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きっと彼は生涯他人

   誰かの口笛が窓から聞こえてくる。
   先の豪雨も鳴りを潜めた。鼻を纏うゲオスミンとは土中のバクテリア、カビの臭い。目を閉じるなどをしてみる。
 「私以外にも人が存在する」不変の事実への意識。巨大なクエスチョンマーク。
   重たい。私にはあまりにも重い社会。時間の流れが早い。痛い。閉鎖的な口笛が帯状となり、いつまでも私の首元から離れない​_____
   私の中ではまだ父の手に押さえつけられた稚児が眠っているのに。←それは甘えに過ぎない甘えでしかない大馬鹿者のしるし。←こういった類のインターネット。
   そんなこともないのに。
   羽音は気にならない。お前らの方がうるさいから。鳴り止むなロックンロール。彼の上に浮かんでいる巨大なクエスチョンマークがどんどん肥大化している。
    もし人間がでかくなってしまったのなら、私もそれ相応にでかくなった。理由は無い。
    何か名称を得るわけでもなく、明日も私は元気なのであった。冬にもなる。

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