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【アイトラッキングのキング】Tobii AB

事業内容

Tobii Dynavoxーコミュニケーション技術の提供
Tobii Proーアイトラッキングソリューションの提供
Tobii Techーアイトラッキング技術を家電などに搭載するための技術提供

アイトラッキングとは

tobiiproのページから抜粋します。

アイトラッキング(視線計測)は、人々が「どこを・どのように・いつ見るか」を教えてくれる技術です。……
無意識や無記憶の「本音」を探るためには、様々な生体計測が用いられます。
例えば心拍、唾液、発汗、体温、表情、脳計測、そして視線計測です。
その中でもアイトラッキング(視線計測)は、
注意、興味
を明らかにする唯一の技術です。なぜなら視線は嘘をつかないからです。
……
https://www.tobiipro.com/ja/whats_eyetracking/

短いビデオも提供されているので、こちらもご覧いただければより理解できると思います。

日本では「単純接触効果」として知られている「ザイオンス効果」も目で見ることがキーになっていると思われます。

男性に多いと思いますが、異性を目で追うというのも興味関心から起こっているのでしょうね。

Tobii Proについて

具体的にどのような場面で利用されているのでしょうか。

消費者分析
熟練者の技術継承
ユーザビリティ評価
視線操作
スポーツ分野の研究

主に上記の分野で使われているようです。
いくつかピックアップして、解説していきたいと思います。

消費者分析について

消費者の行動を可視化する
リアル店舗、ECサイト内の行動を可視化するアイトラッキングは、新パッケージの開発や広告の効果測定を行う際の標準的な方法となってきています。

ウェアラブル型のアイトラッカーにより、場所や環境を問わず視線データを取得できます。
https://www.tobiipro.com/ja/fields-of-use/marketing-consumer-research/

無意識に人間は何を見ているか、逆に何を見ていないかを知ることで小売店であればどのような陳列にすれば良いのかがわかりますし、メーカーとすればどのようなパッケージデザインにすれば良いのかがわかり、広告会社はどのような広告デザインにすれば良いのかという指標につながると思います。
そこにEEGなどの脳波計測機器を同時に使えば、購入判断についても大雑把に理解できる可能性があります。
webでの応用事例も考えてみましょう。

ユーザビリティ評価について

アイトラッキングは、効果的なユーザーインターフェイスと広告の作成に役立ちます。

ユーザーがどこを見ているか明らかにすることによって、ユーザビリティの問題が起きる場所をすぐに突き止め、WEBサイトのどの部分が最も関心を集めているか特定します。
https://www.tobiipro.com/ja/fields-of-use/user-experience-interaction/

スマホを平均で利用しているのは3時間と言われており、多くのアプリを併用して利用しているケースがほとんどだと思います。アプリを提供している各社はどうやって使ってもらうかについて頭を使っているわけですが、そのソリューションとして、アイトラッキングを利用してみるのもいいかもしれません。

もちろんwebサイトのデザインについても考える必要はありますが、対個人向けにはスマホ利用が爆発的に増えてきているので、いかに脳に負担をかけないUIUX設計するかが肝になってくるということは容易に想像がつくからです。

Tobii pro 製品

Tobii Pro フュージョン
Tobii Pro グラス 2
Tobii Pro スペクトラム
Tobii Pro ラボ
Tobii Pro ナノ
Tobii Pro X3-120
Tobii Pro Glasses 2 API
Tobii Pro SDK
https://www.tobiipro.com/ja/product-listing/

Tobii Pro フュージョンとは

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最大250 Hzのサンプリングレート、2つのアイトラッキングカメラ、2つの瞳孔追跡モード(明瞳孔と暗瞳孔)を備えたTobii Pro フュージョンは、さまざまな対象、シナリオ、データ要件にデータ収集設定を合わせることができます。
https://www.tobiipro.com/ja/product-listing/tobii-pro-fusion/

特徴
コンセプトは移動できる研究室らしく、グラスなどを持ち運ぶことなく瞳孔の追跡でアイトラッキングします。デスクワークを中心にしていたり、学校の生徒向けには最適なトラッキングツールになりそうです。
まだ出たばかりらしく活用事例が載っていませんでしたが、今後に期待できそうな製品です。

Tobii Pro グラス 2とは

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「Tobii Pro グラス 2」は着けながら自由に動きまわることが可能で、被験者が何を見ているかリアルタイムに把握できます。
その空間の中で、被験者は何に興味を持ったのか、何に注目したのか、どんな行動をとったのか、そしてそれらが意思決定にどのような影響を与えたのかを解き明かします。
https://www.tobiipro.com/ja/product-listing/tobii-pro-glasses-2/

特徴
TobiiProフュージョンとは異なり、グラスをつけることで視線移動を捉え、脳波測定機器を組み合わせることで、より詳細なデータ収集が可能なデバイスです。
こちらのデバイスが浸透していけば、より精度の高いマーケティングが可能になると考えられ、ゆくゆくはマーケッターも注目に値するデバイスになるのではないでしょうか。

課題感

メディア露出等が少なく、認知が少ないという課題がありそうです。
あとは、使いこなすにはソフトウェアの知識、神経科学(脳科学)の知識、マーケティングの知識と縦断した知識が求められることから、使い手を選ぶ製品であることは間違いないでしょう。

企業の課題としては、R&Dの投資が大きいため、グループ全体で利益が出にくいという特徴がありそうです。ただし、全体の売り上げとTobiiProが順調に利益を出しているため、今後の経営の仕方次第では利益も出せるようになるのではないかと思います。

今後の期待

アイトラッキングにおいて世界で60%のシェアを持っているため、市場をリードしてアイトラッキングが当たり前の世の中、そしてアイトラッキングによって快適な生活を送ることのできる世界を実現できるようになれば素敵だと思っています。
ただ、グラスのデザインが少し野暮ったく見えてしまうので、みんながかけたくなるようなメガネのデザインの製作ができるようになれば、より多くの人が使うようになるのではないかと思われます。

会社概要

創業:2001年
従業員:1200名
収益:1302M$
本社:スウェーデンストックホルム
CEO:Henrik Eskilsson

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