友人Aと歩き飲みpart2

市販薬で最もヤバい、唯一死に至れる可能性のある メジコン を求め俺たちは彷徨っていた。

20t入りで確か1200円だった気がする。コスパは最悪だが、宇宙旅行に行きたかった俺はメジコンを購入する。

友人Aは5t、俺は10t(ワンシート)飲んだ。分かりやすいようにタイマーを使用。

1時間が経過した頃、その瞬間は訪れる。視界が二重に見え、体が異常に軽い。テンションはハイだった。

そして、気がつくと俺は‘ロボット’になっていた。

世界が四角い。全ての動作がカクついている。俺はカクカクになりながら、ただひたすら歩いた。

「体が軽過ぎて飛べる!」勘違いした俺は両腕を羽根に見立ててパタパタと動かした。側から見たら滑稽だ。ただ、俺はそんなことなんてどうで良かった。飛びたかった。人間なら誰しも、空を飛んでみたいという夢があるはずだ。遂に俺は飛べる。おれはただ必死に空に向けて羽根(両腕)を広げた。

友人Aは気持ち悪いぐらいハイテンションだった。彼は鬱病だったが、嘘のようにニコニコしていた。俺は嬉しくなった。

ふらふらになりながら彼と解散し、バスに乗り込んだ。完全に酔っ払い状態だった。酩酊感で満ちていた。グラグラでカックカクだった。目的地に着くと、俺はカクカクしながら家を目指して歩いた。次こそは階数を間違えないように、慎重に。

家に着くと、俺は床に倒れ込んだ。母親に「具合悪い…」と告げると、母親は胃薬を差し出した。(また薬かよ…)と思い、バレないようにゴミ箱に捨てた。

俺は目を閉じた。目を閉じたら、俺が高校生だった頃の英語の先生が授業を始めていた。虹色だった。ゲーミング先生と共に、俺は授業を受けていた。俺は永遠に、終わることのない授業を受けて力尽きた。今でも、虹色に発光していた先生のことは鮮明に覚えている。

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