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透明少女を聞くたびに

結局私の生活は全て夏の延長上にあるのかもしれない。

私が何かを決断する時。考える時。感じる時。
全ては燃えるような刹那の清涼に扇がれながらだった。ずーっと。何時でも。

そんなことで私は、すっかりパブロフの犬になってしまった。
何かを決断する時。考える時。感じる時。
私は夏を探さなければいけない。

その時、透明少女という曲は何よりも道標になる。歌っていればいずれ、側溝から、爪の隙間から、夏がやってくる歌だ。

爽やかでどこまでも尖っているギターは、高校生の私に青春の膜を張る。

学校へ向かう。透明少女を歌う。
自転車で坂を駆け上がる。

群青色の空を見て、
「気付いたら俺は なんとなく夏だった」
という歌詞は、どこまでもどこまでもその通りだと思った。

向かいから来る風の透明感。

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