ラジオにロマンを感じる時
「やっとここまできた」
夕方のラジオが始まった。
この時間になるとやっと今日も終わることができるという安心感がすこーしだけ出て来る。
一人でこなせる量の仕事じゃなくてまだ全然残っている時もあるんだけど。
ブラック企業に勤めていた時代、トラックのカーラジオから流れてくるラジオに耳を傾け、なんとか仕事をこなしていた。
情緒不安定になって、ちょっとセンチメンタルな視聴者さんからの投稿で号泣したことが何回かある。
軽く病んでいた。
ラジオとは高校時代からの付き合いだ。 いや、付き合いというより自分の方が支えられっぱなしなのかもしれない (そこらへんは他の記事で言っているので割愛させていただく) 。
高校の時から現在に至るまで、地元のラジオ局番組はもちろん、Podcastでどこの誰かもわからない人たちが繰り広げる与太話も聴いている。 radikoプレミアムに登録してからは全国のラジオをリアルタイムで聴けるし、タイムフリーであれば過去の番組も遡って聴くことができる。
ラジオはロマンだ。
地元外のラジオ、私の場合は番組というより好きな「土地」のラジオ番組をリアルタイムで聴いている時、
「地元の人も今この放送を聴いている」 と思う。
カーラジオから流れる放送を聴くタクシーの運転手。 お出かけ帰りの家族。 はたまた1人でしっぽり夜のドライブに勤しむ者。 勉強後の就寝前にラジオに聴き入る学生。
そんな風景が、 かつての自分と同じように何かに悩み、解決策もわからず途方に暮れ… そんな時、ラジオだけが支えだった。
同じように何かに悩み、自分よりもどうしようもできない問題を抱えているやつ、恋をしているやつ、部活で悩んでいるやつ、とにかくふざけるやつ…
そんなやつらがいるんだ、と思うだけで自分も一人じゃないんだと思えた。
そういうやつらが今も同じようにいて、どうしようもないこの夜を過ごしている。
そう思うだけで、この夜の中で繋がっているような気がした。
妻の実家が沖縄なのだが、沖縄から帰ってきた時、何かとてもさみしい気持ちになった。 親戚で集まってみんなでご飯を食べる。 同年代の人たちとみんなで夜のドライブ。
もともとそういう遊びをする方ではないからどこか新鮮だった。
帰ってくると、こちらで沖縄を感じられるものが少ない。
そんな時、沖縄のラジオを聴く。
心地よいイントネーションで喋る地元のラジオパーソナリティ。
合間に流れるケンタッキーのCM。
沖縄の人たちも今この音声を聴いているんだろうか。
そう思うだけでなんだか嬉しくなった。
P.S
逆に地元外に行き孤独を感じたり寂しくなった時、地元のラジオを聴きます。
そうするといつもの時間がやってくる。
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