また遊びたい!」って言ったときの表情が、当時の彼女の中では一番キラキラしてたんです。なので、「あ、やっぱりいいんだな」と思いました。

あっちゃん:Hちゃんといろいろお店とかを巡ってる中でも、Hちゃんが「ママいなくても平気かも!」と言ったり、トイレから戻ってきたときも「もっと喋りたいから急いで手洗ってきた!」って、なんか、初めからとっても前のめりで、ありがたいなって(笑)。

ふみか:(笑) その前のめり感は、今もずっと変わらずですか?

のん:変わんないね~(笑)

駄菓子屋さんをのぞいて、好きなお菓子の話もしたんだとか。

あっちゃん×Hちゃん、のんちゃん×息子さん

ふみか:参加してから、Hちゃんやご家族の中で変化はありましたか?

のん:ありますね。最近はHがあっちゃんと2人だけで出かけられるようになって、下の息子にとってもすごくいい影響がありました。

Hが私から離れられない子だったので、息子は生まれたときから、1人で幼稚園に行くとか、「自分が1人」っていう経験はたくさんあるんですよ。だけど記憶に残っている限り、「自分とママとの関係」っていう時間があんまりなかった。

だから、あっちゃんと一緒の時間をHが作ってくれたことによって、息子も、ママを独り占めできる時間が今ようやくできてきたんです。

「Hとあっちゃんのバディの時間は、僕とママのバディだね」って息子が言っていて。

だから、その時間は息子の好きなことを2人でしに行くようになりました。私自身、しっかり彼と向き合って話を聞くことで心の余裕も生まれるので、それは本当にありがたいですね。

ふみか:すてきですね。

息子さんとのんちゃんもバディの時間。

のん:もうほんと循環ですよね。WABの持つ繋がりとかご縁とかがありがたい。

Hも、携帯を持っているので、最近は私が間に入らなくても、あっちゃんとやり取りしてますね。「日程だけは私が決めるから、自分のやりたいことはあっちゃんと相談して」っていうと、2人で色々決めてます。
本当に手放しですね。「どこどこ行ってくる〜」、「いってらっしゃーい」、みたいな。

ふみか:WABを始める前の話を聞いた後だと、Hちゃん成長したなぁっていう感動があります。

のん:今でこそ、バディと2人きりで出かけたりしていますが、最初のころは本当にすごかったです。
おととし(2022年)の10月から年明けまで、彼女にとっては一番試練のときがあって。不安障害が一気に大きくなって、体にその反応が出てきちゃったんですよね。

自分が不安になってくると、心臓の脈がどんどん速くなり、強い動悸のせいで心臓が痛くなる。その動悸も何分間続くのかわからない恐怖があって、「心臓痛い」=「死ぬのでは?」と感じて「ママ!助けて、死んじゃう」って娘は叫ぶんですよね。

そんな彼女を抱きしめて落ちつかせる毎日でした。だからどこに出かけるにしても、少しの動悸がトリガーとなりフラッシュバックが起こり、パニックになっちゃう。そんな時期があったんです。

でもそのパニックの時期でも、「あっちゃんに会いに行ってみない?」と誘うと、本当は外に出たくないし、外出はものすごく恐いんだけど、あっちゃんにだったら会いに行きたいと思ってここ(シェアハウス)まで来る。それでも恐怖とかで心臓が脈打ってしまって、泣き出して、それをあっちゃんが抱きしめてくれて。

その5分くらいの時間でも、受け止めてもらって、また少し落ち着くことができて帰る、みたいなこともたくさんありました。
その頃に比べたら、本当に今は何もないような感じに見えるというか…彼女の本質は変わってはいないけど、自分の気持ちと対話して落ち着ける状態にまでなったなぁというのはあります。

不安に駆られて、半分泣きながらもお祝いに行ったあっちゃんのお誕生日。
Hちゃんは、手紙や手作りのマスコットなどたくさんのプレゼントを用意しました。

「大好き!」ににじむ信頼

ふみか:WABに参加してみて、素敵だな、よかったなって思えるところはありますか?

のん:もうね、言葉にするのが大変(笑)

ふみか:難しいこと聞いてごめんなさい(笑)

のん:いやいや、なんかね、ありすぎちゃって。
ここまでの話も結局、WABと出会わなければ生まれなかった変化なので。この間、半年面談で愛梨さん(WABの代表)とも話してたんですけど、「あっちゃん最高」っていう一言に集約されてます(笑)

出会わなければきっと、町田家はあのまま、大きく変わることもなかったと思うんですよ。Hの中で信頼できる大人に出会うきっかけがなかったので。

でもやっぱり、あっちゃんっていう存在を通して、信頼できる…彼女の心で感じるままに言えば「大好き」で、この人だったら絶対大丈夫と思える人に出会えたっていうことが、すごく大きい。
それってどんなに周りの大人が「この人はあなたのこと好きですよ、信頼できますよ」って説き伏せたとしても、それを彼女自身が感じられなければ、そう思えないと思うので。

それを2人の関係性の中から自然と構築していって、彼女にとっては安心感を得たり、大人って自分が見てきた大人だけじゃないんだなっていうのが分かってきている。

「あっちゃんと繋がりのある大人は私を否定しない」っていうのは何となく分かってくるというか。そういう、彼女の中で感じられるものを生まれさせてくれたのがバディズですね。だから、何回も言うんですけど、ありがたいなと。

Hちゃんが、バディとふたりっきりで初めて出かけた日の一枚。何がきっかけだったのかわかりませんが、Hちゃんの「ふたりで出かけたい!」という一言を境に、ふたりで遊ぶようになりました。

ふみか:のんちゃんご自身から見ても、WABの活動は説明会で受けた印象と変わらないままですか?

のん:そう、変わんないんです。愛梨ちゃんが説明していた通り、いろんな不安感とか、言葉にはできないこととかを受け止めて、支えてくれる大人がいる。

自然な人のやさしさの循環が生まれてるなという感じがあります。最初に「あ、最高!」と思ったまま、今も「最高」と思ってます(笑)

ふみか:すごいですね、120をキープし続けてる感じ?(笑)

のん:もうね、300くらいいってます(笑)
でも、そう思えるものってなかなか世の中にないので、すごいですよね。最高から始まったものって、そこが頂点だから、下がっていくのが世の常じゃないですか。でも、下がらないっていうね。

We are Buddiesという活動がなければ、その頂点から更に登っていくこともなかったので、そういうご縁に本当に感謝してます。

あっちゃん「が」いい、と思える。

ふみか:WABに参加してみて、あっちゃんの中で何か変化はありましたか。

あっちゃん:のんちゃんじゃないですけど、いっぱいありすぎて。何を話したらいいですかね…(笑)
愛梨さんとかによく言われるのは、Hちゃんといるとき、あっちゃんの表情が違うよねって。

のん:違うよ〜。

和やかなのんちゃんとあっちゃん

あっちゃん:そうなんですね(笑)でも、Hちゃんだから対応を変えてるとか、そういうわけじゃなくて。Hちゃんがいつも「何してんの?!」って感じのおもしろいダンスだったり、変顔をずっとしてるから、それを見て私もずっと笑ってる、みたいな感じ(笑)

だから、私は別に、何か特別なことをしてるわけじゃないんですけど、周りからそうやって言われるから、なんか違うんだろうなっていう風に思ったりはします。

クリスマスやお互いの誕生日も、一緒にお祝い。クリスマスケーキは上手く焼きあがらず、ふたりで試行錯誤したんだとか(笑)

今、のんちゃんが私のことをすごく良いようにいろいろ言ってくれてるけど、私からしたら「Hちゃんすごい」ってずっと思ってます(笑) それこそ初対面の時から、めっちゃ軽やかに距離を詰めてくれたし。

もちろん、最初のころは泣きだしちゃうこともあったし、ママがいない場は難しいから、基本的にはのんちゃんも含めて3人で遊んでました。でも、ミートアップが嫌とは言わないんですよね。泣きながらでも会いに来てくれるから、「一緒に過ごす時間を楽しいと思ってくれてるんだな」って勝手に感動してて(笑)

私、初対面の人に与える印象があんまりよくないみたいで、周りから「なんで笑わないの」とか言われたこともあるんです。でもHちゃんは、そういうの全然気にしてないというか、私が私でいてもめっちゃ楽しそうにしてるんですよね。

実際、「めっちゃ楽しみにしてた!」とか、「楽しい!」とか、会ってるときもずっと言ってるんです(笑)

のんちゃん:あっちゃんといると楽しいよ(笑)

ふみか:あっちゃんはそれが嬉しいというか、よかった?(笑)

あっちゃん:うん。私でもいいんだなって、この一年ぐらいで思えました。それは、Hちゃんのおかげです。

のんちゃん:あっちゃん「が」いいんだよ。

ふみか:私も今思いました(笑) あっちゃんだから、いいんですよね。

あっちゃん:それがすごくありがたかったなっていうのは、本当に常に思ってます。

Hちゃんの七夕のお願いごと。「あっちゃんとまいにちいられますように」。

のん:多分、「何もしない」っていうのが心地いいんだと思います。何もしないんだけど、お互いのいる空間が心地いい、自然にいられることが嬉しいんじゃないかな。

あっちゃん:本当に。Hちゃんといる時間を私も純粋にいつもすごく楽しみにしてて、仕事疲れたーってなると、「Hちゃんと遊ぶ日、次いつだっけ?」ってなります(笑)

ふみか:Hちゃんも、全力であっちゃんと会うのを楽しみにしてる感じですよね。

のん:もう、猫が2,3日放置されててすり寄っていくみたいな感じです(笑) 帰るときは、「もう帰るの?でも次会えるもんね!」って。

ふみか:その、「次会えるもんね」が自然と出てくるのがすごいというか。Hちゃんの中で心の支えにもなってるし、そこに不安が見えないですもんね。

のん:ないです、ないです。もうワクワクしかないらしくて、ちょこっと不安があったとしても、「まぁ大丈夫か、あっちゃん一緒だし」っていうところに落ち着くので。
それは本当に大きな変化でもあるし、成長だし、2人の関係性なんだろうなと思ってます。

いろんな「初めて」を一緒に経験するようになったあっちゃんとHちゃん。電車に乗って、東京でひらかれたWABの写真展へも遊びに行きました。そこまでの遠出は初めてだったので、「大丈夫かな…?」とちょっと心配するのんちゃんとあっちゃんをよそに、Hちゃんは全然平気な様子だったそう。

お互いに守り合える世界ができたらいい

ふみか:最後にのんちゃんに、これからのWABの活動に期待することをお聞きしてもいいですか。

のん:今は地域で起こっているWe are Buddiesっていう活動が、学校とか教育の社会に入っていったらいいですよね。

今は、小学校は小学校、中学校は中学校、高校は高校って全部別れてるじゃないですか。でももしWABの理念が学校にも入っていって、例えば高校生が小学生に会う機会がシステムとして出来たら、自然とお姉ちゃん、お兄ちゃんたちっていうのができるんじゃないかなと思います。

社会の中にもどんどん浸透していけば、子どもたちの心の豊かさが子どもたち自身から生まれるような活動につながりそうな気がするので。そういう風に、社会の中に組み込まれていってほしいなっていうのはすごく思いますね。

ふみか:いいですね。学校を超えた縦割り班、みたいな感じですかね。

のん:今振り返ると、学校の先生とか、子どものころに見ていた大人たちから、もう少し愛情が見えても良かったのかなと思うんです。
点数とかテストで評価される社会に、すごく慣れすぎているのもあって…。でもそれが、子どもたちの中で「いやいや違うよね」って、お互いに守り合える世界があれば、大人側も気付けることがたくさんあったのかなとか。

そんな風に思える大人が増えてくれればいいんですけど、今は「それはありえないよね」っていう大人の方がすごく多い。実際仕事をしてても、対立とか、意見の違いの難しさに直面することはたくさんありますしね。

大人同士の認知のゆがみとか、価値観を認め合えない環境って、やっぱり子どもたちの世界にも影響してるんだろうなというのは、仕事をしてても思うところがあります。

ふみか:そう考えるとなおさら、あっちゃんとHちゃんのバディも、町田家とあっちゃんも、等身大のままお互いを大事にしているのが本当に素敵ですね。

のん:相手のことを好きと思えたり大事だと思ったら、人は批判も攻撃もしないし、どうにかその人をわかろうと努力するじゃないですか。それがあるから、戦争しないとか、人を傷つけちゃいけないとか、そういう風に思えるんだと思うんです。

そういう心持ちの大人が増えて、子どもたちが自分で何か感じて、「俺たちの世界つまんねえからもうちょっと面白くしようぜ」みたいな動きが現れてきたらいいな、とは思いますね。

ふみか:本当に、ここでも「循環」がキーワードになりますね。そんな風になったらすてきですね。

種をまく人、芽吹くもの

ずっと明るくその場をリードしてくださるのんちゃんと、リラックスした様子で楽しそうに相槌を打つあっちゃん。

2人が心の内側のやわらかい部分をそっと開いて見せてくれることも、Hちゃんの成長が感じられるのも、見えてくるお互いへの思いやりや眼差しのあたたかさにも、胸がいっぱいになりました。たぶん、あの空間にこそのんちゃんの言う「やさしさの循環」があったような気がします。

肩肘を張ることもなく、自然体のまま一緒にいる。2人で過ごす、なんてことない日々の楽しみ。その傍には、子どものために何かしたいと探した保護者さんの、参加したいと思った大人バディの、双方をつないでくれるWAB運営の皆さんの、ここには書ききれないもっと多くの人の、誰かを思いやるやさしさがある。

みんな、自覚もしないうちにそうやって種をまいていて、芽吹いて、いつかどこか、また別の人の中で花が咲く。こぼれた種がまた芽吹いて、心を動かすときがある。
みんなの中に必ず根付くわけでも、しんどいことがなくなるわけでもないけど、その種がまかれるだけで、世界はちょっと優しくなれる。

いつかHちゃんにも、あっちゃんとお母さんってどんな人、と聞いてみたい。
そんな風に思わせてくれた1時間半でした。

のんちゃん、あっちゃん、素敵なお話をありがとうございました!

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